私は存在が空気 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 639
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396344771

感想・レビュー・書評

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  • 短編6編 各主人公達が、非日常的な能力を持ったり関わったりしていく中で、恋をする。
    その非日常的能力に対する、適応力の書き方が洒落ている。あっそういうこともあるんですね、で物語が進む。異質さに肯定的。
    どれも素敵なのだけれど、「恋する交差点」が良い。5ページ強で純愛小説が完成している。交差点で絡まった二人の男女がその後お付き合いするのだが、交差点を手を繋いでどうしても渡れない。結婚を決める前、手を繋いで渡り切る決心をして、
    決死の覚悟で渡り始める。交差点は、交差点でなく人生で、やっぱり交差点。
    「少年ジャンパー」は、構想が凄い。引きこもり少年と瞬間移動の能力の組み合わせから、ロードノベル。
    恋は、なかなか成就しないけど、それでもいいねって思える感じ。

    • 土瓶さん
      読みたい。
      読みたい。
      2023/04/26
    • 1Q84O1さん
      うちの図書館ありました( ̄ー ̄)ニヤリ
      田舎ですけど…
      うちの図書館ありました( ̄ー ̄)ニヤリ
      田舎ですけど…
      2023/04/27
    • みんみんさん
      今回は「沈みかけの…」借りてきた〜(^ ^)
      今回は「沈みかけの…」借りてきた〜(^ ^)
      2023/04/27
  • 各登場人物がある種の特殊能力を持っている
    世界の短編集。

    決してみんなのヒーロー、ヒロインではないって
    ところが著者らしくて好きです。

    少年ジャンパーが特に良かったかな。

  • 夏が舞台という訳ではないけど、青い空と白い入道雲とよく冷えた麦茶とかラムネとかと一緒に楽しみたい本があって、これはその一つ。
    どの話も、超能力を持った人たちが登場。能力を駆使して派手に闘っている話もあるのに「青春」の印象が勝つのは、やっぱりみんな恋してるからかな。

    1つ目の「少年ジャンパー」は一歩踏み出したい気持ちになれて、大好き。この話を読むと一人旅に行きたくなる。春夏秋冬何歳でも楽しめる短編集なんだけど、個人的には学生の頃、夏休み序盤(そして読んだら一人旅に出る)に読みたかったなー。

  • 超能力者をテーマにした6つの短編を2015年12月祥伝社から刊行。2018年12月祥伝社文庫化。中田永一が、乙一さんの変名だとは知らなかったです。少年ジャンパーのジャンプシーンは圧巻。ファイアスターター湯川さんのクライマックスは、サスペンスたっぷりです。いずれも、良くできたお話で、心に残ります。[初出]祥伝社Feel Love vol.17(2012年2月):少年ジャンパー、Feel Love vol.20(2013年2月):私は存在が空気、幻冬舎papyrus vol.14(2007年10月):恋する交差点、小学館Fライフ3号(2014年11月):スモールライト・アドベンチャー、Amazon Kindle Singles(2015年4月):ファイアスターター湯川さん、祥伝社ウェブマガジン コフレ2015年6月15日~8月1日:サイキック人生

  • どの恋も、淡く、自然で、純粋で、私は大好き(^^徐々に仲良くなっているのが、良い。しかも、主人公成長物語で、そこも私好みだ。『私は存在が空気』は、オチが驚いた。予想つかない∑(゚Д゚)
    また今度、中田永一の本を読もうかな!

  • イラストの可愛さで読んだ本。
    それぞれの能力者達が、可愛く健気で爽やか。
    少年ジャンパーが一番好き。

  • この時期恒例の「おすすめ文庫王国」からのチョイス。恋愛小説部門の第7位。
    “恋愛”ってジャンルにはあまり惹かれないのだけど、作者に惹かれて購入。まあ、読んでみると、恋愛ものとは言えない感じ。
    6つの短編からなり、どれもがちょっとした超能力を使えるようになった(あるいは、持って生まれた)若者の話だが、しかし、それを自分の意図しないことに使う羽目になるところで話の筋がひと捻り。
    最初の話で出てくる“ジャンプ”は、「どこでもドア」と似たようなものだが、「どこでもドア」のように好きな所に行けるわけではなく、自分の行ったことがある場所にしか行けないのがミソ。
    先輩にグランドキャニオンを見せてあげるには、まず自分で苦労してグランドキャニオンまで行かなければならず、引きこもりの少年が自分の殻を破っていく様がなかなか泣ける。
    5つ目の話は“パイロキネシス”の話だが、長閑なおんぼろアパートの住人たちの話が舞台を移すといきなりアクションものになるリズムが良い。
    どの話も主人公が“男前”(女性も含めて)で、本全体としてあと口が良い。

  • 乙一最高。

  • もし超能力が使えたら。なんて妄想をまさに小説にした短編集。超能力を使って悪者と戦ったり、クラスの美女のパンツを覗こうとしたり、世界中を一瞬で移動したり、自分だったらこう使うかなーとか考えながら読むとなお楽しめます。
    こうゆう青春SFの短編小説を、いろんな作家が書き下ろした作品集とか読んでみたいなあ。

  • 超能力を持った人の短編集。

    「少年ジャンパー」
    醜い容姿に絶望して引きこもりになったカケルが、【ジャンプ】することで行ったことのある場所なら瞬間移動出来るようになる話。

    力の使い方が面白かったです。
    アメリカを移動してるのにちょっと日本の自宅に戻って未読の本を持ってこれるとか、便利過ぎ。

    海外に行けば容姿も気にならないのでは?と思ったけど、アメリカでも「ファニーフェイス」と言われてたからそういう問題でもなかったみたいですね。
    でも自分のいる周りがいかに狭い範囲だったかと気付くことが引きこもりとか、何かにショックを受けて動けなくなってる時の解決方法の一つなんだなと思いました。

    「私は存在が空気」
    軽んじられている、という意味かと思ってたら本当に見えないし気配も感じられなくなる能力だったとは。
    目の前に居て見えないってどういう技術なんだ。

    伊織が好きなのは先輩だと思っていたのに、実はさやかだったとは。
    最初に見つけてくれた、というのが大きいんだろうな。
    どうやって友達が出来たのかと思ってましたよ。

    「恋する交差点」
    スクランブル交差点で手を繋いでいても、なぜか別の人につかまっている子の話。
    これは超能力なのか?

    「スモールライト・アドベンチャー」
    ある日届いたスモールライトで小さくなってクラスの女子のパンツを見に行く話。

    やることが小学生w
    なのに途中から誘拐に遭遇してしまい、思いがけず彼女を助けることに。
    本当のことを言わないところがカッコいいような、理由がしょうもないだけなような。。

    「ファイアースターター湯川さん」
    くしゃみをしたら火花が出て周囲を焦がしてしまったりする湯川さんの話。

    木造アパートを燃やしてしまったらどうしようと管理人は気にしていたけど、そんなミスはしない程のプロの殺し屋だったとは。
    前半ののほほんとした雰囲気が徐々に物騒な話になっていって、いつの間にか銃撃戦まで始まるとは。

    「サイキック人生」
    見えない手を使って周囲の物を動かしたり人に触れる一族の話。

    見えない手を使った親子喧嘩が面白かったです。
    不思議な光景だけど、それに動じないお父さんがいるだけでなんか唯の滑稽な状況のように感じました。

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著者プロフィール

1978年福岡県生まれ、2008年『百瀬、こっちを向いて。』でデビュー。他の著書に『吉祥寺の朝日奈くん』『くちびるに歌を』『私は存在が空気』。別名義での作品も多数。

「2017年 『僕は小説が書けない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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