「良い感情の連鎖」が空気を変える ワクワクする職場をつくる。【ハンディ版】

  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408337999

感想・レビュー・書評

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  • どうせ働くのであれば、よりワクワクする職場にしたい!っという想いがあり、読了。
    人と人との関係性をしっかりと構築し、良い感情の連鎖を生んでいくことが重要であり、そのような連鎖を生むための方法論までがまとめられた一冊。
    『傍観者は病気』という表現には特にドキっとさせられた。会社がアーダコーダと不平不満を言いながらも、傍観してるだけならば、自分自身が会社病の一旦を担ってしまっているということ。でも、あくまでも病気なので、その気になれば治療は可能ってこと。まずは自分自身が、主体的に小さく行動を起こして、種火のある仲間を発掘・着火し合い、少しずつ活動の輪を広げ、空気を入れ替えて行くってな活動を、楽しみながら続けていこうと思うのでした。

    ・目の前の仕事に追い立てられる日々。やるべきことはしっかりやっているのに、どこかむなしい。自分は本当に良い仕事をしているのか、誰かに喜んでもらえる仕事をしているのか、よくわらかなくなる。それは周囲も同じかもしれない。職場の仲間もみな忙しい。でも、本当のところどう思っているかわからない。気付くとみな個人商店でバラバラ。会社全体をみても、どこか閉塞感が漂っている。会社はどこに向かおうとしているのか。結局は何も変わらないというあきらめ感が広がっていく。心のどこかで、ほんとにそれで良いのかと思う自分もいるけど、状況は変わらない、むしろこれ以上に大変になるくらいなら、今を受け入れようという自分もいる。どこか割り切れない、もやもやとした気持ちになってしまう。本当にあきらめたわけではないかもしれないが、あきらめかけた気持ちが、互いを閉じ込めて行く職場、そんな職場が会社全体に、社会全体に広がっていませんか?

    ・本当はもっと楽しく仕事がしたい、仕事にわくわくしたい。本当はもっと、上司も同僚も大切な仲間だと思えるようになりたい、本当はもっと自分たちがやっていることに夢と誇りを持ちたい。。。そんな自分の中にある素直な気持ちを勇気を出して言葉にしてみることがきっかけで、大きなウネリとなり、変化が起きる。

    ・周囲の状況に振り回されないように、自分の感情を押し殺す術を身に付ける。結果、自分の心の感度を鈍らせることになる。

    ・誰にも責められないように、大きなミスを起こさないように、目立たないように、、、、とにかく批判されたくない。批判される可能性があるくらいなら、ソコソコで十分っという思考に陥る。

    ・そして、人は自分を守るために、自分を納得させる理由を探しはじめる。感情を殺す自分、そこそこな自分を、正当化できる理由を集めてしまう。

    ・なぜそんな職場になってしまうのか。
    ①関わりが増えると責任が増える、自分の関わる範囲を限定して関わりを閉ざしてしまう。
    ②関係性が希薄化、互いの感情交流がなくなる
    ③自他の感情を思いやる感度が鈍る
    ④想いや志が分からなくなり不安になる
    ⑤不安を分かち合う関係性になく、一人で抱える
    ⑥相手は分かってくれないと不満を募らす
    ⑦どうせ無理、あきらめ感が蔓延

    ・いつしか皆が傍観者という病気にかかってしまった。

    ・変革が上手くいかないケース
    ①ボトムアップで提言するも、経営陣の理解が得られないパターン。現場の声を丹念に拾いながらも、経営陣の視座に合った論点で語れているかの確認が必要
    ②各部門は相互に領空侵犯をしないという暗黙の了解があり、部門長クラスが踏み込んだ議論をせずに、骨抜きになるパターン。部門長クラスが自部門の権益視点を捨て、より高い視座で横横の連携が出来るか
    ③トップメッセージが現場に浸透しない。現場は日々の実務を回すので手一杯の中で、トップメッセージは経営視点の抽象的な言い回しに留まってることが多い。現場の実務に落ちる翻訳が必用
    ④仕組みは変えたが行動は変わらない。仕組みだけ変えても、現場の業務やルール、コミュニケーションが変わらなければ、そこに猛烈な摩擦が発生し、行動が代わる前に燃え尽き、骨抜きになる。現場での実態を勘案した仕組み変更と、ケアが必要

    ・組織変革は、主語が間違っている、組織が代わるなんてことはない。あくまで変わるのは現場の1人1人。あなたが変わることが、組織変革。

    ・ビジョンは浸透させるものでなく、共感するもの

    ・外側から働きかけられて行動を変えさせられる組織変革ではなく、自らの内側にあるものを呼び起こし、共有し、自発的な行動が連鎖していく組織変革が求められている。

    ・組織変革の3つのステップ
    ①関係革新。感情を伝え合う、組織感情を共有する。相互理解のための対話を行う。真剣に向き合う、距離を縮める。支え合う仲間をつくる
    ②仕事革新。働く喜びの源泉を考える。つながり力を引き出す働き方に変える。世代や雇用形態のギャップを活かす。仕事への想いや誇りを取り戻す
    ③未来革新。組織感度を高める。自分たちの価値を問い直す。究極の世界をえがく。未来を創る仕組みへ革新する。

    ・まずは、自己詳細紹介から、やり直してみる。

    ・部下のことを上司に語って貰う。出身地、家族構成、趣味、どんな学生時代を過ごしてきたか、入社動機、入社後のキャリア詳細、今どんな夢を抱いているか、今何に困っているのか。普段からやり取りしているはずの部下なのに、現在進行形の業務の内容は把握していても、部下自身のことは実は何も知らないことが多い。

    ・やりとりの振り返りワーク。その言葉の裏側にある心理を空の吹き出しに書き込んでみる。

    ・組織力とは個人力×つながり力

    ・各世代アルアル。
    バブル前世代:時代の変化が激しい中で、自分の発言思考はどこかズレている気がしている。かといって、今から新しいことを学ぶ気力体力は無い。メインの役割は後進に移る中、引退までの10年をどうやり過ごすか。。っと思いながらもそんな自分で良いのかという葛藤に苛まれる。
    バブル世代:人数も多く管理職につけない人も多い。前向きで明るいが、どこか自分に自信がない。なんとなく頑張っているけど、どこか「そこそこ感」が漂っている。
    就職氷河期世代:給与は自分たちよりたくさん貰っているのに、働かない上の世代が許せない。厳しい就職戦線を切り抜け入社、自分のキャリアは自分で磨くしかないと努力してきたが、自分を磨くことに躍起になり、人を巻き込み引っ張る経験が不足。リーダーになった途端自信を失ってしまう。上は動かないし、下は答えを求めてばかりと、他責に走る。
    ゆとり世代:自分の居場所を失うことを極端に怖がる。ちょっと指摘されるだけで自信を失う。ミスをしないために、自ら動かず、答えを求める。
    っと、各世代の負の面ばかりを取り上げてお互いに追い込んでしまっていないか。もっと異世代の良い面を取り上げ、学ぶべき。

    ・人を大切にするとは、優しく甘やかすことではなく、社員一人一人の資質を最大限に生かすこと。

    ・今の自分は若い頃の自分に負けている。過去の蓄積で今は流してしまっている。

    ・自分たちの価値を問い直す。私たちの製品やサービスは、誰をどう幸せにしているだろうか。そもそも私たちが考えているベネフィットを、顧客も重要だと想っているのか。顧客が本当に望んでいること、困っていることって他にないのか。そもそも私たちを一番必要としてくれている顧客とは誰なのか。私たちはこれから、さらにどのおような人を幸せにしていくか。etc。。

    ・自分達の提供している価値を名詞ではなく動詞で表現する。

    ・合言葉のパワーが文化をつくる。皆が普段使う言葉を変える。

    ・ワークショップのファシリテーターを前年の受講者が受け持つ。教えることで、学び直す。同じ社員だからこそ言える視点がたくさんある。斜めの関係性が出来る。

    ・自分を守ろうとすると人は弱くなり、誰かを守ろうとすると人は強くなる。

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著者プロフィール

高橋 克徳(タカハシ カツノリ)
東京理科大学大学院イノベーション研究科教授 株式会社ジェイフィール代表取締役
東京理科大学大学院イノベーション研究科教授 株式会社ジェイフィール代表取締役
一橋大学大学院商学研究科修士課程修了、2001年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程単位取得退学。野村総合研究所、ワトソンワイアットを経て、2007年「組織感情とつながり」を機軸とするコンサルティング会社ジェイフィールを共同で設立。2013年より東京理科大学大学院教授を兼務。主な著書に、『不機嫌な職場』(共著、講談社)、『職場は感情で変わる』(講談社)、『潰れない生き方』(KKベストセラーズ)、『人が「つながる」マネジメント』(中経出版)、『ワクワクする職場をつくる。』(共著、実業之日本社)、『イキイキ働くための経営学』(共著、翔泳社)などがある。


「2017年 『サービスイノベーションの海外展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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