- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396341657
感想・レビュー・書評
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私も、後悔を伴う恋ばかりをしてきました。まだまだ、若いからなにを生意気な、と思われるかもしれませんが。それでも、ひとは自分のことで精一杯で、自分の見えてる世界の一大事が、世の中で一番大変なことだ、って思っちゃう。
過去を振り返れば、あーすればよかったんじゃないか、もっとこうできたんじゃないか、それでもこれでよかったんだ、とかいろいろと思う訳で。
整理なんてできない。
それでも、幸せな方向へ、皆で進んでいければいいと思う。
最後の、ノノの話はよかった。
本当に、本当に好きだったら、そこに後悔があるなら、やり直しができるチャンスがあるのなら、そこは、勇気を出すべきなのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本に関わる人々を題材にした4作の短編集。
どの話も50ページ前後で、スキマ時間の読書にはピッタリ。
作品全体を通して、あれが伏線だったのかな?とかもしかしてこうなるのかな?といった小説的な展開はないけれど、登場人物の日常がこれからもずっと続いていくことを感じさせるリアリティある物語であった。
読み始めは、そんな作風にどこか物足りなさも感じたが、読み終える頃には、今までと別の場所から心が満たされる感覚に触れることが出来た。 -
「風を切るボールの音」
キャプテンはなぜ、翔子の手紙に応答してくれなかったのだろう。私はしてほしかった。私が今、翔子ほどではないとはいえ、大切な人に助けを欲している状況だから特にそう思ってしまう。
自分に(自分だけに)助けを求めてきている人に対して、応答さえしないなんて、そんなことできるのだろうか。 -
三十代後半の、編集者など本づくりにたずさわる人を主人公にした
追憶と慕情の物語が4編 -
幸福とは、幸福を問題にしないときを言う。
過ぎ去った日々を顧みるときと
過ぎ去った日々のことを顧みる間もないほどのとき。
どちらも幸福なときだと思う。 -
はらだみずき『はじめて好きになった花』
2015年 祥伝社文庫
今回は短編集。
主人公たちはみんな30代後半で、回顧録的小説でした。初恋、大人になってからの初めての本気の恋、そして友情などが描かれています。同じ境遇ということではないのに、読んでいて、じーんと、じんわりと胸が熱くなってくるお話たちで、主人公たちのように僕もが懐かしく感じられる作品でした。
それが単にあの頃はよかった、懐かしいという回顧ではなく、現在の背景を巧みに表現しながら過去の思い出へといざなっていくんです。
そしてどれもが、読み終わったときに未来を感じる作品です。
はらだみずきさんの作品は〝未来〟や〝希望〟を感じることができるのも大ファンになった理由のひとつなんだと改めて感じました。
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「はじめて好きになった花」
見つけた綺麗な花。
知識のないまま見ていれば綺麗だと思うだけかもしれないが、実際には何かしら意味があるからこそ生きているのだろうな。
「風を切るボールの音」
交際期間は短いが。
自分の中で消化しきれないからこそ縋るような思いで手紙を書いたのだろうが、返事が無ければ色々と不安になりそうだ。
「会えないはずの人」
同窓会で知った事。
酒の席だからこそ出来る交流はあるうえ、酔っ払ってくると普段なら絶対に聞けないような話を聞けるかもしれないもんな。
「あの人からの手紙」
長々と書かれた文。
わざわざ叙述トリックを使っているのかと思うほど酷い手紙であり、最後の言葉がなければ勘違いしたままになるだろうな。