どうする財源ーー貨幣論で読み解く税と財政の仕組み (祥伝社新書 676)
- 祥伝社 (2023年3月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396116767
感想・レビュー・書評
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話題の「財源」がテーマだが、著者の代表作「富国と強兵」のダイジェストとして読むこともできる。
ポイントは直感に反する「貨幣とは特殊な負債である(資産ではない)」という事実が理解できるかどうかにかかっている。
この点が理解できれば景色が変わり、日経等の経済記事のレベルの低さに愕然とするようになるだろう。
日本の衰退を止めるために自分に何ができるかを考えさせられた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分がこれまでに得た、金融や財政に関する知見とはまったく異なる視点で書かれているため、違和感しか残りませんでした。
マクロ経済学における前提やビジネスにおけるお金の動き方をまったく無視しているようにしか見えず、その点が、違和感の理由だと思います。
この本の内容については、自分の理解が足りないだけかもしれませんが、「貨幣破壊」という概念には、ものすごく違和感がありますし、マネタリーベースやマネーストックに関する記述がほとんどない点も気になりました。
また、述べられている内容のほとんどは国内の話であり、国際的なお金のやりとりにはほとんど触れられていない点にも違和感がありました。
全体的に、「ある種の(特殊な)仮定の下であれば成り立ち得る机上の空論」という印象が強く、現実を説明しているようには、とても思えません。
が、自分がMMT(現代貨幣理論)を理解していないだけかもしれないので、まずはMMTの基本から学びたいと思います。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/788987 -
再読の価値あり。貨幣や国家がどういうものかを考えると当然の帰結。国民の常識になるべき内容。
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経済学者や財務官僚がいかに不真面目なのか、がわかる本だと思う。
なぜなら彼らの緊縮財政に対する主張も、MMTをはじめとする積極財政に対する批判もあまりにも的外れなことがわかるから。
せめて相手の主張を理解したうえで批判することは最低限の分別だと思うけれど、それすらできていない。
最近は事実すらまともに把握せず、適当に自分の主張だけを繰り返すいい加減な人が増えたような気がする。 -
これまたわかりやすくエキサイティングな経済書であった。
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貨幣論について非常に勉強になりました。
お気に入りの一冊です。
ただ、世間の通説(?)に囚われてるような人が読むとセンメルヴェイス反射的にアレルギー反応を起こしちゃいそうな本。 -
日本の経済政策は封建主義的
資本主義に合っていない -
中野剛志氏の著書は結構読んでいるが、今回もシニカルかつ的確な分析が光っている。
ここ最近積極財政か緊縮財政どちらが相応しいかがメディアで議論されるようになった。日本がやっとこのような状況になったのも、10年以上前から様々なメディアで経済について語っていた著者の功績もあると私は思っている。そんな人物が書いた新書が難しいはずがない。昨今メディアで取り上げられる経済テーマに関しては基本的なことがこの本でわかるようになっている。
きっと、経済についてあまり勉強してこなかった人からしたら、今までなんとなく学んできた知識を覆す内容ばかりだろう。だからこそ、本書のタイトルは『どうする財源』なんだと思う。(もちろん現在放送中の大河ドラマからの引用というのは踏まえている)