人生地理学 (2) (聖教文庫)

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  • 聖教新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784412002654

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  • 1巻から続く各論。

    軍事、詩歌、貿易、地質、生物などその扱っている範囲は広大。人生地理学の名に恥じない厚い記述。

    今回は世界を論じ、日本の国家としての在り方(海洋の活用)を示唆する内容であった。

    最後、伊勢志摩半島について、紙幅を割いている。行ってみたくなった。

    ・河の人間の情における影響は山の高崇峻秀等に比すれば、堅忍不抜、孜々として休まざること、および気宇の広闊、度量の雄大等にあるがごとし。
    ・湖沼と人心との交渉中最も直接にしてかつ最も顕著なるものは山と結合して絶景を表して人心を感動せしむるにあるがごとし。
    ・自主といい、独立というも、これただ政治上においてのみ。経済上においては等しくこの大市場の隅々に羅班し、たがいに相協力するによりて、全体の生活が進捗せらるべき一部の職能を分担し、その分業の産物を販売する店舗たるにすぎざるに至りぬ。「国」なる語に代うるに「通商団体」なる述語を用いる。
    ・島国気風と海国気風。
    ・従来多くの本邦地理書中、特に海洋の章を設けしものは、ほとんど絶無と言うも不可なきがごとき。
    ・海流は郷土において観察しうべきものの中にて、最も説明に困難。
    ・(イギリス人は海洋の美観を鑑賞するが)、わが国民の間に少ないのは奇である。
    ・日本の人口は、植民論以外に処分せざるべからず。これを処分するの方法は、ヨーロッパ大陸の先覚者の処分案のごとく、いわゆる大いに海洋を開拓する途に出でざるべからず。
    ・砂浜と特殊産業。※挑戦と応戦。変毒為薬。

    【目次】
    第八章 河川
    一 概観
    二 河の長さ、幅および深さと人生
    三 速度と人生
    四 河の方向と人生
    五 河の部分と人生
    六 河の人生に対する物質的方面
    七 河の人生における精神的方面
    八 河の害
    九 水源
    十 開明人に対しての河
    十一 河と土地

    第九章 湖沼
    一 湖の特質と人
    二 湖沼の成因および所在と人
    三 湖沼と人生の物質的方面
    四 湖沼と人生の精神的方面

    第十章 海洋
    一 現勢における海洋
    二 海洋と未開人民
    三 開明人と海洋
    四 海国と島国
    五 海流と人生
    六 海洋と気候
    七 海洋と衛生
    八 海洋と産業
    九 波浪および潮汐と人生
    十 海洋と心情

    第十一章 内海および海峡
    一 内海と人生
    二 内海の配置
    三 日本海とバルチック海
    四 海峡と人生

    第十二章 港湾
    一 港湾と人生
    二 港の要素
    三 港湾要素の人工的補欠
    四 要素具備の程度によりて生ずる港湾の種類および階級
    五 貨物の呑吐作用によれる港の区別
    六 港湾の成因と要件
    七 港湾の盛衰

    第十三章 海岸
    一 海岸線と文明との関係
    二 海岸の種類
    三 砂岸と人生
    四 岩岸と人生
    五 佳良なる海岸

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著者プロフィール

牧口常三郎(まきぐち・つねさぶろう) 1871〜1944。新潟県生まれ。創価学会初代会長。教育者・教育学者・地理学者。半生を教育界に捧げ、その間、地理教育の改革、新教育学の樹立を志し、『人生地理学』『創価教育学体系』などを著す。1930年、創価教育学会(創価学会の前身)を創立し、教育革命・宗教革命に挺身。43年7月6日、治安維持法違反ならびに不敬罪の容疑で警察に拘引され、44年11月18日、東京拘置所において73年の生涯を閉じた。生涯の多数の著作は『牧口常三郎全集』(第三文明社)に収められている。

「2023年 『創価教育法の科学的超宗教的実験証明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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