長期政権のあと (祥伝社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396116088

感想・レビュー・書評

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  • まあ結構当たり前な総論的な話が多く、深みはない。佐藤氏の発言もほぼ以前に読んだ内容ばかりで新鮮味はない。

  • p88 佐藤氏 ゴルバチョフ氏に質問 「ソ連崩壊の要因をひとつだけあげていただけますか?」
    「サウジアラビアに対して、あまりにも無知だった。アメリカとサウジアラビアが原油の生産調整をした意味が理解できなかった」
    1985 リヤド密約 当時のソ連経済は石油輸出に依存。含油価格高騰で外貨収入が増えていたが、サウジの原油増産で、原油価格が下落。ソ連は外貨収入が激減して経済悪化

    p90 イギリス国の正式名称 United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland

    p99 国鉄や公社の民営化は、国にとって税収増というメリットがある 非課税だった不動産に対して固定資産税を、黒字化すれば法人税を納める義務が生じる

    p100 国鉄民営化の真の狙いは、強い労働組合を潰すことにあったといわれています。それは連合の弱体化につながり、1996 社会党への瓦解へといたる サッチャリズムによる組合つぶしを彷彿とさせる

    p102国家のシステムの3つの要素 政府、民族、資本
    政府が行き過ぎると国家主義に、民族が行き過ぎるとナショナリズムや排外主義に、資本のいきすぎがグローバル化
    国家は、三要素がバランスを取りながら成り立つのが理想です

    p146 1990年後半 就職氷河期 若年層が不安定な状態
    このときに団塊ジュニア世代がきちんとしたライフチャンスを確保できなかったことが、その後の日本社会の弱体化を決定的にしたと、私はみています

    p184 国、都道府県が移動規制をしなかった
     憲法違反であるという訴訟を起こされた場合、意見の判断をされる可能性があった 国民の同調圧力に期待

    p208 現在15-24歳の世代は、就職氷河期より500万人もふくない 彼らが社会の中核を担う2040年代には、高齢人工が2900万人とピーク 宮本教授はまちがってもこの若者たちが社会の周辺においやられることになってはならない 企業はむしろ今チャンスを与えて、内部留保を取り崩しても人材を集めて育てるべきだ

    p216 アベノミクスの唯一の実績といえるのが、若年層の雇用確保

    p220 ユニコーン企業 2020年で7社に増える
    2018 メルカリとプリファードネットワークス

    p230 コロナ禍の中、日本のテレビを見るのをやめて毎日BBCワールドニュースをみている

    p238 生活苦だけでは説明できない未婚者の急増。結婚できないことを認知したくないから、「結婚したくない」という自己決定であると、自分に言い聞かせる。あるいは、「今後の日本を考えたら子どもをつくらないほうがよい」との理屈に乗っかる人たちです。

  • 長期政権そのものを論じるというよりも、戦後の日本の政治をなぞるような内容だった。対談というよりも往復書簡のような様相で、これまでの佐藤氏の対談本で、ほんとにこんなふうにしゃべったんだろうか?会話のやり取りにしては、ちょっと内容が文語じゃないか、と不自然さを感じていた身には、とてもしっくり来たと思う。

    安倍政権は長く続いてきただけに、個人的なものというよりも日本の政治そのものの姿を映しているという。なるほどなぁ、と思った。そして誰がそのあとを継ぐとしても、経済に全力投球せざるを得ないだろうし、ひょっとすると短期政権がぽつぽつと続く中で傷が広げられていくのかもしれない。

    処方箋は提示されていたけれど、道は険しそうだ。俺は本書で語られていた高負担、高福祉社会が痛みを伴いつつ、処方になるというのはなるほどと思うけれど、現実に移すにはいくつものハードルがあるんだろうなぁ。

    いろいろ考えさせられて、とても楽しかった。

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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