- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784412003187
感想・レビュー・書評
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3,4巻は人類史を俯瞰しながら、時代を追い、当時のエートスであった家父長制的近代をまさに正面から見るような印象。
全般的にリベラルで、本質的な視点が見られる中、分業の喩えとして、ジェンダーの不平等、差別が見られるのは残念だが、この本を発刊した数年後に、女子教育に携わるだけに、その後の思想的変遷がどうだったのかは興味が有る。
4巻は、社会学、経営学の観点が強い。
・各宗教の地理的分布を生じたるは、各派、各宗の性質と地との関係よりは、むしろ主として布教に従事したる高僧、はた伝教者の徳望に帰依せる結果。
・階級の特権によりて人為的に自由の生存競争を妨げたる社会は、すなわち下膨楕円形の衰亡的社会となる。上膨楕円形社会が自由の生存競争の結果より生ずることは、これ史上において、はた欧米の現在においてみるところなればなり。
・国民教育を受けたるものと、無教育者との間に著しき結果の相違あることは、近来ようやく製造業の注目するところとなれり。
【目次】
第三編 地球を舞台としての人類生活現象
第二十章 社会
一 社会とは何ぞや
二 社会と社会的団体
三 全体社会と部分社会
四 社会の心意
五 社会の進化
六 社会は有機体なりや
第二十一章 社会の分業生活地論
一 社会の各種活動
二 実業および政治
三 宗教およびそれと地
四 学術およびそれと地
五 道徳、教育およびそれらと地
六 美術、娯楽およびそれらと地
七 社会の階級
八 各階級の配合と社会および地
第二十二章 産業地論(上)
一 消費せんとする欲望と地
二 生産業の種類
三 産業の発達
四 職業の身心におよぼす影響
第二十三章 産業地論(中)
一 原始的産業と地
二 製造工業の性質およびその分類
三 手工製造業と地
四 機械工業と地
第二十四章 産業地論(下)
一 商業地理およびその原則如何
二 交通機関の種類および要素
三 交通機関の発達およびその各種の長短
四 交通手段の進歩と人生
五 交通の進歩と社会団体の変動
六 通路系統と地
七 貨物流通の径
八 貨物流動の距離
九 貨物移動の分量および時期
十 中心市場と地
十一 立国の基礎としての産業詳細をみるコメント0件をすべて表示