謎の古代豪族 葛城氏(祥伝社新書326)

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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396113261

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  • 葛城氏。おもろい。行きたいなー。葛城地方!

  • 五世紀を通じ最も天皇家に女性を入内させた一族が葛城氏である。応神から武烈まで11代のうち9代は葛城女性と親族関係があった。
    その始祖葛城襲津彦はヤマト王権の対外交渉を担う人物だった。
    畿内のみならず西日本・瀬戸内海から朝鮮半島に至る水運を掌握し権力基盤とした。
    渡来系集団を取り込み先進文物を導入しヤマト王権の中で優越する地位を確立していった。
    葛城玉田宿禰は允恭天皇に謀殺され、その後葛城氏は滅亡した。

  • 葛城氏の隆盛と滅亡の理由を記紀神話に残された断片や各地の古代から残る地名、近年の遺跡研究の進展から導き出す。葛城氏は各地の海洋豪族と結んで朝鮮半島との外交を一手に担い、天皇家と並び立つ存在となり姻戚として葛城系の天皇が続々即位したが、それを良しとしない非葛城氏系天皇によって氏族間の連携を切り崩され衰退した。そうして天皇家が権力を握ったものの武烈・継体天皇の系譜断裂を招く。葛城市の残影は明治まで存在した忍海郡や葛城の神社にうかがえる。

  • 水上交通と外交を元に渡来人や職人集団、それをまとめる氏族と手を組んだ葛城氏。
    それによって先進文物を手に入れることで優位にたてたのか天皇と姻戚関係になり反映したことが書かれていました。

    蘇我馬子などは教科書とかによく出てくるけれどなかなか知らないので読んでみました。
    なるほどまだ研究途中なんですね。

    繁栄したと思われるのに資料が多くないのは不思議。

    また葛城に関連した神社に私の地元があるのは驚きました。
    葛城地方に行くのはなかなか難しいけれどそこはぜひ行ってみたいです

  • ・天皇家といえども、葛城氏との姻戚関係なしには王権を維持できない状況だった。
    ・姻戚関係を持たなかった安康天皇は殺され、武烈天皇は天皇家の系統を途絶えさせ、別系統の継体天皇が誕生した。「継体」とはまさに名のとおりなのである。

  • 諸氏との提携や水上交通、外交を背景に権力を握ったという雰囲気にまとめられてますが、逆に葛城氏が権力を持っていたから諸氏との提携や水上交通が出来、外交にも関与できたのではないかという、鶏が先か卵が先か議論になる危惧。
    円大臣が雄略天皇へ献じたとされる宅七区の地域が葛城県となり、のちの忍海郡にあたるという話など興味ぶかい見解もいくつかある。

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著者プロフィール

1948年、奈良県生まれ。1971年、龍谷大学文学部史学科卒業。以降、奈良県内で教諭として教壇に立つかたわら研究活動を行う。1992年に初の単著『鹿と鳥の文化史』(白水社)を刊行、以降コンスタントに著書を刊行する。2002年、「古代日本の王家と氏族の研究」によって皇學館大学(学長・大庭脩)より文学博士号。この間、龍谷大学・堺女子短期大学非常勤講師、龍谷大学仏教文化研究所客員研究員、奈良県王子町史編纂委員等を経て、2008年に龍谷大学文学部史学科教授となり、2017年に定年退官するまで勤務した。専門は日本古代史。

「2021年 『雄略天皇の古代史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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