蟷螂の檻 5 (on BLUEコミックス)

著者 :
  • 祥伝社
4.35
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本棚登録 : 208
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396785413

作品紹介・あらすじ

闇BLの傑作、ここに完結――!

狂愛の炎の中で共に逝こうとした典彦と育郎。
しかし、育郎が義兄・蘭蔵に助け出され、二人の心中は失敗した。
育郎は、大学の同級生、飯田に保護され東京へ。
典彦とは炎の中で別れ、それきり離れ離れとなった。かつて育郎に好意を寄せていた飯田は、傷ついた友をやさしく気遣った。
兄弟ごと東京の自宅へ住まわせ、穏やかで真っ当な生活を提供した。だが、典彦と別れ別れになったその日から 育郎の心は空っぽなまま。
心も体も食い荒らすような愛され方に傷ついたはずだったが、典彦の不在に、育郎の心は――?

下剋上主従が織りなす、 執着と依存の官能時代ロマン、ついに完結!

感想・レビュー・書評

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  • 総合評価:★4.0
    最終巻。冒頭からクライマックスでしたね…。
    燃え盛る屋敷から満身創痍で逃げ出した典彦に対する私の感情は「チッ、しぶといな…」でした(笑)
    健一に助けられ、そのまま二人で逃げ果せるのかと思いきや…典彦さん、あろう事か持っていたナイフで健一をブスブス刺します(笑)
    死にかけでありながらもしっかり罪を重ねていく典彦の様子を見て本当にこいつはどうしようもないなと思いましたね。その後、全裸で健一の鞄だけ持って一人で去っていく典彦の後ろ姿がシュールでちょっと笑ってしまいました。

    一方で當間兄弟を保護した飯田は使えるんだか使えないんだか最後までよく分からない男でした(酷い)
    育郎が行方不明になってからも未練タラタラで、その執着の強さにちょっと引いてしまったり。いっそ蘭蔵とくっ付いたら?と思ってしまった。少なくとも健一より良い男だと思うぞ、私は(笑)

    この作品の唯一の良心であり正義だったさち子は最終巻でより強く逞しい女性に成長していました。
    彼女の言うことは真っ当で、全てが正しいのでもう好感しかなかったです。彼女が闇堕ちしなかった事だけがこの作品における唯一の救いかな。

    そして健一は警察に捕まり、罪を自白して刑務所へ。健一の事は最後まで好きになれませんでしたが、まぁ、罪を償っただけ典彦よりは幾分マシかな。
    因みに出所後の彼を迎えに来たのは蘭蔵。まさに人生の再スタートって感じの希望を感じさせる終わり方で悪くはなかったものの、この二人の関係も結局あんまり(というか殆ど)進展しなかったので良いんだが悪いんだか…って感じです( ̄▽ ̄;)

    で、最後…典彦と育郎ですが、全然すっきりしないラストでモヤモヤ感がハンパないです(笑)
    典彦、お前まだ足りないんかい!っていうね…。マジでいい加減にしてほしい。
    閉じられた空間で永遠に二人ぼっちでもお互いが幸せならまぁ良いかなと思うのですが、これ最終的に満たされて幸せなのは育郎だけっぽくないですか…?
    典彦は飢え続けて苦しそうだし、育郎だけが結果的に望み通り(蘭蔵になりたい)になっているという…。

    こういう作品だからハッピーエンドなんてはなから期待していませんでしたが、それにしたってもう少し後味良く出来なかったのかな、と思わなくもないですね。せめて育郎も満たされてくれればなぁ…。
    ですがまぁ、久しぶりに夢中になって読んだBL作品だったので満足度は高めです。たまにはこういう暗くて重いBLも良いですね。

  • BL大河ドラマ完結した〜〜!!

    育郎にも蘭蔵さんにも、さちこにも飯田にも、ちゃんとオチがついて満足感高いかも。

    典彦はもう、オチがつくとかそういうお話じゃないので、、とは思ったけど、主役cpの結末としてはちゃんと納得感ある。
    BLでないがしろにされがちな女性キャラをちゃんと掘り下げて、物語に必要不可欠な存在にしてるのがすごい。飯田みたいないわゆる当て馬ポジション的なキャラも、ちゃんと彼の人生としても成立させてて、そらこの巻数になりますわ!!
    個人的にはママ同士の激重感情に萌えたので、暗〜〜い百合スピンオフも見たいなぁ!

  • すごごごご。
    なんか当分漫画読みたくないや、ってくらい圧巻された。

    レンタルで借りているから今回4.5巻借りたけど全巻借り直すべきだったー!!
    いやー、ほんと漫画家さんってすごいよね。
    お話を作ってコマわりを考えて画で表現して。
    時代物描くときって時代背景も調べなきゃいけないし、
    上流階級の方たちの生活ぶりや話し方、振る舞い、言い回しを使い分けたり。
    翻訳機でもあるんですか!?
    この5冊を生み出すまでどれほどの労力が必要だったか…想像つかないわ。
    でりこ先生、お疲れさまでした…←

    あ、感想…
    わたくしめには何も語れやしまへん!
    素晴らしいの一言。
    あ、難しいも3割ほど…
    結末もよくわからんかった。←それでよく素晴らしいとか言えたな!って感じだけど


    追記
    「かまきりのおり」だと思っていたら「とうろうのおり」だった!!気づかなかった~!!

  • この二人にとっての最善はこうだと思っていたので、
    想定の範囲内の結末で、それほど驚きはなかったな。
    でも育郎……そこまで好きだったのか。
    育郎から典彦への矢印がそんなに強く大きかったとは。

    そしてお兄ちゃん……幸せになってくれー

  • 完結を迎えて一気見、読了。

    素晴らしい!泣けた。
    最後はちょびっと物足りなかった…物足りないってのはもっと長く書いて欲しかった!って意味でだけど、それでも盛り盛り過ぎで、全部を描ききるには足りないでしょ、そのページ数って感じだったよね。
    序盤から「もーそんなに言うならやっちゃえよー!」って思う度にそれを超えてくる展開と、その先これでもか!ってまだまだだぞ!って追いかけてくる影に、イライラモヤモヤさせられながら迎えた5巻は、通販で届いた時は分厚っ!って思ったけど、読んでみたらあっという間で、もっと長くてよかったよーほんとは。
    彩景先生は、このイラっと悶々とする、それでいて沼のように深くドロドロで気高い愛を描く天才である!と、思います。
    優しくて楽しくてふわふわ甘いだけじゃない、むしろそんなのは愛と言うものの一面に過ぎず、本当の愛は汗臭くて汚くて痛くてみっともなくて、、、そう言うまさに闇の部分があって当たり前の、そう言うものだって言うのを思い出させる、そう言う天才ですよ、ほんと。

    痛くて辛いけど、二人が本当に幸せになれたならよかったよね。
    飯田くんだけがかわいそうだったなーw

  • 凄かったよ‼️
    典彦の執着ヤバすぎたね。怒涛の展開で色んな事実が判明して、ちょっと理解するの大変だったけど …見事な完結でした。
    蘭蔵と健一のハピエンに救われた。

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