- Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396636371
作品紹介・あらすじ
第25回ボイルドエッグズ新人賞受賞、衝撃のミステリー!
正義感の強い秀才×美麗の変人、ふたりの高校生探偵が驚愕の事件に挑む!
カルシウム摂取量全国トップ・滝 蓮司 × 眉目秀麗の超変人・卯月麗一
高2の夏、僕らはとてつもない惨劇に遭う!
舞台は鎌倉にある名門・冬汪高校。
同高二年の滝蓮司は、眉目秀麗だが変人の卯月麗一とともに、生徒や教師から依頼を受け、思ってもみない方法で解決を図る"学内便利屋"として活動している。その名も「たこ糸研究会」。会長は蓮司、副会長は麗一。取り壊しの決まっている古い校舎の一角が、ふたりの部室にして"事務所"だった。
ある日蓮司は、道を歩けばスカウトが群がり学内にはファンクラブすら存在する超絶美少女、藤宮美耶という同級生から、ある依頼を受ける。
その依頼とは――。
蓮司と麗一が依頼を引き受けたがゆえ、惨劇の幕は開く! 舞台は、鎌倉に佇む白亜の豪邸。ふたりは特異な家族にまつわる、おぞましい事件の真相をひもといてゆく。
新進気鋭の著者が放つ、渾身のミステリー!
感想・レビュー・書評
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可愛いキャラの微笑ましい関係性と、凄惨な事件のバランスが絶妙な青春ミステリー #ドールハウスの惨劇
■あらすじ
主人公である男子高校生、真面目で勉学優秀な蓮司と変人イケメンの麗一は、校内で便利屋として活動していた。また同じ学校に通う双子の女子高生、美耶と沙耶は家族の心配事を抱えていた。便利屋の二人は、双子たちから相談をうけて…
■きっと読みたくなるレビュー
コミックの登場するキャラクターのように、愛着があるキュートな登場人物ばかり。いちいち気が効いた会話も楽しくて、微笑ましく物語を読み進められます。
しかも鎌倉の豪邸や高校が舞台、お悩み解決便利屋の初々しい高校生たちが活躍するミステリーで青春要素も満載です。
しかしながら事件の中身はタイトル通り… なかなかの陰惨な事件。ギャップのバランスが絶妙で、読み心地のよい作品でした。
本作イチオシなのは、やっぱり登場人物がしっかり描けていること。人間性はもちろん、人と人との距離感が巧みなんですよね。
特に双子の美耶と沙耶、母、主人公たちとのやり取りがお見事です。前半のデートのくだりから、中盤の事件への干渉、真相判明からラストシーンへ。
全員の距離感が近づいたり、離れたり、恋焦がれたり、裏切ったり。これがJapanMadeミステリーの良いところですよね~
しかし本作は新人作家先生とは思えないほど、いわゆる小説としての出来がいい。
起承転結、プロットがしっかり組み立てられていて、そのままアニメやテレビドラマになっても見応えがある作品になりますね。本シリーズは続編も書かれているとのことなので、自作も期待しちゃいます!
■絶賛推しポイント
双子の美耶と沙耶。あまりに二人の魅力を描けているので、これだけで優勝です。
美耶の物怖じしない迫力、圧倒的なプライドの高さ。
沙耶の静かで重い粘り強さ、ひた向きさ。
こんな女性が現実にいたら、二人とも惚れちゃうな~ と思わせる、素晴らしい書きぶりでした、詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ドールハウスの惨劇というタイトルからは想像できないくらいに、コミカルな感じのやり取りをする「たこ糸研究会」こと高校内の便利屋2人が巻き込まれる事件。
惨劇には程遠い…という章から既に惨劇感しかなかったのですが、終わってみれば確かに『ドールハウスの惨劇』だなと思いました。
ミステリー読むときに、何気ないこれは伏線なのかと疑心暗鬼に読んでいって、糸が解けるとあっ!?そういえばとなる謎解きパート。
若干アンフェアなところもあるのか?と思いながら、一応それらしいことも書いてたし、多分フェアなんだろうなと思う読後感。
なかなかいろんな意味で惨劇だった話は一応優しい救いがある中に終わるという感じで読後感も良い作品です。
主人公達のやり取りがどことなく米澤穂信先生の『本と鍵の季節』みたいな感じを想像してしまい、こういう高校生の高校を舞台にしたミステリーが私は好きなのかなと思いながら、たこ糸触ってどこのメーカーのたこ糸か当てるゲームが個人的には気になっています。 -
毒親。ひどすぎる毒親。
事件がおきるまでが長く、どうなって行くのかと思ったが、家で起きたあの事件から一気読み。犯人は当然あの双子の!と思っていたが、いい意味で裏切られて面白かった。
想像以上の重い展開になり、びっくりした。
伏線回収もとても良かった。お見事。
タイトルの意味がわかる。なるほど納得。
大学生になってからまた再会できたらいいなぁと思った。
第25回ボイルドエッグズ新人賞。
デビュー作とのこと。
完成度が高く、次回作にも期待したい。
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「クロコダイル・ティアーズ」に続き、舞台が鎌倉、かぶった。
滝と麗一のコンビがよい。おちゃらけた感じだけど、内容は結構シビア。
二人のコンビまた読みたいな。 -
エンタメ性抜群で文句無しに面白かった。シリアスとコメディのギャップが凄まじく、感情を大いに振り回された。事件の真相はとんでもない狂気と恐怖に満ちていた。それを引きずらず爽やかに〆た作者の力量にアッパレ。高校生コンビの魅力的なキャラクターやユーモアセンスに長けた台詞回しも素晴らしい。続編も期待大。