うさぎの町の殺人

著者 :
  • 実業之日本社
3.48
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408538150

作品紹介・あらすじ

山間にあるニュータウン「三浦半島二子山ピープルタウン」。
町が造成される前から多くの“うさぎ”が棲息していたことから「うさぎが丘」と呼ばれていた。
娘の大学進学を機に越してきた黒田茂と葵の親子は、平凡な日々を過ごしていたが、
うさぎの惨殺、大学生の連続自殺など妙な事件が起きていることを知る。
不穏な空気が流れはじめた時、葵が突然の失踪。
茂は行方を探して奔走するが、町の暗部に迫ってしまい……。
次々とおこる事件が結びつく時、町に隠された恐るべき秘密が明かされる! 
親子の運命はいかに?
一気読みノンストップ・ミステリー!!

感想・レビュー・書評

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  • 黒田茂、葵の親子は葵の平成理科大学生物学部への入学とともに大学のある三浦半島の二子山ピープルタウンに引っ越してきます。
    そこはウサギが何匹もいる町で、俗称「うさぎが丘」とよばれていました。

    茂は警察官の三葛伸吾のつてで「うさぎが丘クリニック」の放射線技師の仕事を得ます。

    葵は大学で推理小説実証研究会のマーダークラブに入部します。
    マーダークラブでは、立て続けに部員が二人自殺するという事件が起きていました。

    うさぎが丘ではうさぎの惨殺死体が多数発見されるという事件が起きています。
    この町には何か知られざる秘密があるのか…?

    葵も何者かに拉致され1カ月以上監禁されます。
    事件を独自に調べ始めた茂も何者かに襲われ意識不明にまります。

    その後もマーダークラブの部員の自殺は続き、葵以外の全員が死んでしまいます。
    茂は、これは自殺ではなく他殺だと確信します。

    事態は二転三転して犯人とおぼしき人物は、最後の最後に現れます。

    非常に感情移入のしにくい事件が続きました。
    最後の犯人の人物像は全く予想ができませんでした。

    葵が危険な目に遭いながら、殺されずに生きていたのが奇跡のような救いだったと思います。

  • 黒田茂と葵の親子は、葵の大学入学と同時に三浦半島の中ほどにあるニュータウンに引っ越してくる。
    このニュータウンには造成以前からウサギが多くいたことで、「うさぎが丘」と呼ばれている。
    茂は、交番の三葛巡査長の口添えでうさぎが丘クリニックに勤めることになるが、そこで住民たちが新地区と旧地区で分断されている様子を知る。
    うさぎの惨殺の噂や大学生の自殺など次々と不穏な空気が流れて…そのうち葵まで失踪して。

    あまりにも次々と複雑に進んでいくので、一体どうなるのか…と気になりながら、
    それでも葵が家に戻ると、次は茂が襲われて入院していた…と。
    この親子、動かずにはいられないのか?
    あちこちで動いては、事件がまた起こる…
    ちょっと待て、と言いたいほどで。

    大学生自殺の真相やうさぎ虐殺などの真相は見えてくるが、あまりにも死が多いなと感じた。


    最後の最後で、なるほど黒田親子と三葛はそういうことだったのか、と。

  • なんだか温和なようで物騒なタイトルと帯の「この町には暴いてはいけない秘密がある」が気になり過ぎて手に取った。舞台は陸の孤島であるかのような山間の「うさぎが丘」と呼ばれる三浦半島二子山ピープルタウン。娘の大学入学と共に引っ越してきた黒田親子の周りで、うさぎの惨殺や大学生の連続自殺など次々と事件が起きる。

    物語の序盤から相次いで事件が起こっていくので、秘密のことよりも展開が気になって仕方がない。読み進める内に疑わしき人物は思い当たるのだが、動機や理由がまるで分からない。その間にもさらに事件が続き、ようやく秘密が明らかになって真実が分かった…と思ったら壮大な秘密が待っていた。読み終えてから自分で想像を膨らませて、書かれていない物語を描いてみると感じることが非常に変わってくる。まだもうちょっと膨らみそうだ。

  • ★3.5
    「町の平和を信じてはいけない」
    by「いけない」道尾秀作
    この一言に尽きる。
    推理開陳パートでよく喋るな、この人達…と思ってしまった。油断大敵。危険に巻き込まれるフラグ立ってますよ!と読みながらひやひや。

  • 大学のマーダークラブに入ってしまったばかりにトラブルに見舞われる葵ちゃんの冒険、と簡単にストーリーを描ければ良かったのだけれど裏もあり、そのまた裏もあり、過去の遺物や途方もなく大きい組織にも揺さぶられながら、父親は真相を探る。

    スルスル読んでしまったけれど二時間ドラマ的な楽しみ方のできる一冊でした。

  • 出てくる人たちの誰もが不気味、あちこちにいるうさぎまで不穏の象徴に思えてくる‥。次々自論を展開する主人公に振り回され、一難去ってまた一難、ハラハラの連続でした。



    最後の方までおもしろかったんだけど、ラスト、あまりにも自論が大きく広がってぽかーんとなって、驚くという感じではなかった。。

  • けっこう簡単に人が死ぬ。なのにあんまり緊迫感がないので、淡々と話が進む感じがした。
    話としてはありがち?で、犯人もそやっぱそうかって思いました。最後の一ひねりは、作家さん頑張ったって感じがしちゃったかな。


  • サクサクっと
    読めちゃうんだけど

    犯人は
    何となく
    察しがついてしまう

    ただ
    犯行動機と
    娘だけが殺されない
    理由や

    主人公の
    正体が分かった所で
    ますます
    釈然としない
    今までの展開や
    結末
    ってのが

    モヤっとする〜
    と言うのが正直な感想

  • たくさんのウサギが生息する郊外の街で発生した大学生の連続自殺。入学を機に引っ越してきた親子が巻き込まれた、閉ざされた街の秘密とは?

    東京から引っ越してきた親子が街の秘密を探るミステリー。
    連続自殺、街の確執、娘の誘拐---複雑に絡み合った謎を父親と娘が交代で解いていく過程と最後のどんでん返しは良かったけれど、すべての伏線を回収しきれていないような、ちょっとした消化不良感。
    読みやすいので深く考えないミステリーとしては良かったかな。

  • 閉鎖された小さな町の中特有の異様な話かと思ってたら結構ガチガチに堅いのが黒幕だった。

    とにかくサクサク進んでいくし人は沢山死ぬ。

    登場する人達があっさりと描かれていてただ淡々と物語が動いていく印象。

    黒田氏がどこか人間味が薄いような気がしながら読んでいてこの作家さんの作風かとも考えたけど正体がそうならそうだな。

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著者プロフィール

某国立大学建築学科卒業。『眼球堂の殺人』で第47回メフィスト賞を受賞しデビュー。本格ミステリの系譜を継ぐ書き手として絶賛を浴びる。他の著書にデビュー作を含む「堂」シリーズ、『猫又お双と消えた令嬢』にはじまる「猫又お双」シリーズ、『災厄』『暴走』『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』『アールダーの方舟』『不死症』『幻屍症』『LOST 失覚探偵』『死者の雨‐モヘンジョダロの墓標‐』『土葬症 ザ・グレイヴ』『小説 Fukushima 50』『あしたの官僚』『ネメシス3』『楽園のアダム』がある。

「2023年 『WALL』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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