- Amazon.co.jp ・マンガ (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396762896
感想・レビュー・書評
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この界隈の過剰な性描写に若干食傷気味だったので
思いっきり雑に読んだ初回はただひたすらげんなりしたんだけど
(じゃあ買うなっていう話なんですが)
改めてちゃんと読んでみると これがなかなか…
余韻の残るお話でした詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
エロいけど、すごく考えさせられる漫画だった。文字が少ないからすぐ読めるけど、割と哲学的な内容。
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初めて買ったやまだないと
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随分昔にジャケ買いした漫画を発掘。恐らくまだ当時、小学生か中学生だったせいもあるかと思うが、あまりのエグさにもう二度と読み返したくないと思った、色んな意味で印象深い漫画です。
恋ゆえにどうしても欲しかったが、手に入れられなかった少女は、主人公を狂わし続ける。また主人公も言い寄る少女たちを受け入れ、沢山の女の運命を狂わし続ける。少女は主人公が中年になろうと、永遠に主人公の中では少女のままで、叶うことのない性欲と支配欲に蝕まれていく愚かしさ。愛欲に溺れた男が永遠に捜し続ける恋。
痛くて辛くて残酷な話。今回読み返して、やっぱりもう二度と読み返したくないと思う反面、30歳なり40歳なりになったときに読むと、また違った感想を抱くのだろうか、歳を取るにつれて悲しさが増すんだろうかと思う。 -
ものすごくドキドキした。
処女じゃない処女性っていうのかなあ、なんていうのんかな、それを感じました。
父親に愛玩されてた女の子に囚われてる気持ちって何なのだろうね。欲しいものは手に入らないお話?手に入らないから欲しいお話?
チカコの空気はやばい。
あんまり官能的だったけどすげえって思った。ほんとに。 -
これはある意味、ピグマリオンコンプレックスの話。
ピグマリオンは、ギリシャ神話のある王さま。彼は人形を現実の女性のように深く愛してしまい、それをみたアフロディテという神が、その人形に命を与えてやり妻とさせた、という話。
それが語源で現在では、女性を人形のように扱う性癖、または、女性を自分好みの女性に育てようとする事なんかを言う。
そういえば映画マイ・フェア・レディの原題はピグマリオンだし、日本でも、あの源氏物語では光源氏が紫の上を自分好みの女性に育てあげようとする。彼女が幼少の頃から、大人の女性となるまで。また、めぐの好きな谷崎潤一郎の痴人の愛なんかも、実際そうだ。主人公は15歳でカフェに給仕していた美しいナオミを見つけ自宅に引き取り、貧しくて教養もない彼女を自分の妻とすべく育てていくが、いつのまにか彼女の肉体の奴隷となり、翻弄され、やがては自らを破滅させる。
そうやって女性たちは、男たちの手によって彼らの理想の女性に”仕上がる”ばかりか、やがては手に負えないほど魅惑的になってしまうことがある。主人公たちを傷つけ、汚し、壊していく。
そんなピグマリオンコンプレックス。
(しかし、また別の、人形を愛した王さまはこう言ったそうだ。どんなに望んでも何も与えてはくれないからこそ、私は彼女を愛しているのだよ。)
このGirl Friday。
それなりに富があり傲慢でセックス中毒の主人公の父親は、女の子たをセックスのための肉の塊、のようにしか思っていない。主人公が幼少の頃から、まるで美しい蝶々を採集するように女の子たちを捕まえ、捕まえた蝶(女の子)をピンで留めはりつけにし標本としてきた。美しい蝶(女の子)のコレクションだ。彼女たちを出来るだけ自分好みの女にするために、セックスを教える。彼女らの体をこじあけ、開発し、消費する。しかし、結局彼の愛情はいつもそこで終わっていた。コレクションするだけで、はりつけにしたあとの蝶たちにはもう興味はない。
中年にさしかかる主人公は、そんな父親の血を引き継ぎ、十代の頃から数え切れない程の女の子たちとセックスを重ねてきた。まったく懲りない馬鹿な僕。でも、父親とちがうのは、捕まえた女の子たちをコレクションする気はないところだ。彼は言う。男に狂いたがっている女っているんだよ。そしてその子たちは探しているのさ。狂っていく自分を見届けてくれる男を。
彼はたくさんの女の子たちに求められながらも死ぬまで探していた。これまで父親や自分に群がってきた、男に狂いたがっている蝶ではない、一匹の蝶のことを。唯一自分を傷つけることのできる、自分には視線もくれず自由に羽ばたく、めずらしくて美しい蝶を。彼はそして知ってしまう。その自分の探しているものは、決して手に入れることのできないものなんだということ。傷つきたい、深い傷を刻まれたい、そう思っても、その蝶は自分の元にはいない。どんなに望んでも何も与えてくれない、幻の、蝶。
”その、愛するものをはりつけにしなくちゃ宝物にできないなんて、悲しいな”
最後に対談のページがある。そのタイトルは、”ピグマリオンたちの企み”
やまだないとは女であるにもかかわらず、男の視線から描くことが多い。特に、”おっさん”の視線から描くことがすきなのだそうだ。彼女の作品はいつもただのエロなんかじゃない。ここで彼女は、完全にピグマリオンだ。 -
やまだないとを通して出てくる、
共通したこのおじさん像は、
一体誰なんだろう?
やまだないと自身なのか?彼女はおじさんじゃないけど…。 -
ただのエロいのじゃない。
考えさせられた。
色塗られた女性の艶やかさが綺麗。 -
数え切れぬ情事を重ね、それでも尚追いかけたのは初恋の少女。
誰よりも凛として、誰よりもいやらしい姿。
僕を傷つけることのできる、唯一の女の子。 -
エロスはナンセンスではない。いくら過激だとしても。だから、僕は電車の中であろうと平気でやまだないとを読む。チカコに対する主人公のその気持ち、なんとなくわかります。それにしても、なんて美しいんだろうか。。。溜め息が出てしまうな。。。(06/6/17)