草舟言行録I 日本の美学

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  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408650142

作品紹介・あらすじ

いま日本に必要なもの、それは美学である――。

【『草舟言行録』刊行にあたって(一部抜粋)】

私には何もない。
私には価値がない。
その私の言行録がシリーズとして出版されるという。
この意味が分かれば、
現代の問題の多くが氷解されて行くように思われる。

価値のない人間の価値を
求める時代が来たのかもしれない。
現代人は、
多くの価値を求め過ぎたのではないか。
私にはそう思われてならない。
多くの意見と多くの価値に、多くの人々が
押し潰されようとしているのではないか。

もし私のような者に価値があるなら、
それは持っている価値が少ない人間だ
ということに尽きるだろう。
現代が、この私の思想と生き方の中に
求めるべきものを見出すなら、それは
「人生とは単純なものである」
という真実しかない。

私は一つの生き方しかする気がない。
私は一つの価値しか持つつもりがない。
私はひとりの人間しか愛するつもりがない。
私の国は一つであり、
私の家族は一つしかなく、
私の思想もまた一つしかない。
人間にとって、
大切なものは一つしかないのだ。

その一つを見つけ出すためにだけ、
私の思想とその著作群
そして諸講演の価値はあると思っている。
私に触れる方々は、
みなその一つを見出してくれるに違いない。


〔草舟言行録Ⅰ 『日本の美学』収録内容〕
第一篇 武士道と生命燃焼
第二篇 日本人の読書
第三篇 これからの日本を考えるために
第四篇 政治家に必要な美学

著者プロフィール

1950年、東京都生まれ。立教大学法学部卒業。実業家、著述家、歌人。ウナムーノの哲学思想に深く影響を受け、独自の生命論を確立し、実業に生かしている。また、戸嶋靖昌記念館 館長、執行草舟コレクション主宰を務める。蒐集する美術品には、安田靫彦、白隠、東郷平八郎、南天棒、山口長男、平野遼等がある。洋画家 戸嶋靖昌とは、深い親交を結び、画伯亡きあと全作品を譲り受け、記念館を設立。駐日スペイン大使館等と協力の元、戸嶋靖昌の展覧会を実施。また、コレクションを千代田区麴町の展示フロアで公開している。
著書に、『「憧れ」の思想』『おゝポポイ!』(以上、PHP研究所)、『生くる』『友よ』『根源へ』(以上、講談社)、『孤高のリアリズム』『憂国の芸術』『生命の理念 Ⅰ/Ⅱ』(以上、講談社エディトリアル)、『魂の燃焼へ』(共著/イースト・プレス)、『耆に学ぶ』(共著/エイチエス)、『見よ銀幕に』(戸嶋靖昌記念館)等、また『情熱の哲学──ウナムーノと「生」の闘い』(佐々木孝著、法政大学出版局)を監修。日本菌学会終身会員。

「2018年 『ベラスケスのキリスト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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