三人屋 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
3.20
  • (33)
  • (165)
  • (309)
  • (70)
  • (20)
本棚登録 : 2671
感想 : 221
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408554075

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 朝は三女の喫茶店、昼は次女の讃岐うどん屋、夜は長女のスナック。朝昼晩で業態がガラリと変わるお店『三人屋』の三姉妹と常連客の人生模様を描く連作小説。
    人生は料理と一緒だ。同じ材料でも、作る人の気持ちひとつで出来上がりは違う。昨今流行りのお料理小説だが、料理人の人の良さが美味しさの秘密ってのが多い。しかし、原田さんの安易にそれを結びつけないところが彼女らしい。

  • 世代の違いなのか、育った環境の違いなのか、私には理解出来ないような人間関係が存在する。
    それらをど返しして読めばかなり面白い。
    生きていくために、何が一体大事なのか?作者は始終問いかけているが、答は簡単にはわからない。

  • 設定は面白いけど全体的にパッとしないお話でした。キャラクターもイマイチ魅力に欠けます。

  • 作者の別の作品を読んで、他にもと思い読みましたが、少しがっかり。
    三姉妹の設定、食に関する表現はよいのですが、ストリーがいまひとつ。登場人物ごとに書かれた章も今一つ、わからない。だめな男に惚れるのかみたいな感想になってしまい、残念。

  • 両親が残した喫茶店で、朝昼晩をそれぞれ店を営む三姉妹。

    朝はモーニングを大学院生の三女が、昼は小さい子供を育てる次女のうどん屋、夜は長女のスナックとなり、常連からは三人屋と呼ばれている。

    そこに通う常連さんたちの悩み事。商店街の確執。
    三女それぞれの思い。

    みんな自分勝手だなと思うところも、人間ってそういうもんだったなと、自分も含めて気付かされたわ。
    うどん、食べたいなあ。

  • 久しぶりに読んだ本
    森野俊生の場合
    四十女の間野さんの垢抜けていく様を鬱陶しく思うにドキッとした

    最終的にお父さんのレコードは本当だったのか?

  • 3人姉妹で、亡き父の喫茶店を切り盛り。
    朝は、朝日の喫茶店。
    昼は、まひるの讃岐うどん屋さん。
    夜は、夜月のスナック。
    なんてユニークなお店!確かに、こういった切り盛りの仕方ってあるよなぁ、家賃を3人で負担したら安くなるよなぁ、と小説そっちのけで、ビジネスを考えてしまったわw

    あ、3人の名前も、朝昼夜にちなんで付けてあるね、とふと気づく。

    3人とそれぞれに関わりを持つスーパーの店長は、罪な男。チャラ男を装っていても、誰よりも親身に3人姉妹と関わっている。結構いいヤツじゃん!

    これらのお店にやってくる商店街のお客さんが一癖も二癖もあり、その人情味あふれるエピソードに、いつしか夢中になって、読み進めていった。

  • 夜月、まひる、朝日の三姉妹に幸あれと言う気分になりました。

  • 朝・昼・晩で業態がガラリと変わるその店は、通称「三人屋」。
    やって来るのは、三女にひと目惚れしたサラリーマン、
    出戻りの幼なじみに恋する鶏肉店主、
    女泣かせのスーパー店長など、ひと癖ある常連客たち。
    三姉妹が作るごはんを口にすれば、胃袋だけじゃなく、心もたっぷり満腹に!?
    心とお腹にじんわりしみる、美味しい[人情×ごはん]エンタメ!(あらすじより)

    おいしい食べ物がでてくる本が大好きなので、楽しみに読んでみた。
    けど、期待していた印象と違って、単純な「人情×ごはん」エンタメではなく、複雑な姉妹感情と生きていくことの息苦しさが詰まった1冊だった。

    特に姉妹が食べ物や食べることを大切にしてる風には感じなかったし、
    食べものに満たされるというよりは、寂れていく地元の商売人たちのつながり、を描いた本に思えた。

    終わり方もすっきりしなくて、結局姉妹の思いは重なったのかどうかわからず。
    期待せずに読んだらもっと違ったのかもしれない。

  • 他からは価値のないものでも、その人が価値があると思えば、価値のあるものになり得る。
    人生は人とひとの思いの交差だ。良い時もあれば悪い時もある。それを癒してくれるのもまたひとなのだ。
    夜月が自分を犠牲にしてまで本手に入れたかったものは何か。それはレコードという物質ではなく、レコードに秘められた父の面影であり、父のレガシーであった。それがあれば自分は強く生きていける。そのためならどんな犠牲も厭わない。そんな夜月の不器用な健気さが、かえって哀しい。
    修羅場を踏んできた者でも、何かに縋り、何かを支えにしなければ生きていけない。
    最後の数ページのためにあった物語であった。

全221件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

原田ひ香の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×