三蔵法師の歩いた道: 巡歴の地図をたどる旅 (PLAY BOOKS INTELLIGENCE 87)

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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413040877

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  • 三蔵法師の天竺への巡歴がどのようなものだったかを、わかりやすく解説している本。三蔵法師が実際に訪れた場所の写真が豊富に掲載されており、どのような場所を
    廻ったのかわかりやすくなっている。
    三蔵法師の旅というと、西遊記から珍道中というイメージを抱いていたが、イメージが180度変わった。17年間で3万キロを移動し、道中、灼熱の砂漠を横断し、極寒の天山山脈を越え、その間何度も山賊に襲われ殺されそうになる、など、実際は珍道中とはかけ離れた過酷な旅をしていて、驚いた。
    旅のイメージもさることながら、三蔵法師のイメージも大きく変わった。17年間という長い期間、異国の地を旅する体力。国禁を犯して異国に飛び出し、何度命の危機に瀕しても旅を辞めない胆力。行く先々でその国王と仲良くなり、
    旅を支援してもらうコミュにケーション能力。旅から帰国後は、西域進出を図る皇帝に西域の事情を本としてまとめることで国禁破りを許してもらい、さらには持ち帰った経典を翻訳するための組織を作ってもらう政治的なセンス。などなど、精力絶倫で、政治的なセンスもあり、バイタリティにあふれる傑物だ。従者に守られながら旅する色白のお坊さんという以前のイメージが吹き飛んだ。

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著者プロフィール

1928年、東京生まれ。東洋史学者(文学博士)。早稲田大学大学院修了。シルクロード史を専門とし、早稲田大学文学部教授、同名誉教授をつとめた。『シルクロード遍歴』(角川選書)、『シルクロード文化史』(白水社)、『シルクロード波瀾万丈』(新潮社)など多数の著作がある。2019年、没。

「2020年 『東方見聞録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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