時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2

著者 :
  • 実業之日本社
3.50
  • (17)
  • (66)
  • (83)
  • (10)
  • (1)
本棚登録 : 693
感想 : 72
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408538020

作品紹介・あらすじ

テレビドラマ化で大人気、待望の最新作!

パーティ出席者500人
全員が証人!
時乃はアリバイを崩せるのか!?

今、日本でもっとも愛される
本格ミステリ作家が贈る「至極の作品集」

時を戻すことができました。――アリバイは、崩れました。

難事件に頭を悩ませる新米刑事は、
美谷時計店の店主・時乃にアリバイ崩しを依頼する。
湖に沈められた車のアリバイ、
パーティ出席者500人が証人となった政治家のアリバイ、
容疑者の親族3人がもつ鉄壁のアリバイ……。
時乃の推理はいかに? 
時乃が高校生時代に挑んだ
「夏休みのアリバイ」も特別収録。 

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 超良質のアリバイトリックを解き明かせ! 誰でも楽しめる本格ミステリー短編集 #時計屋探偵の冒険

    アリバイトリックがあまりにも本物の出来すぎる! よくぞここまで考えました。
    今後もシリーズが続くと思いますが、作品を整理していくと全アリバイトリックのパターンができちゃうそうでスゴイ。

    先生の本格に対する敬愛ぶりが手に取るようにわかる。そしていかに変態性かもわかるw
    一見ライトな読み口で、優しいキャラクターによって隠されていますが、トリックの中身はど真ん中本格マニアっぷり。

    とにかく解法がしっかりバラエティに富んでいて、読んでいて飽きないんですよ。
    最初は比較的シンプルで、まずはそこからだよね。という真相から始まり、話が進むにしたがって練りに練られたトリックが待ち受ける。

    特に「時計屋探偵と一族のアリバイ」「時計屋探偵と二律背反のアリバイ」は強烈。
    もちろんトリックの内容は言えませんが、先生の発想力とトリック構成力には感服しました。

    読者の勝手な意見ですが、本シリーズについては是非長編を描いてほしい。
    やっぱり惜しいと思っちゃう… 時計店主やおじいさんのキャラクターが絶品で、しかも殺人トリックにも関わらず優しさに包まれる雰囲気が素敵すぎるんです。

    もちろんこれは最高なんですが、できればもう少し犯人の動機や事件の背景を深堀ったり、主要キャラの人と人とのつながりにフォーカスしてみたりするとか、物語に厚みを出してほしい。そうなれば、もう映画一本できちゃうと思うんすよね。

    ドラマも拝見して、俳優の皆さんも超好きです。ただ話のメインがトリックだと、どんなにキャラクターや俳優さんが魅力的でも、クイズバラエティには勝てないと思うんですよね。

    あえてライトにしているのが魅力かもしれないんですが、あまりにトリックの凄さについつい期待しちゃうんです。

    ■推しポイント
    本作は本格ミステリーを面白さを、たくさんの人に知ってもらおうとしています。
    パズルを解き明かすような楽しさは、なかなか一般の方には伝わりづらい。本シリーズは今後の本格ミステリーの一翼を担っていくのでは思いました。

    古畑任三郎やコナン君みたいに、だれでも知っていて楽しめるシリーズ作品になってほしい!面白い作品でした!

  • アリバイを崩す時の着眼点がすこい!被害者を共犯にする事でアリバイを作ったりと発想に驚かせれた。だかアリバイを崩すヒントは容疑者の証言の中にあり、それを根こそぎ拾えるのが真似できない

  • 本格探偵推理小説ですね。シリーズ二作目。
    安楽椅子探偵のアリバイ崩しに特化した五話の短編集です。
    主人公の僕は県警の捜査一課の刑事、殺人事件のアリバイ崩し(だけ)が得意ということになっている。
    実は、本当のアリバイ崩し名探偵は《鯉川商店街》の美谷時計店の看板娘で店主の美谷時乃。
    なぜ、時計屋がアリバイ崩しを請け合うのか?
    時乃曰く
     ーアリバイがあると主張する人は、何時何分、自分はどこそこにいたと言います。つまり、時計がその主張の根拠となっているのです。
     ーならば、時計屋こそが、アリバイの問題をもっともよく扱える人間ではないでしょうか。
     一回五千円でのお仕事として引き受けるようですが、時乃の無類の謎解き好きが、どうやら最大の一因のようです。
    そもそも、おじいちゃんが始めた事のようで、幼い頃から好奇心が強い時乃に、おじいちゃんが教え込んだサラブレッド探偵ですね。
    作品が短編なので、人間模様があまり深く描かれていないのが、残念です。
    大山誠一郎さんは、密室の謎解きも作品にされています。
    本格探偵推理小説の作家さんですが、少し古いタイプのトリック・パズルの謎解きの作品がお得意のようです。
    作品は、殺人事件ですが、殺伐感が薄く、ユーモアをベースにされているのです、温かみのあるラストに成っているのが良いですね。

  • 第二弾。
    前回より一作の深みが増していてGOOD!
    我儘なリクエストをいれると、もう少し長編で、登場人物ももう少し多めで、一体だれが犯人?!ていうドキドキを味わいたい。
    アリバイ崩しは面白いですよねぇ。
    また続きが出るのでしょうか?
    待ってまーす!

  • 第二弾の一冊。

    からんころん…時計屋さんの扉を開けると同時に胸も高鳴っちゃう捜査一課の僕。 
    今作は恋模様も強く漂ってきて、なんだかこそばゆい。
    民間人にこんなにぺらぺら…と、やっぱり突っ込みたくなるけれど、会いたさも立派な理由の一つなのね。

    一瞬で時計の針がカチッと戻る鮮やかな時乃の崩し方は拍手の連続。
    大山ワールドに脱帽。

    こんな完璧なアリバイに完璧な崩し、頭の中を覗いてみたくなる見事なスピードとお手前。

    最終話が優しさもあってすごく好き。 
    またおじいちゃんとの思い出が読みたい。

    スッキリ爽快感を味わえるのも魅力の作品。

  • 淡々とアリバイを崩す様子が、サクサク読めて第2弾も面白く読めました。

    ドラマ版より面白いですね。

    アリバイを用意するくらいの犯人なので、犯人側は狡猾な感じもありますが、短編集なのでそこまで内容的に深追いをせず、純粋にアリバイ崩しを楽しめます。

    時乃のお祖父さんの優しい人柄もいいですね。

  • 時計にまつわる依頼は何でも承る、ということでアリバイ崩しの相談も受けてくれる時計屋の美谷時乃に新米刑事の「僕」がアリバイのある事件を相談していく短編集第二弾。タイトルには冒険とあるけど店からは一歩も出ずに即解決なのは前作同様。最後に時乃に恋心を抱く「僕」が頑張って時乃を食事に連れ出しているか。始めの容疑者はいるがその時間には遠く離れたダムに被害者が乗った車が沈んでいる「沈める車」とパーティ参加者500人が被害者、容疑者の行動の証人になっている「多すぎる証人」はストレートだけど、三人の容疑者のアリバイを崩した先に更に捻りが来る「一族」と一人の容疑者に2つの事件が絡む「二律背反」が凝っていて面白かった。食事先で語られた時乃最初の事件「夏休み」も高校生らしい事件で良かった。これ以外は血生臭いからなー。

  • アリバイ崩し承りますの続編
    とにかくアリバイを作って崩さないといけないので、正直イロイロ無理がないわけではないけれど、話の流れは最初よりもスムーズだったように思う。
    二人の関係も片想い要素はあれど、変にベタベタしていなくて爽やか。
    続編出たらまた読んでみたい。

  • 時計屋探偵第二弾。前作より、事件の規模、謎解きもパワーアップしています。

    五つの事件が、収められています。いつもながら、時計屋店主、時乃さんの、理路整然としたアリバイ崩しは鮮やかです。今回は、共犯者を上手く使っている事件が多く、なかなか複雑で、読みながら、かなり頭を使いました。軽い気持ちで、読み始めましたが、このシリーズ、ハマってしまいました。

  • アリバイ崩しの第二弾。
    毎回捜査一課の新人くんが事件を解決できず、時計屋の時乃さんに相談するというもの。難事件なのに、事件のあらましを伝えると即座にアリバイを崩してしまうところがこの話のすごいところなのだが、やはり設定に無理がありすぎ…。
    新人くん無能なのに、アリバイ崩しはできると思われているとか、捜査内容をこんなに他人に伝えていて周りにバレてないとか、警察をなめすぎでは…。

全72件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1971年、埼玉県生まれ。京都大学推理小説研究会出身。サークル在籍中は「犯人当て」の名手として知られた。2004年、『アルファベット・パズラーズ』でデビュー。13年、『密室蒐集家』で第13回本格ミステリ大賞を受賞。18年刊行『アリバイ崩し承ります』は「2019本格ミステリ・ベスト10」国内ランキング第1位に、20年には連続ドラマ化され、大きな反響を呼ぶ。著書に『仮面幻双曲』『赤い博物館』『ワトソン力』『記憶の中の誘拐 赤い博物館』、訳書にエドマンド・クリスピン『永久の別れのために』、ニコラス・ブレイク『死の殻』がある。

「2022年 『時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大山誠一郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×