- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408537344
感想・レビュー・書評
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将棋の棋士、将棋会館で働く人、棋士を目指す子供とその親、記者などが主人公の将棋題材の短編7つ。どの話も読後感スッキリ。藤井聡太7段が最年少タイトル挑戦を決めたし、今将棋界が熱いので、オススメ
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将棋に関わる人々の心情にフォーカスした短編集。
登場人物は、プロを志す青少年、見守る家族、将棋会館の清掃員、棋士の卵と恋人、かつて棋士を目指していた記者、老いと向き合うベテラン棋士など、立場・年齢・性別もさまざまで、将棋のことがわからなくても楽しめる構成になっている。
すべての話に共通するのは、才能の限界に向き合うむずかしさと、それでも将棋が好きだという狂おしいほどの情熱。
たとえ、つらいことがあっても、「好き」との付き合い方を真剣に模索し続ける姿は、どこかうらやましくもある。
なにかに夢中になれるっていいな。 -
「部活動」をテーマとした小説特集の本として読みました。
「部活」がメインの物語ではありませんが「将棋」にかかわる7つの物語が描かれている短編集です。
それぞれの作品は(別の物語での主人公が登場人物として描かれることはありましたが)基本的には独立したもので、将棋の試合の描写が緻密に描かれているわけではありませんので、気軽に(将棋のルールを知らなくても)読むことができる作品です。
一般に、プロ棋士(奨励会四段)になるということが狭き門であり、そこに挑むも努力が実らない人が多々いるということはよく知られていますが、そういった勝負の機微だけではなく、将棋会館の掃除のおばさんの視点からみたプロキシを目指す子どもたちのがんばりや、研修会に通って夢を追いかける子どもの保護者からみた物語など、多角的な視点で将棋の世界に触れることができます。
どの作品も読後感がさわやかで、将棋だけにかかわらず、「よし、もうひとがんばりするか」と思えるような、元気を与えてくれる作品です。
ひとつのことに打ち込んでいる人の姿は、どんな分野であれ、やはり格好いいものなのだ、ということも再確認できました。 -
将棋のことは全く分からないのですが
とっても良かったです。 -
熱くて、平易で一日で読了。色々な世代の将棋指しが出てくるのがいい。
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私立中学の入試問題になったということで、どんな本か気になっていました。
将棋界の厳しさを改めて感じるとともに、大好きなことを見つけてとことんチャレンジしていく子どもたちの姿に胸が熱くなりました。
そして、それを支える家族の姿にも心を動かされました。
中学受験をする子どもを実際に支えた親としては、受験前にこの本に出会いたかったな。がんばっている子どもに余計なことをたくさん言ってしまったかも。
子どもの活躍を自分の手柄のように語る親ではなく、ただ付き添うのがよい、というところがグサッと心に刺さりました。
親業というのは本当にもどかしくて難しくて、でも毎日が学びの日々です。 -
「聖の青春」に続き将棋関連本。
どれもいい!
5話の「高速の寄せ」が良かった。
その他も子どもが頑張ってる話が多くて、元気がでた。
将棋は分からないけど、先の先の先まで読むって本当にすごいなぁーと思う。
最近、詰んだって言葉が流行ってるけど、将棋の詰みは考えて、考えて、考えた果ての詰みなのだと、まぁ、思ってみたり…。
佐川さんの本はよいと思うものが多い。 -
将棋が出来れば、もっと面白いんだろうな。
棋士として生きるひと
棋士になれないひと
周りで支えているひと
そんなひと達の短編集。
懸命に勝負の世界で生きる過酷さ
ひたむきさや強さ
悔し涙
将棋の面白さ
色んなものが混在してるけど、その世界に身をおくひとのことが分かる入門編みたいな感じ。 -
・将棋会館の清掃員
・将棋を始めた子ども
・プロを志す中学生
・奨励会に挑む女の子の母親
・異性と出会った奨励会員
・元将の観戦記者
・引退間際の棋士
と、将棋にまつわる7人の主人公が出てくる短編集。この並びだけで食いつかないわけにはいかない(笑
小説はあまり読まないけど、図書館で借りて読み始めたら一気でした。読み終わったところでamazonでポチりました。
将棋が好きな人なら持っておいて損はない一冊。特に指す将は、行き詰まりを感じたときなんかに読み直すと前向きにがんばれる気がします。 -
R1/12/7