一億円の犬

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408538464

感想・レビュー・書評

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  • ブクログの皆さま、新年あけましておめでとうございます。
    今年もよろしくお願いいたします。

    令和6年能登半島地震で被災、避難された方には心よりお見舞い申し上げます。
    この寒空の中どんなにか大変かと思います。
    私の住んでいる県にも避難勧告がでましたが、私の所は内陸部なのでおかげさまで無事です。今のところ被害はありません。
    でも、余震と停電が怖いです。



    新年一作目は、何か新刊の小説がいいと思いこれにしました。
    選ぶ基準は、姪たちに送ってあげられるかどうか。ちょっと一番下の小学生の姪にはどうかと思う表現もありましたが、大丈夫かな。



    小筆梨沙32歳は本当は独身でケータイショップで働いているのですが、自分を偽り、六本木のセレブ妻という設定で、SNSにマンガ「保護犬さくら、港区女子になる」を投稿していました。
    ところがある日、コミュット出版社の編集者寺本直樹から「動画サイトで人気になれば年収一億も夢ではない」と書籍化の誘いを受けます。

    梨沙は犬を飼っていないし、住んでいるのは埼玉の川越です。なんとか寺本を騙して年収一億を目指そうと、犬のさくらとなるべき犬を捜しますが、その途中で殺人事件に巻き込まれます。
    そして犬のコロンをなんとか手に入れますが、今度は寺本に連絡がつかなくなってしまって…。



    この本の著者、佐藤青南さんはきっと犬がお好きなんだろうなと思いました。以前にも『犬を盗む』を読みました。
    コミカルでそんなに残酷なシーンはなく、犬と人間との信頼関係が描かれていて、ラストはちょっと寂しいけど、コロンちゃん、本当によかったねと心の底から思いました。

    • まことさん
      bmakiさん、新年あけましておめでとうございます♪

      新年早々の地震はびっくりしましたね!
      bmakiさんのところも揺れたのですね!...
      bmakiさん、新年あけましておめでとうございます♪

      新年早々の地震はびっくりしましたね!
      bmakiさんのところも揺れたのですね!
      私の所は緊急避難勧告が出ていた県なのですが、ほとんど揺れませんでした。でもテレビをつけるとアナウンサーの方が「逃げてください、高台に逃げてください」とずっと連呼していて凄い恐怖感は感じました。
      今朝新聞を見ると県内で5103人の方が避難していたことがわかりました。この寒い中避難所生活は大変だろうなと思います。
      ご心配ありがとうございます。

      この本はきっと犬好きの作家さんが書かれたのだろうなと思いました。
      冬場は図書館に行けないので、ずっと積んであった歌集のレビューが中心になるかと思います。
      bimakiさんのレビューも楽しみにしています。
      今年もどうぞよろしくお願いいたします。
      2024/01/03
    • mofuさん
      まことさん、新年あけましておめでとうございます。
      まことさんのお住まいの所は避難勧告が出たんですね。今回の地震は大きい上に余震がまだ続いてい...
      まことさん、新年あけましておめでとうございます。
      まことさんのお住まいの所は避難勧告が出たんですね。今回の地震は大きい上に余震がまだ続いていて心配です。
      どうかご自愛ください。

      犬のコロンの話も気になります。
      今年もよろしくお願いします(*^^*)
      2024/01/03
    • まことさん
      mofuさん、新年明けましておめでとうございます♪

      ご心配ありがとうございます。
      県内に避難勧告は出ましたが、私のところは、内陸部なので、...
      mofuさん、新年明けましておめでとうございます♪

      ご心配ありがとうございます。
      県内に避難勧告は出ましたが、私のところは、内陸部なので、揺れも少なく、今のところ大丈夫みたいです。県内でも日本海側では、5103人の方々が避難したらしく、今朝新聞を見て被害の大きさに驚きました。

      犬のコロンは、最後はやっぱり一億円の犬だったな~と思いました。

      今年もどうぞよろしくお願いいたします♪
      2024/01/03
  • 可愛いワンちゃんと超ゲスな人間たち… 幸せとは何か気づかせてくれる愉快痛快なミステリ #一億円の犬

    ■あらすじ
    主人公の女性、梨沙。SNSでは可愛い犬と共に、セレブな旅行やグルメを満喫している様子が投稿されていた。
    しかし実際は見た目は美人でありながらも既に30歳を過ぎ、携帯電話ショップのスタッフとして働きながら、庶民的な生活を送っていたのだ。そんな彼女に出版社からSNS書籍化の話が舞い込んできて…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    おもろい!今どきのエンタメミステリーといった感じでよくまとまってますね。めっちゃ笑いながら作品を楽しませていただきました。

    ワンちゃんがでてくる動物ものなんですが、この作品の前に加納先生の優しさあふれる『ONE』を読んでいたので、落差がえぐかったです。とても同じ犬を扱う小説とは思えない。

    まず主人公の女(あえて女と言わせてもらう)のクズっぷりが大好き。このキャラクターが読み手を惹きつけてくれるんですよ、普通そんなことしねーだろというところが最高に最低で面白い。現代のネット社会や格差社会の理不尽さに対して、わがまま一杯に立ち向かっていく様はむしろ気持ちいいよね。でも、実際にいたら絶対に関わりたくない。

    そんな彼女がキュートなワンちゃんを巡って、トンデモな物語が展開される。中盤あたりから一気に痛快で馬鹿馬鹿しい気分になっていくのですが、ぜひ読んであきれ返って欲しい。ほんと何やってんだよ、あんたら。

    ただ物語の後半、登場人物にとって真の意味で一億円の価値がある犬になっていく。やっぱりペットの動物たちは我々人間にとって、かけがえのない家族ですよね。結果、優しい気持ちになれる素敵な作品でした。

    ■ぜっさん推しポイント
    本作に出てくる登場キャラクターはみんな素直なんですよ、人間も動物たちも幸せに生きていたいだけなんです。過剰なまでの情報化社会で人間が生きにくい世の中。他人と比較していたら限りがなく、満足感が満たされることはないでしょう。

    立ち止まって、いま自分の周りにいる人たちの素敵な部分を感じるのが、幸福への一番の近道かもしれませんね。

  • おもしろかった!
    テンポよくストーリーが進み、見栄っ張りの梨沙がどうなるのかのワクワクが止まらず…あっという間に完読。

    犬、かわいいね。かしこいね。
    犬の従順な愛らしさがうまく描かれていて、著者さんはきっと犬好きなんだろうなあ!

    • Tomoyukiさん
      ねこがすきさんは、いぬもすきだった….笑
      ねこがすきさんは、いぬもすきだった….笑
      2024/02/10
    • ねこがすきさん
      Tomoyukiさん
      バレてしまいましたー!
      うちのねこがヤキモチを焼くかもしれませんが
      実は犬も好きです♪
      Tomoyukiさん
      バレてしまいましたー!
      うちのねこがヤキモチを焼くかもしれませんが
      実は犬も好きです♪
      2024/02/10
  • 今作も面白かったです。「犬を盗む」を先日読み終えて、犬を飼ってる身としてはこちらもやはり気になっていたのであまり間を置かずに読むことにしました。本作、SNS時代ならではの作品です。見栄や嘘、バレなければなんでもOKという考え方、良くないですねー。SNSでの誹謗中傷に世の中スポットや問題視がされがちですが、そもそも発信する側の人物像や信憑というのもなかなかハッキリとは見えてこないのも事実なわけで、、、かといって誹謗中傷が正当化されるという事では勿論ないわけですが。本作の主人公の考え方やその発信の仕方は目に余るものがあります。それ故起きるトラブルや問題の数々。しかし、そこは本作ならではの犬(保護犬)というキーワードとその視点から救いの道が徐々に開けていくわけで、愚かな人々の改心に一役買う犬、、一体どうなってしまうんだろうと不安の中読み進めてはいましたが、、、うんうん、そうなりましたか!前作犬を盗む同様、展開テンポもよく、あっという間に読み終わりました。次回の犬シリーズ刊行されたらまた読みたいと思います。

  • 面白かった~。良かった〜。
    はじめ、タイトルから内容があまり結びつかなかったけど
    読んでみて分かった。
    自分を偽ることで保っていた自尊心や虚栄心、読んでて
    しんどいだろうなぁ〜って思った。
    同じく嘘つき寺本と今後、いい人間関係が作れそうな予感。
    連ドラで観たら面白いかも❢

  • 『犬を盗む』が面白かったので、ずっと読みたかった本。今回も面白かった!

    六本木タワマンのセレブ妻という設定で、SNSに自分の理想の嘘ばかり投稿している主人公の理沙。

    嘘をついてる時の気持ちや、嘘がバレそうで焦る気持ち、バレた時の恥ずかしい気持ちが細かく書かれていて、自分も一緒にドキドキしたりハラハラしたり読む手が止まらなかった。

    ワンちゃんが健気で仕草がとても可愛くて、自分が飼っていた犬を思い出して懐かしくて泣きそうになった。

    今回も犬が死んだり、犬が辛い目に合う話ではないのが良い。前作でも感じたけど、佐藤青南さんはかなりの犬好きだと思うので、その点でも安心できる。

    ラスト次第でどうかな?と思っていたけど、なるほど!終わり方も良かった。

    犬シリーズの続編が出たらまた読みたい。

  • 以前に読んだ「犬を盗む」と同じようなわんこが表紙だったので、続編かと最初は思ったけど、
    全く違っていた。

    SNSの世界で実生活とかけ離れた自分を装っている主人公が、ペット犬の本を出版するというチャンスをものにするため、悪戦苦闘するお話。
    嘘に嘘を重ねてその日その日をなんとかやり過ごそうとする彼女に、ハラハラはしても
    同情する気持ちはあまり持てなかったけど、
    時折見せる優しさや弱さには共感できた。

    登場する保護犬ができた子で、
    人間性から言ったら(犬だけど)この作品の中で一番。
    だからいろいろダメダメな人間たちの行く末より
    この犬のしあわせだけが気になって最後まで読み終えた、という感じ。

  • 超がつくほど承認欲求の強い女性。
    SNSでついた嘘を本当にするために、保護犬を手に入れようとするが、その過程で死体を発見し・・・
    どうなる?これはミステリ?破滅へ向かう物語?
    というほど、主人公の自我が強めです。
    結果、その犬、プライスレスっていうエンディングを迎え、ほっと落ち着きました。

  • 佐藤青南さんの作品は何作か読んでいますが、本作は私の中では最高傑作だと思います。コロンが
    梨沙を助ける活躍は拍手喝采ものです。『一億円の犬』の深い意味を読んで理解して下さい。ラストは清々しい気持ちになる終わり方をしています。あなたもぜひ読んで感動して下さい。絶対おすすめの作品です。

  • 私自身、犬を飼っているので読みながらイライラしていました。ふと気づくと流れが変わり、一気に呑み込まれます。前半でイライラしていたことなど忘れ、一気読み。ダメダメな主人公を救いすぎないところも今っぽくて微炭酸のサイダーのような味わい。 #読了 #ブクログ

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著者プロフィール

佐藤青南
一九七五年長崎県生まれ。「ある少女にまつわる殺人の告白」で第九回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し、二〇一一年同作でデビュー。一六年に『白バイガール』で第二回神奈川本大賞を受賞。ドラマ化された「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズ、「白バイガール」シリーズ、絶対音感刑事・鳴海桜子が活躍する『連弾』『人格者』『残奏』など、著作多数。近著に『犬を盗む』『ホワイ・ダニット 行動心理捜査官・楯岡絵麻』『ストラングラー 死刑囚の逆転』がある。

「2023年 『残奏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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