- Amazon.co.jp ・本 (126ページ)
- / ISBN・EAN: 9784406024655
感想・レビュー・書評
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阪神大震災を経験した子ども達の体験をつづった本です。
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阪神大震災
あの日を忘れない -
2021.2.22 5-2
防災
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子どもに買ってあげた『地球が動いた日』(岸川悦子)を読んでみた。「あの日」以来,周りの風景も,価値観もすべて変わってしまった小学校6年生がいた。阪神大震災。震災を経験して,なくしてしまったもの,受けた心の傷,そしてその中で見つけたものがそこにあった。
夜,吉永小百合さんの長崎原爆の詩・物語の朗読を聞く。数年前,初めて広島を訪ねた夜,吉永さんの広島原爆の詩の朗読番組を見た。次の日,すぐに「第二楽章」というCDを手に入れた。原爆ドームの前で,佇んでいたら,「青い空は」の歌が,4年生と行った「はだしのゲン」がこみ上げてきて,ドームがかすんで見えた。
長崎の朗読もよかった。作者が自分の書いた体験を吉永さんの朗読で聞いて,改めて涙を流していた。そしてその物語は,千葉の小学生の朗読というかたちで広がりを見せ,子どもの肉声を通して語り継がれている。
『地球が動いた日』の中では,卒業生が卒業証書を授与してもらうのでなく,自分から卒業を宣言して証書の代わりにフリージアの花を手にした。
「今度の震災で私たちは知りました。心を忘れた欲望は人の命をうばい,愛はいのちを救うものだと。ぼくたちは,命を大切にする地球を作ります。思いやりのある人間になります。そして,今日,卒業します。」と宣言して。
今必要なのはきっと想像力。