全二巻読了。
幼い頃、聖教会の伝説のエクソシストとされるギィジャルルクロオが同化した彼の武器『天獄の鍵』を手にしてしまってから、その魂を宿した少年・千架。以来、二人の意識が時折入れ替わる生活となった。
千架の話というよりは、かつて武器と同化してまで永遠を選んだクロオの孤独な話。
トジツキさんの作品(当時は主に和とB系男子のオカルトBLのイメージ)が好きだったため手にしました。
その上で読み始めた印象としては、BLとして出ている作品よりBLらしさを感じたのですが、読み終えてみると宗教を絡めた『人間は恐ろしい』の話でした。
散々クロオの人物像や過去、千架との対比、周りの千架に対する愛情とクロオへの応対などを見せられてからの沓沢先輩のラストの考察は肝が冷えた。そういう話なの……。
一尋さんは性質的にもクロオを優先・特別気にかけることはないだろうし、ベルガーが悪魔としてしか誘いや選択肢を与えられない中で、もし沓沢先輩が視える人だったなら、クロオにとってもう少し救いのある物語になったのだろうか。
ていうか、この件で教会側が本当に言うほどのダメージ受けるかって言ったらそうでもない気がするから、ただただ無性に悲しい。