- Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
- / ISBN・EAN: 9784404026262
感想・レビュー・書評
-
再読。赤間倭子は斉藤一研究の第一人者で、私なぞが生まれる前から斉藤一について調べつづけた人なので(1926-2007)そこはとてもリスペクトしているのだけれど、今改めて読むとかなり思い込みが激しく、妄想からの決めつけのような部分も多くて、少し不安になりました。
むろん、まだ斉藤一を直接知る人(高嶺秀夫の娘など)の生存中に色々話を聞かれていたり、子孫の方とコンタクトを取り初歩的事実はほとんどこの方の調査で明るみになったことも多いので、その地道な努力には感謝しかないのだけれど、明治政府に仕えた藤田五郎の本業は間者、実家の山口家自体も間者、なんでもかんでも「さる組織」の間者で、資料が残っていないのはスパイだから、経歴詐称してるから、戸籍も偽造とか言い出したらもう真相なんて見えるわけないじゃんかとも思う。
警視庁時代の上司や同僚についても詳細に調べられているが、正直あまり関係ない事柄も多く、そこにページを費やされてもなと。おそらく本書が描き下ろしではなく、「斉藤一の会」の会報などで発表された文章を1冊にまとめただけのものと思われるので、まとまりがなくなっているのかなと感じた。1998年の出版なので、すでに覆されている説も多そうだ。
それにしても幕末くらいだとまだ未発見の資料がどんどん発見されるわけで、斉藤一についても2016年に50代の頃のかなり鮮明な写真が発見されたが、赤間さんはそれをご覧になる前に亡くなっている。かっこいいお爺ちゃんな斉藤一の写真、きっと喜ばれただろう。いやでももうアチラで会われているだろうからいいのかな、なんてセンチメンタルな想像をしてしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
目下、個人的に大ブームの斎藤一。の研究第一人者の方の本。歴史研究ってこういう風にするんだなー、と。数年前に公表されたクリアな写真、見たかっただろうな。市井の研究者のためか、文章も変に小難しくなく、面白い。ばらばらに発表したのを集めたのか、重複も多いけど。
密偵の家、というのは確証がない感じだけど(本当にそうだとしてもバレないようにするだろうし)、面白い説ではある。 -
藤田家から糸口を探っているために、明治の藤田五郎に関するウェイトが高い。
私見と私事が入りすぎ。また、警察庁時代の斎藤さんと同僚だっただけの人の話が長々としていたり(特に斎藤さんに関する記述ではない)同じ事が何回も出てきたりしてしつこい。発掘資料が少ないためか、子母沢寛などと比べると随分見劣りがする。 -
未購入
-
読めば読む程に謎?
斎藤さんを知りたければ読むべし! -
一生懸命謎解きをしてくれているのですが、ますます斎藤さんがミステリアスで素敵に思える本です。