- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784401633425
作品紹介・あらすじ
7歳の時、クイーンのブライアン・メイが弾くギターを聴いた瞬間「自分はロック・スターになる」と音楽の担当教師に宣言したトム・ヨーク。レディオヘッド最初のヒット"クリープ"に苦しめられ、その後もアルバム制作ごとに苦悩を重ねながら、メンバーや友人たちに支えられてその都度レヴェル・アップ。『OKコンピューター』はじめ数々の名盤を残してきたレディオヘッドの一員としての活動のみならず、ソロも含めたいちミュージシャンとして-これまでの半生を綴った、本邦初のトム個人に関する評伝。
感想・レビュー・書評
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もともとバブリーな偶像やファンタジーを提供して売っているタイプのバンドではないので、実際評伝を読んでいても漏れ伝わってくる断片情報を編集したという感じで、特別ギャップを感じたり、新しい発見があるわけではない。
トムさんって屈折したイメージを持たれがちだけれど、中産階級の恵まれた環境に育っていて、目立った挫折があるわけではなくて、ことさら目の手術のエピソードが取り上げられるのは、案外幼少期が安寧だったからなのかもしれない(それ以外に特異性の源泉としてもっともらしいエピソードがない、ということ)。
社会意識が高い、といってもそこにあるのはなんとかしたいけどどうにもできずに悶々とするフツーの男性像。しかもセレブでいること、影響力を行使することに消極的なので、より「普通の父親」に近い。
思うのが、トムさんって実は本質的には全然僕普通の一般人と違わないのだけれど、その音楽的才能を認めて背中を押してくれる仲間と出会ったことで、知らぬ間に世界のトップになっちゃった感じなのかなー、ということ。それは軽く見過ぎかもしれないけれど。
レディオヘッド史をさくっと振り返る、もしくはトムさんの人間性を身近に感じるには、分量も手軽だし良い本だと思います。
PS. 途中「トムがJeff Buckleyのライブを聴きに訪れて、その驚異的な歌唱に圧倒された」というような記述があって、興味を惹かれた。やっぱりあの歌声にはさすがのトム・ヨークも驚いたんですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
クレイジーな音楽業界を渡り歩いていく為に、信頼できる人間を少しづつ自分の側にかき集めていくトムさんが涙ぐましいですw
そして、トムの周りを固めるバンドメンバーや関係者がトムを思いやるような発言をするのがまた泣かせる。(P195のコリンのインタビューとかP208ナイジェルの発言とか)
内容は「エグジット・ミュージック」と被ってる部分があったりするので、すでにそっちを先に読んでる人は図書館やブコフで済ましてもいいかも…。2500円もするし…。