知れば知るほど面白い 朝鮮王朝の歴史と人物 (じっぴコンパクト新書)

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408108995

作品紹介・あらすじ

人気沸騰の韓流時代劇で描かれている朝鮮王朝とはどのように成り立っていたのか?徳川政権の、ほぼ倍に当たる長い歴史を誇る朝鮮王朝の誕生から崩壊まで、約520年間に登場した偉人たちの足跡をたどり、両班に代表される儒教国家で活躍した人びとの、華麗なるエピソードを紹介する。初代王・太祖(李成桂)から歴代王までの治世を克明に綴った正史『朝鮮王朝実録』をもとに、歴史の真実に迫る。韓流ドラマの世界がもっと親しみやすくなる、面白い話題がいっぱい。

感想・レビュー・書評

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  • 李氏朝鮮を知りたくて読書。

    李氏朝鮮を現代に蘇らせた国家が北朝鮮と言われる。李朝の歴史はあまり知らなかったので勉強になる部分が多い。李朝王を中心とした通史を見てみると、韓国にも李朝の負の遺産が影を落としていることが分かる。

    著者は韓国の目を意識しているのか説明を省略している箇所が複数ある。倭寇、キムチ、ハングル、チマチョゴリなどその点は残念の一言。

    祖、宗の歴代王の諡(おくりな)と君については初見でいい情報となる。もっと北朝鮮のことを知るためにも李朝の歴史に注目したいと思う。

    各王のことを超人で徳があると美化しすぎている点も気になる。日本だと室町から明治時代に相当する518年続いたと強調されているが、17世紀後半以降の話は減っていく。朝鮮儒教の弊害で国家して機能していなかったのではないか。その点にも当然触れていない。そもそも、日本は、政権政府が変わっただけで国家自体は変わってない。その点も意図的に伏せているようにも感じる(勘ぐり過ぎ?)。

    ざっくりとした李朝の通史を学ぶためにはいい本といえる。

    豊臣秀吉の朝鮮出兵時に捕虜として連れて来られた少年たちの話は切ない。元服前の少年を連れてくることも、日本へ移住させて国交回復後も帰国させないなどは、日本近世史における負の面として悲しくなる。

    読書時間:約1時間30分
    (8月16日完読)

  • 佐野良一『歴史と人物でわかる華麗なる朝鮮王朝』を以前読んだ。
    コンセプトとしてもかなり近いが、この本の方が読みやすかった印象がある。

    歴代の王の事跡は、むしろ第二章という一部にとどまる。
    系譜で要点をまとめてあるので、とても頭に入りやすい。
    それから、著者は現在韓ドラの専門誌を発行している人だそうで、この王は韓国の歴史ドラマのどの作品で取り上げている、などという整理もある。
    韓ドラ好きな人にはありがたいまとめでは、と思う。

    それ以外にも、王朝時代の有名な政治家や文化人の伝記、食文化、衣装、宮殿の建物、朝鮮通信使など、少しずつの記述だけれど、かなり幅広い。
    チマチョゴリの着方の図説なんていうのもあって、楽しく読める。
    この一冊があれば、一通りの関心には応えられると思う。

    個人的には韓国に老舗がないのはなぜか、という話が面白かった。

  • 隣国の歴史でありながらあまりにも知らない王たちの存在でした。韓流ドラマで有名になってきたことはその意味で素晴らしいことです。4代世宗だけは知っていましたが、名君・愚君そして忠臣・悪女・・・、ドラマが多くあります。宮廷女官チャングムという言葉のみ知っていましたが医女で、かつ料理女であったのは嘘!これも少し脚色があり、日本の歴史ドラマ以上に虚構があるということは注意しないといけません!

  • 韓国時代劇が大好きです!
    「チャングムの誓い」からすっかりハマって「女人天下」「王と私」など、ほぼ毎日のようにDVDで見ていた時期がありました。
    韓国の時代劇が面白いのは、見れば見るほど人間関係のつながりが見えてくること、そして当時の身分制度や文化、ファッションを知り楽しめることです。
    ストーリーも日本の時代劇と違い、大体において一人の人物の生誕時からの一生を厚く描かれていて、縦の流れがある。
    それと同時に、他の作品を見ると、「あ、この王はあの時の」とか「この人は誰やらの子供?」という風に横のつながりもある。
    だから知れば知るほど、見れば見るほど面白い!

    「チャングムの誓い」では王宮の女官や医女がどんなものか分かったし、「王と私」では宦官の内侍がどういうものか分かった。
    同じように「ファンジニ」では日本の芸者といえる妓生が、「推奴」では朝鮮王朝で最下層にいた奴婢がどのような扱いを受けていたかが分かった。

    この本はそれらの韓国時代劇に沿って朝鮮王朝とはどういうものだったか、どんな王がいたのか、どのように成り立っていたのかなどが分かりやすく描かれた本です。
    とにかく読みやすい文章で分かりやすいのですが、全く韓国時代劇も歴史も知らない人が読んでもピンとこないのでは?という印象をもちました。
    ある程度、朝鮮王朝のことをドラマなどで見た事がある人が見ると興味深い内容だと思います。
    私もこの本で初めて知ったことがいくつもありました。
    例えば、王の名前の最後につく「祖」「宗」「君」には意味合いと位づけがあったということ。
    臣下が王の事を「殿下(チョナ)」と呼ぶのは王の存命中に配下の者が王の名前を直接呼ぶことは厳禁だったからだとか。
    そういったことを知ってまた韓国時代劇を見るとさらに楽しめそうです。
    表紙を開けてすぐ、今日本でも放送されている「トンイ」の写真が載っています。
    主役のハン・ヒョジュさん、ヒビン役のイ・ソヨンさんの美しいこと!
    これを読んで、韓国に行きたい~という思いがさらに強まりました。

  • 朝鮮王朝の歴史が断片的だがよくわかる。チャングム、イサン、トンイと韓国の歴史ドラマにはまってしまったのだが、なかなか歴史的な背景がわかっていなかったので、読み始めた。ドラマの登場人物が出てくると親近感をもって読み進められる。読み終わってみると朝鮮王朝の歴史が何となくわかった気がした。入門書として面白く読めるのでお勧めだ。

  •  韓国ドラマにはまり中の私にとって、この本で確認できたことがいろいろありました。歴代の王の系譜や、ドラマで描かれている王の見えなかった実態や様々なエピソード、知識の浅い私には結構勉強になりそうでした。
     これから見るであろう韓国ドラマも、この本を一読しておくと、韓国の歴史のどの部分を眺めているのかがわかります。
     DVDは監督やドラマの表現者の視点で描かれていますが、この本を読んで、ドラマの創造と史実との絡みを冷静に眺めることができそうです。

  • 韓流時代劇を観たことがない私のような人でも、朝鮮王朝を題材にしたドラマや映画を観る際に予備知識を仕入れるのにちょうどいい。

    今までほとんど知らなかった朝鮮王朝の特徴や文化、風習等が掴める程度に簡潔で、興味を削がれる程に詳し過ぎない文章がよかった。

    また、その時代の日本や中国との関わり方についても知ることができ、日本で一般的な歴史教育を受けてきた私には知る機会のなかった隣国の歴史に興味を持たせてくれた。

  • 韓流ドラマを複数観るうちに、歴史的な背景や時代の流れが、ゴチャゴチャになってしまいましたが、この本でスッキリと整理できると思います。

  • 韓国歴史ドラマの背景を深く知りたくて買ってみました。
    タイトルどおり、朝鮮王朝の歴史と人物をさっくりと把握するぶんには読みやすくわかりやすかったけれど、あくまでも入門書レベルなので、史料としては物足りない感じ。シリーズ本がほかに何冊か出ているので、あえて内容を分けてボリュームを抑えたのでしょうが、お値段高めなので、ちょっと納得しがたいかも。
    珍しく店頭で中身も確かめて買ったのに……あとから買ったもう1冊のほうがお値段の割に内容充実していて満足度は高かったです。
    でも、こちらはドラマの出演者の写真とか口絵カラーも多めだし、ライトな韓流ファンのための気軽な教養本としては十分楽しめると思います。

  • 韓国で銀のスプーンを使うのは、毒の有無を調べるためだったのね。

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著者プロフィール

1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化・韓流や日韓関係を描いた著作が多い。特に、2004年4月に創刊された『愛してるっ!!韓国ドラマ』誌の編集長を10年間務め、韓国の俳優たちの記者会見に数多く出席し、スターの動向を報じてきた。主な著書に『韓流スターと兵役』『人生の大切なことは韓流ドラマが教えてくれた』『宿命の日韓二千年史』『韓国ドラマ&K‐POPがもっと楽しくなる!かんたん韓国語読本』『新版 知れば知るほど面白い 朝鮮王朝の歴史と人物』『韓国ドラマ! 愛と知性の10大男優』など。

「2022年 『韓国ドラマ! 推しが見つかる究極100本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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