考える教室 (じっぴコンパクト文庫)

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  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408456928

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  •  東京大学教授で言語脳科学者でもある酒井邦嘉氏が、3人の学生を相手に「考える力」をテーマとして行った講義を対話形式でまとめた一冊。
     講義は4限に分けて構成され、理論編である1限は「脳・心・言語」の関係性とそのサイクルを明確にして「脳の創り方」を解説する。2・3限では思考力を刺激する2つの宿題が出題され、論理的思考と常識にとらわれない大胆な発想力の重要性を実感させてくれる。4限と「放課後」と題された章では、著者の学びに対する考え方や経験が述べられる。
     一方的でない双方向のやりとりで作られる講義に、読むだけで出席者の一員として参加することができる。思考することの奥深さを実感することのできる「思考の指針」となる本。

     『読書とは「心」と「言語」のサイクル』という酒井先生の言葉につい唸ってしまった。最近になり読書にはまり出した妻が「本を読むようになってから人の話を最後まで聞けるようになった気がする」と言っていた。これはあながち気のせいではなく、読書が「言語→心」という変換プロセスの訓練となっていることを示すのではないか。
     また本書で紹介されている「ヘミングウェイの6語小説」には驚かされ、とても興味を持った。どこかで使えそうなネタである。2限と3限で扱われる2つ宿題は、思考を非常に刺激してくれる良問で、これもどこかで使えそう。もっと紹介してほしい。
     
     筋トレでは鍛えている部位を意識すると効果的だと言われて久しい。それは読書も同じではないか。つまり、読書がもたらす「言語を心に変換して思考力を伸ばす」という脳の部位(能力)を意識することで、もっと効果的な読書が実現できる。本書はそんな大切なことを教えてくれる。

  • 本編は少なくて読みやすいが、
    考えながら読むためちょうどいい長さ。

    枠からはみ出す考え
    逆転の発想

    行き詰まったら、いつもと違う考え方をしてみる

    何かを知りたい時、
    誰が解釈して書いた本か、
    本人が書いた本かでは、中身が違う。
    筆者が大事。

  • 考えることは難しい。
    発想そのものを根本から変えなければ、考えるということにはならない。
    そう思えた。

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著者プロフィール

言語脳科学者。

「2023年 『高校生と考える 21世紀の突破口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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