翔けろ、唐獅子牡丹 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396337247

作品紹介・あらすじ

大平原の地・モンゴルに降り立った黒沢裕次郎。彼は岩手の若手ヤクザ組長だ。だが、空港でマフィアに追われる若い娘を匿うと、そこから次々と事件が降りかかってくる!どうも長年の仇・熊坂組の人間が関わっているらしい。義経伝説の地を舞台に、ついにはロシアのマフィアと一触即発に!?義を見てせざるは勇なきなり!蒼き唐獅子牡丹を背に、本物の男気を見せてやれ。

感想・レビュー・書評

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  • 12-21 2/2-2/3

  • 前作「泳げ、唐獅子牡丹!」が出たのが2003年。盛岡を舞台に友人の経営するスポーツジムを乗っ取ろうとする関西ヤクザの仕掛けた水泳対決に助っ人として登場するのが大学時代水泳部選手、今や地元の青年実業家にして裏の顔は任侠団体・黒沢組組長こと黒沢裕次郎。背中に唐獅子牡丹を背負っているので泳ぐ時にはイアン・ソープばりのワンピース型スイムスーツを着用する。ヤクザとスポーツというユニークな組み合わせの妙とそのキャラクター設定に加え爽やかな読後感で、栄えある2003年の「Best 1」に選定されている(オレが選んだランキングだけど)。

    まさかこの続編が出るとは全く期待していなかったのでこの「翔けろ!唐獅子牡丹」が出るという新刊予告には飛び上がって喜んだ。あの時と同じく黒沢裕次郎、社長秘書兼弾除けヒロシ、そして友人のスポーツジム経営者の中村という登場人物も一緒。そして今回はその三人でナント、モンゴルへ行き「チンギスカーンは源義経」伝説の謎を探る過程で意外なトラブルに巻き込まれる。さあどうなるのか?というようのが物語の大筋だ。

    しかしながら、モンゴル旅行と義経伝説が物語のクライマックスへ向けての前振りになっていることは判るのだが、観光地案内が必要以上に長いとか、義経伝説の説明が冗長と、一種の「旅行ミステリー小説」のような趣がある。ヤクザとスポーツという突飛な組み合わせから生まれる爽快感と軽快なテンポは見られない。

    と、言うことで前作の延長として読むと少し肩透かしを食った気分だ。折角の唐獅子牡丹シリーズ復活なのに何ともそこが惜しい。

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