お前の彼女は二階で茹で死に (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 342
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408557489

作品紹介・あらすじ

天才女子高生(ミミズ人間)が謎を解き明かす!
著者史上最強!
衝撃のスラッシャー小説×本格ミステリ!!

「読まないと損するレベルで優れている」
乾くるみ(小説家)絶賛!!!

こんな小説、はじめて!?
特殊設定×多重解決ミステリ

自殺した妹・リチウム(ミミズ人間)の仇を討つために、
刑事になったヒコボシ。事件を追いながら、
リチウムを自殺に追い込んだ連中の尻尾を摑み、
破滅させてやろうとたくらむ。
事件の謎を解くのは、
天才的な推理力を持つ女子高生探偵・マホマホ。
しかし、彼女はヒコボシに監禁されていて……。
文庫化に際し大幅改稿、著者渾身の本格ミステリ大作!
解説/乾くるみ
カバーイラスト/ふみふみこ

目次
ミミズ人間はタンクで共食い
アブラ人間は樹海で生け捕り
トカゲ人間は旅館で首無し
水腫れの猿は皆殺し
後始末
解説 乾くるみ

感想・レビュー・書評

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  • こ、これは…。
    とても斬新な作品ですね。
    読んでて頭おかしくなりそうでした。

    適当な固有名詞に奇抜な架空の病が盛り沢山で頭がパンクしそうになる…と思いきや案外すんなり入ってくるんですよねこれが。
    作者様の文章力の高さがよく伝わりました。
    初めて読みましたが間違いなく天才だと思いました。

    万人にオススメは出来ませんが刺さる人には刺さる本です。
    終始ぶっ飛んでいるようでトリック周りは案外かなりしっかりしているので本格ミステリファンなら読んでみることをお勧めします。

  • 性欲爆発強姦魔のミミズ男がどの女をレ○プしたかによって犯人が変わる特殊設定ミステリ。
    作者特有の圧倒的エログロ要素に、倫理観ゼロの登場人物たち(主人公含む)そして圧巻の多重解決と、色々な要素が闇鍋のようにごっちゃなって胸焼けしそうです...まぁそれが白井作品の良いところなんだけどね。
    ギャグのように、グロ要素や下ネタをぶち込んでくるんだけど、それが推理に繋がってくるので侮れない。そして多重解決な上にどの推理も納得させられる。
    描写の数々から人には全く薦められませんが、怪作かつ傑作だと思います。

  • ???から始まって、ありのままを受け入れて、ときどきいろんな意味ですごいな、と思って、読み終わる頃にはすごく癖になっている感じ。なにこれすごい。
    ものすごいミステリなのだけれど、なんせ設定とワードセンスがすごい。そしてこのすごさは、とても人を選ぶ。

    そもそもこの本を手にした理由はものすごい嫌な感じの話を読みたくなったから。そしてそれはこれ以上ないほどぴったりの作品だった。つまりそういう嫌な感じの作品で、私はこういうのが嫌いではない(好きとも言う)

    グロ、とも言えるけれど(そうでもない気もするけど)個人的感想としては絶妙な不快感を与えてくる感じで、グロというより、全体的にゲロ。よくこんな嫌な感じの比喩を…!と何度思ったか。そしてこの主人公が最低で最悪な刑事でもう振り切っててすごい。1章で刑事だろ…!てなり、2章でおい!てなって、3章でまじか、となり、4章でもう好きにして!となる。そして刑事だけでなく全員なかなかの歪みっぷりが清々しいほど。リチウムでさえ。

    何がすごいって、この設定この雰囲気?でしっかりがっつりミステリなのがすごい。
    また別の作品読もうと思う。(Kindleで買ったけど本欲しいな…買おう…)文庫の表紙の表紙詐欺感も好きだけど、単行本のトリッキーな感じもいい。

  • 描写が気持ち悪すぎて読むのを諦めた。

  • 「日没」を読んで、ブンリンに目をつけられそうな小説を読もうと思いました。
    「東京結合人間」に比べて、ミステリとしての完成度は格段に高い。すごい。でももうしばらくはいいかな…

  • 他の人はどうであろうと私は好き
    と言わなきゃ、そういう思いを抱かせる作品

    推理もの好きです、でもこっそりグロいのも好きなの
    飴村行「粘膜人間」とかよくわからんけどたまに読みたい、大好き

    そんな稀有な人を拾い上げてくれる本著。
    ミステリーは本当骨太な感じで、よく短編にこんなのいれたね、って思いながらもこの作品でしか描けない謎解きを味合わせてくれる
    好きな人増えたらいいなぁ

  • ギットギトの脂臭い中華料理店で極上の本格中華を食べるようなイメージの小説。
    エログロ描写は思わず目を背けたくなるし、世界観も独特ですが、描かれているミステリーはとてもロジカルで芯の通ったもの。
    多重推理や仕掛けもたくさんあり各章の展開の予想がつかず、一気に読んでしまいました。

  • かなり変態性が高く、ゴアな内容、合わせて登場人物がネーミング含めてかなりキュートなので、何かいけないものを見てしまったような感覚に陥る。
    しかし、ミステリーとしてはひたすらロジカル。Aでなければ…Bなければ…と理詰めで謎が解けていくのは非常に美しい。

  • 推理の分岐点は"誰を○したのか?"

    文庫版の表紙と内容の温度差で頭がおかしくなる

    章の冒頭は強姦魔ノエル視点
    その後は悪徳刑事ヒコボシ視点に移る
    直接殺人事件と関わっていないノエルパートが鍵になるってのが良い

    どの事件も情報量が多く、エログロ描写の中にまで伏線が捩じ込まれている
    おまけに登場人物は癖強ネームばかり
    人数が増えてくると誰が誰かよく分からなくなってくる(特に第2章)

    おすすめは第3章
    温泉旅館でのヒコボシ刑事の大立ち回りは最早笑えてくる

  • インスタで紹介されているのを見てどーしても気になって購入。
    この著者の作品は初でした。
    これは…なんというかすごい…としか言いようがない…
    世界観も登場人物名も土地名も独特すぎて数ページごとにお腹がいっぱいになる感覚があります。
    紹介ではグロ要素ばかり取り沙汰されてるようだったのですが当たり前のようにあっさり書いてあるからか覚悟していた程ではありませんでした。
    グロを抜きにしても特殊な体質の人間や風習が頭に上手く入ってこなくて、読みやすくはなかった。
    でも最終章からラストまでは一気読みしてしまいました。
    読後の感想は私の頭では面白かったのかどうかもよく分からない…といったところでした。
    よく分からなかったので多分再読したくなると思う(暫くはいいかなって感じだけど)。
    私は名作だと感じてもなんとなーく星5はつけたくない天邪鬼なところがあるんですが
    これはどうしても星5つにしたくなる謎の魅力がありました。なんでこんなに惹かれるんだろう…
    これ平山夢明「他人事」読んだ時の感覚と似てるなー
    人としてダメだろ!ってことが当たり前に起こる世界、何でもアリな世界を覗きたい人にオススメ♡
    ヒコボシ刑事色んな意味でヤバいけどかっこよく想像できてしまうから不思議。
    著者の他作品も読んでみたくなりました。

    何故か映像化して欲しいと思いました。絶対無理だろうけど。

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著者プロフィール

1990年、千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。『人間の顔は食べづらい』が第34回横溝正史ミステリ大賞の最終候補作となり、同作で2014年にデビュー。『東京結合人間』が第69回日本推理作家協会賞候補、『おやすみ人面瘡』が第17回本格ミステリ大賞候補となる。『名探偵のはらわた』は「2021本格ミステリ・ベスト10」で第3位。他の著作に『少女を殺す100の方法』『お前の彼女は二階で茹で死に』『そして誰も死ななかった』『ミステリー・オーバードーズ』『死体の汁を啜れ』がある。衝撃的な作品で読者の度肝を抜く、気鋭の本格ミステリ作家。

「2022年 『お前の彼女は二階で茹で死に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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