下山事件完全版: 最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (602ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396333669

感想・レビュー・書評

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  • 戦中戦後の闇、暗日本史。

    少し前に、真山仁著「ロッキード」を読んでいたこともあり、大変興味深く読んだ。

    この作品を通じて、たくさんの命や、あったはずの幸せな生活が犠牲となり今に繋がっていることを忘れてはならない、と感じた。

    今の現実社会がこのような過去があって成り立っていることに、なぜだか無力感を感じてしまって、軽く落ち込んでいる…。

  • 日本の黒い霧を読み進めているが、上巻ではこれと、ゾルゲ事件が興味深い。
    GHQは本当にロクなことをしていないということが、よくわかる黒い霧上下巻となりそうだ。
    これがらみで、何冊書物を買うことになるのだろうか。

  • ノンフィクション名著

  • 取材力は認めるが話があっちに行ったりこっちに行ったり.もう少しまとめてから文章にしてほしい.

  • 著者は森達也氏著の「下山事件(シモヤマケース)」のなかで"彼"として登場している人物。
    彼の祖父をはじめとする近い親類が戦後まもなくあった会社の"亜細亜産業"に関わっており、そこで下山事件に繋がって行く。

    読み始めは「シモヤマケース」の焼き直しかとも思いましたが、途中からは独自の文章となり楽しめました。

    まあ、このような本の特徴として自説に都合の悪い事実にはほとんど触れないし、多少強引な論理も見受けられる。
    また、自分の親族に関しての記述が多いせいか、文章に多少は鼻につくところが散見される。

    戦後すぐの歴史を眺めながら、著者の推理を楽しみました。

  • 下山事件の真相に迫るドキュメント。ここまで明るみにしてよいのか、というくらい生々しい証言に彩られた闇の世界。非常に面白かった。真相がはっきり示されるわけではないが、私にはこれで十分。今の日本の有り様もこのような陰謀、事件の上に成り立っていることを思うと、複雑な思いになる。

  • すでに4回ほど読んだ。どんなフィクションより面白いミステリー。

  • 身内のルポ
    ちょっと合わなくて最後まで読み切れませんでした(>_<)

  • 戦後の動乱冷めやらぬ時期、「松川事件」「三鷹事件」と共に国鉄の3大事件と呼ばれる謎多き事件。いつかは読みたいと思い続けていた「下山事件」のノンフィクション。

    昭和24年7月、GHQの占領下にあった日本で、国鉄総裁だった下山定則が轢死体で発見された「下山事件」。自殺説、GHQ、CIAの陰謀説、大量馘首に端を発した労働組合による殺人、ソ連による暗殺説など様々な説が取りざたされながら、今も真相は闇の中に沈み、関係者もほとんどが鬼籍に入っている。
    筆者は、事件にかかわったかもしれない男の孫として、貴重な親族の証言を得ながら、これまでのジャーナリストとは違った切り口で事件を検証していく。

    一人の男が殺されたというだけに留まらない、重く、深く、暗い事情が目の前に示されるとき、自分の暮らす国のこれほどの闇を知ることへの躊躇に何度か挫折しかかった。
    好奇心だけでは言い表せない何かに突き動かされ最後まで読んでみたけれど、やはり真相はいまだ霧の中。ん~はっきりしない。当時、関わった数々の人物が、不審死を遂げた事実を思うと、すべてを明らかにするのは筆者とて危険なのかしら?

    国を動かしているのは誰だろう?という素朴な疑問が消えない。同じ思いをグリコ森永事件のノンフィクションを読んだ時にも感じたのを思い出した。
    警察の捜査はもちろん、政治家をも操る右翼やフィクサーと呼ばれる存在。GHQによる占領が終わると、経済によるある意味軍隊なき占領があり、では現在は?

    関東軍、満鉄、国鉄に群がる利権、国鉄民営化構想・・・下山という一人の男の死を突き詰めていくと、戦前にまで行き着くという闇の深さに愕然とする。
    そして、それは今に至るも大きくは変わっていないのかもしれない。国を動かしている力を本当には知らないんだな~と思い、知らない方が幸せなのかもしれないとしみじみ感じた読後でした。

  • 関係者の血縁者による、ルポタージュ。
    自分が犯人の身内ではないかというところから始まるのがとてもキャッチーです。

    未解決事件のノンフィクションだから当たり前ですが
    、膨大な資料により、仮説立てをしても当然のことながら犯人を明示しません。

    ちょっと残念。。

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著者プロフィール

1957年、東京都出身。日本大学芸術学部写真学科中退。フリーのカメラマンから作家に転身し、現在はフィクションとノンフィクションの両分野で広く活躍する。パリ〜ダカールラリーにプライベートで2回出場し、1990年にはドライバーとして完走。1991年『KAPPA』で小説家デビュー。2006年、『下山事件 最後の証言』で第59回「日本推理作家協会賞・評論その他の部門」と第24回日本冒険小説協会大賞(実録賞)をダブル受賞。2007年、『TENGU』で第9回大藪春彦賞を受賞し、ベストセラー作家となった。他の著書に『DANCER』『GEQ』『デッドエンド』『WOLF』『下山事件 暗殺者たちの夏』『クズリ』『野守虫』『五十六 ISOROKU異聞・真珠湾攻撃』『ミッドナイト』『幕末紀』など、多数ある。

「2021年 『ジミー・ハワードのジッポー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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