- Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396332167
感想・レビュー・書評
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大川わたり
2002.11発行。大活字文庫。大活字本の上中下の3冊。
なお、本の登録は「大川わたり (祥伝社文庫) 2005.04発行」で行う。
この物語は、銀次の成長と銀次の真っ直ぐな心が読んでいて気持ちがいい。
大工の銀次は、猪之助親分の賭場で20両の借金を作る。その20両の返済が終わるまでは、大川を渡って深川に入らないことを猪之助に命じられる。
銀次は、大工として普請に係わった無双流の堀正之介を頼り、その信頼を得る。
正之介の勧めで千代屋の手代になるが。
千代屋は、猪之助親分の代貸新三郎の騙りにかかり炭町の師匠藤村柳花を死なせる。
柳花を担当した銀次は、窮地に陥る。銀次を信じるのは女中のおやすのみである。主人・太兵衛も番頭も目を逸らす。
太兵衛は、新三郎の騙りにかかったことを悟り、新三郎の言いなりに千両を出し、銀次を辞めさせるが…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一力得意の安心して読める本
自分の借金のせいで大川を渡ることが出来ず、数々の苦境に立たされる。
最後までハラハラさせられたが、結末は多くの方々に支えられハッピーエンド。ちょっと大掛かり過ぎて疑問も⁉ -
俺はお店から暇を出されたこれに思い当たり、銀次の腰が砕けたのだ
昔を振り返って、その当時の仕事を片っ端から消しゴムで消してしまうのは、おのれの軌跡を否定するも同然です。たとえ未熟であっても、その当時にしかできないこともあります -
(古本を購入)
読み始めた(6月1日)〜読み終わった(6月3日)
冷や水売りのおやじさんが味わい深い。
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2019.5.2(木)¥200(20%引き)+税。
2019.5.7(火)。 -
江戸深川の気風のいい男達が紡ぎ出す人情物語。
山本一力、初の長編物語ということで荒いところも目立つが、後の山本一力を作り出す原点として、しっかりと刻みつけた作品。 -
「絶対に大川を渡っちゃならねえ」賭場の借金を
返すまで、なにがあろうと深川にもどれない
大工の銀次は、呉服屋の手代として再起を決意。
先行き順風に見えたが…。苦難にめげない
男の美学を描く時代小説。 -
なんだこの山本さんらしくも無い、いい加減なエンディングは。最初はそう思いましたね。でも更に見事にひっくり返してくれました。ちょっと出来すぎですけどね。
1994年に書かれた最初の長編だそうです。随分荒っぽいところも感じられます。例えば腕の良い大工の銀二が、借金を抱えた身で、乞われたとは言え給金の下がる呉服屋の手代になる必然性は有りません。でも、まあそういうところは無視しましょう。
そういえば、このストーリーは先日読んだ"蒼竜"の中の"のぼりうなぎ"に似てますね。こちらは腕の良い指物師が呉服屋の手代になる話でしたけど。
何はともあれ、山本さんの読後感の良さは、このような初期の作品から現れています。
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著者の本は初めてです。
目次後の大川(隅田川)周辺図で内容を確認しながら、楽しんでいます。
江戸の人々の人情と最後に分かったこととが、時代小説の面白さとなっています。