ヒポクラテスの悔恨(祥伝社文庫な21-4) (祥伝社文庫 な 21-4)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 953
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396348892

作品紹介・あらすじ

「これから一人だけ殺す。自然死にしか見えないかたちで」
解剖されない9割の遺体に、隠れた犯罪が潜む!?
真相とともに浮かび上がる、光崎教授の〝悔恨〟とは?
死体は雄弁に語る――法医学ミステリー第4弾

「一人だけ殺す。絶対に自然死にしか見えないかたちで」浦和医大法医学教室の光崎藤次郎教授への脅迫文がネットに書き込まれた。日本の解剖率の低さを訴えるテレビ番組での、問題の九割はカネで解決できるという彼の発言が発端だった。 挑発などなかったかのように、いつもの冷静さで解剖する光崎。一方、助教の真琴は光崎の過去に手がかりを求めると、ある因縁が浮上し……。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりのシリーズ最新!

    ちょっと出番少なない?光崎教授?
    真琴さんと、古手川さんの活躍が目立った気がしたけど…
    でも、結局、颯爽と現れ、メスを捌く(この表現でええんかな?^^;)光崎教授に、おいしいとこ取られてんのかな?

    まぁ、2人とも、自分らの上役(真琴さん:光崎教授、古手川さん:渡瀬班長)に取られてる感じ。

    若い頃には、失敗もあるし、後悔もある。それを糧に成長とはいえ、医療関係とか、警察関係とか、失敗したら、直、人命に直結しそうやから、簡単な後悔では済まんし、しんどい職業(−_−;)

    「これから一人だけ殺す。自然死にしか見えないかたちで」
    この宣言で、事故死とか、病死とか思われてる人を疑い、死者の声を聞くように頑張る古手川さん、真琴さん。
    短編のように、5つの死者の声を聞く形で進む。
    日本って、ほとんど解剖しなくて火葬されるけど、あるんやろな?実は殺しや!ってヤツが。
    こんなに、疑った死者全員が、実は?ってのもどうかと思うけど…
    予算ないのは分かるけど、出来るだけ、声は聞いて欲しい…

    なら、こんな事件も起こらんし。
    もっと無念を晴らせるかもしれんし!

    一気読み(^-^)v

  • 「ヒポクラテス」シリーズ第四弾!
    短編連作の法医学ミステリー
    今回は、光崎への脅迫という形で
    「一人だけ殺す。絶対に自然死にしか見えないかたちで」
    とネットへの書き込み。
    コレクター事件の再来を感じさせます。

    ■老人の声
    自宅で発見された老人の遺体。
    自然死なのか?
    結局はいつもの展開で(笑)解剖へ。
    そして明らかになる死因なのですが、それが、事件なのか事故なのか。
    真琴の観察眼が冴えます。

    ■異邦人の声
    仕事中、急に倒れて死亡したベトナム人。
    死因は肝臓がん?
    解剖の結果明らかになる真相。

    ■息子の声
    バイクの事故で無くなった男。
    小手川は体を張って解剖にこぎつけます。
    本当の死因は?

    ■夜蝶の声
    フィリピン女性の行き倒れ。
    熱中症と思われるが、その真相は?

    ■子供の声
    子供の死の真相は?
    ここで光崎教授の過去が明かされます。

    いずれの事件も解剖までもっていく小手川と真琴の活躍?奔走ぶりが読みどころ(笑)
    このコンビは楽しめます!

    お勧めです。

  • 天上天下唯我独尊の光崎教授がTV番組で「世の中の問題の九割はカネで解決できる」と発言。
    その後光崎教授に脅迫文がネットに書き込まれた。
    「一人だけ殺す。絶対に自然死にしか見えないかたちで」

    今回5人の事件ですが、いかに事件性を立証して解剖に漕ぎつけるかが焦点でした。
    古手川が暴走しつつも成長してました。振り回される助教の真琴も嫌々ながら良い仕事してますね。
    光崎教授の解剖シーンはどれもアッサリで、残念でした(´ー`)
    光崎教授の過去の因縁を解決するという少々毛色の違う内容に面白さは☆3つかな…


  • 「ヒポクラテスの…」の4冊目。真琴も助教になって2年あまりが経過。

    光崎が日本の司法解剖の問題点を訴えるテレビ番組で持論を言い放ったことに対し、テレビ局のホームページに『死体の声を聞く耳とやらを試させてもらおう。これから一人だけ人を殺す。絶対に自然死にしか見えないかたちで』という書き込みがされる。
    自然死にも全件当たるという、2作目の〈コレクター〉の悪夢再びという感じで予算的にも人的にもご無体な設定だが、解剖にならないと話が進まないので、まあ、いいか。
    老衰、肝臓がんの破裂、自損の交通事故、熱中症、乳幼児突然死症候群。一見してそれらの所見で何の不思議もない遺体を解剖に持ち込むために古手川と真琴が奔走するところが今回の読みどころ。
    無理には無理で対抗する単純さやアクセル役ばかりでブレーキ役がいないコンビは相変わらずも、なだめたりすかしたり脅したり、古手川が渡瀬ばりの手練手管を徐々に発揮していくところにちょっとは成長したなと思う。
    開腹してみれば意外な真実が見えてくるところはお約束でもなかなかうまく出来ており、解剖の場面のエグさはだいぶ抜けてきたように思うが、それはこちらが慣れてきたから?
    過去の因縁とこれまでの話が収斂していく最終話の展開も面白く読めた。

  • 相変わらず真琴と古手川のコンビは息ピッタリ。
    久しぶりに読んだヒポクラテスシリーズ。
    最新刊も出てるからまたそのうちに読んでみよう。

  • 短編だがそれぞれ内容が濃くて面白いです。司法解剖から死者の声を聞く大切さが伝わって来ます。

  • ヒポクラテスシリーズ4冊目

    短篇集のようで読み易いが、一つひとつの内容は重め。現代社会が抱える問題をピックアップしている。

    古手川さんと真琴先生、そしてキャシー先生の掛け合いが面白い。キャシー先生、好き!
    謎解き要素は少ないけれど、十分楽しめた。

  • 法医学ミステリー第4弾。
    ネットに投稿された脅迫文により、浦和医大法医学教室の光先教授が、自然死と思われる遺体も次々に解剖することになる。
    日本における監察医の少なさや低調な解剖率という現代日本の問題点を提示しながら、光崎の過去を解き明かすミステリーとなっている。
    しかし、光崎が登場するのは解剖の時のみで、そこにいたるまでは助教の真琴と埼玉県警の古手川が獅子奮迅の活躍をする。
    さらに、彼ら二人を側面援助するアメリカ生まれのキャシー准教授が彼らと交わす会話がこのシリーズの粋な味付けとなっている。

  • 衣食足りて礼節を知るが、正に真理をついた言葉だと感じました。

    「量的な問題は、ある段階で質的な問題に変化する」

  • シリーズ4作目

    今作は外国人にまつわるお話が多め
    そして光崎の登場は割と少なめ

    事件の真相はオーソドックス
    それよりも光崎の過去に関連する物語が面白かった
    それに伴って過去作に登場した人物もちょっぴり出てくるのもGood

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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