- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408109169
作品紹介・あらすじ
全世界感涙!戦場の傷跡が残るバルカンの地に降り立った、日本人指揮者の挑戦。今、民族共栄のオーケストラが平和のハーモニーを奏でる。
感想・レビュー・書評
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『音楽に国境があってはいけない』
民族間の諍いを超えて一つの曲を一緒に奏でるために奔走する著者の熱い想いに、これからもエールを送り続けたいと思う。 -
バルカン半島の旧ユーゴスラヴィアの平和のために活動している日本人指揮者の手記。マケドニアとコソヴォの両方で常任指揮者を務めながら、同地で多民族共生のオーケストラを設立したり、明日の約束もできないロマの少年たちとの共演を企画したり、彼の地の平和のために奔走。なぜ彼がここまでこの地とそこに暮らす人々に入れ込むのかは不明。活動はまだ始まったばかり、これからどうなるのかもわからないが、今後どうなるのか注目し、かつ応援したい。
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音楽で何がどこまでできるか分らないにしても、まず紛争地帯に飛び込んで手探りしながらできることから始めるというガッツは、若き日の小澤征爾の無鉄砲さに近い情熱を感ずる。
若い世代の人たちに対しては、「現在の日本の豊かさに安住していて内向きだ、好奇心が足りない」等々、とかくその小市民的な生活態度が槍玉にあげられるが、このような熱いハートの男がいるのを知れば、日本人もまんざら捨てたものでもないと安心する年寄りも多いのではなかろうか。
エライ!の一言に尽きる。 -
学生の頃、ドヴォ8を振ってもらった柳澤先生の本。ちょうど振ってもらった時期あたりに、コソボへと行こうとしていたなんて全く知らなかった。
国の断絶は個人にはどうしようもないことがある。憎しみが収まりきることもないんだろう。そのなかで、どれだけ人と人をつなげられるかをテーマにいまも紛争地帯のオケを振っているとのこと。
佐渡裕の弟子ということも知らなんだ。
半分は音楽家としての情熱、半分は人をつないぎたいという情熱で動いている熱い人だった。
できることをそれぞれの立場でしていこう。