人新世の哲学: 思弁的実在論以後の「人間の条件」

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  • 人文書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409030967

作品紹介・あらすじ

一万年に及んだ完新世が終わり、新たな時代が始まっている。

環境、物質、人間ならざるものたちとの共存とは何か。メイヤスー、ハーマン、デランダ、モートン、チャクラバルティ、アーレントなどを手掛かりに探る壮大な試み。

人類の活動による大規模な環境変動は地球の姿を変え、地質学的に新たな時代「人新世」に突入している、ノーベル賞受賞科学者クルッツェンはそう述べた。21世紀に入り分野を越えたホットワードとなったこの概念は、あらゆる側面で現実の捉え方に再考を迫っている。近年思想界において登場した思弁的実在論や新たな唯物論といった議論も、こうした潮流と無関係ではない。本書では、人新世という概念や現代の思想潮流を全面的に引き受け、思想の更新を図るとともに、新時代における「人間の条件」をアーレントを手掛かりに探ってゆく。人間と自然が溶け合う世界の本質に迫る、著者の飛翔作。

「本書は、メイヤスーの後に展開し広がりつつある思想潮流で提示されている人間と自然という問題系を踏まえ、そのうえでアーレントが考えようとした人間の条件について、あらためて考えようとするものである。ただし、ただ新しい思想の紹介を自己目的化するものではない。むしろ、これらの思想が生じつつある時代的状況がいかなるものかを考えることを重視したい。」(本書より)

感想・レビュー・書評

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  • 完新世が終わり人新世へという新しい概念を受け止めた上で、人間の条件を自然との関わり合いから考察していく。
    中々難解なテーマで、何度か読み返したい。

  • アーレント、モートン、メイスヤー、チャクラバルティ、ハーマン、瀬戸口明久、小野十三郎の議論踏まえながら、社会と、自然の関わりを考察。思考を拡張しても想像できない、影響与えれない物との付き合い方。

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著者プロフィール

【訳者】篠原 雅武(しのはら・まさたけ)
1975年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。現在、京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定准教授。著書に『公共空間の政治理論』(人文書院、2007年)、『空間のために』(以文社、2011年)、『全‐生活論』(以文社、2012年)、『生きられたニュータウン』(青土社、2015年)、『複数性のエコロジー』(以文社、2016年)、『人新世の哲学』(人文書院、2018年)『「人間以後」の哲学』(講談社選書メチエ、2020年)。訳書に『いくつもの声』(ガヤトリ・C・スピヴァク著、共訳、人文書院、2014年)、『社会の新たな哲学』(マヌエル・デランダ著、人文書院、2015年)、『自然なきエコロジー』(ティモシー・モートン著、以文社、2018年)、『ヒューマンカインド』(ティモシー・モートン著、岩波書店、2022年)など。

「2024年 『一つの惑星、多数の世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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