人に強くなる極意 (青春新書インテリジェンス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413044097

感想・レビュー・書評

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  • 「怒らない」催促OL修行日記、ひらいて、「びびらない」すべらない敬語、ソロモンの指環、「飾らない」世俗都市、マインド・コントロール、「侮らない」失敗の本質、プリズンホテル、「断らない」竹中式マトリクス勉強法、論文の書き方、「お金に振り回されない」資本論で読む金融・経済危機、世界経済の大潮流、「あきらめない」前田敦子はキリストを超えた、門、「先送りしない」時間と自己、存在と時間

  • フォトリーディング&高速リーディング。

    下記に付箋を貼った箇所の要約をのせる:

    36:感情を論理的にひもとくメタ認知に関する記述。本書の所々に自省ノート記述の勧めがある事と関連して、著者の人間形成に一役買っているとわかる。

    66:太平記の楠木正成の言葉より無謀な人と関わらないことを説く。虎と戦うような人の勇猛さは無謀さとイコールと言うこと。

    78:飾らない自分を演出する人。それが飾り。

    82:レディース&ジェントルマンのレディーの階級はLordでGentryより上。だから先に呼ぶ。

    123-124:一日平均30枚の原稿を書く著者も、かつては一ヶ月30枚がやっとであった。人間は負荷をかければ成長する。負荷をかけないと成長する必要が無いことになる。

    155-157:著者はグローバリズム、新自由主義は必然の流れと考える。それゆえに労働の対価で賃金を得る究極の携帯である派遣労働について語る。その未来は搾り取られ削り取られたもの。そうならないための付加価値を追求しないと滅びる。
    勝間勝代の言葉で「コモディティになるな、スペシャリストになれ」という説明を、マルクスの熟練工の概念で説明。取り替え可能な労働者ではなく、スペシャリストになる道で生き延びること。

    180:目標の期限とあきらめる時期、そして内省ノートの活用。これらによって流されずに生きることを提唱。

    192:時間は目に見えないが、ノートを取ることで視覚化できる。

    203:公文式を活用するオジサンたちもいるとのこと。

    209:鬱になる人の発病前は、案外仕事熱心だったりする。鬱になり「もうだめだ」という感覚が強くなると言うが、仕事をしていた時期のその心理も実はおなじで、「これをしなければ大変なことになる」という感覚からばりばりと仕事をこなしていた。
    そういう人には根本の強迫観念の治療、解放が有効。なんとかなる、これでもいいか、というような思いを得る。

  • かっこ悪い自己啓発本こそ役に立つよな、
    と佐藤優さんの人生指南書的な二冊を通読して私は思いました。

    佐藤優さんが書いている人生指南は泥臭いです。
    昨今のスタイリッシュな売れているビジネス書とは違いますね。
    だけど、明日からでも、今からでも
    やろうと思えば実行できるアドバイスに満ちています。

    話は飛びますが出版不況と言われながらも
    世間では毎年7万冊の新刊が出版されるということです。
    出来るだけ良い本をたくさん読みたい、というのは
    全読書好き人間の共通する心理ではありますが
    時間的にも、金銭的にも無理がありますね。

    できるだけ良い本と巡り合う打率を上げたいと
    思うわけですが、著者が本を書く目的を類推して
    読む本を選ぶというのもひとつかと思います。
    そういう意味でも佐藤さんは信用出来る著者さんです。

    逮捕された際も自己の信念を貫いて
    512日の勾留を粛々と受け入れ
    現在は一回60万円〜80万円の報酬を掲示される
    講演依頼を金銭感覚が狂うからという理由で断り
    月に1000枚を超える原稿を書き続ける方です。

    そんな組織の中で戦い、組織から追い出され
    それでも戦い続けた佐藤さんが
    組織の力と論理を「侮らず」
    それでいて教養を身につけることによって「びびらず」
    なおかつ生きているこの世界に対して「畏れを忘れるな」と
    様々なケースを使って説いてくれるこの二冊。
    カッコ悪いけれど何度も読み返したい本です。
    そして佐藤さんがこれだけ大量に書き続ける理由を
    いつか理解できれば良いな、とも思います。

  • グローバリゼーションが浸透し、生活の隅々まで資本主義の論理で動いています。そうした時代にあって、個人が生き抜くには、知恵や戦略が求められる。本書
    では現代の生き抜き方を時代背景や著者の経験、推薦本などを上げて指南してくれている。

  • 2017 5 28

  • この本は日本が大きな変化に飲み込まれる時に一人ひとりが生き残るにはどうすればいいのかというノウハウが書かれている。

    1つ目は自分の中の怒りの出所をはっきりさせることである。
    怒りとは非生産的なものであり感情的な行動です。
    だからこそこれを理性で抑えることが肝要です。だからこの怒りという感情が出てきた際はできる限り合理的に説明し、自分の感情を書き出し、図解し分析するといい。
    2つ目は世の中はビビらせることで成り立っていると知ることである。
    経済はビビらせることで購買意欲を刺激し成り立っています。
    だからこそ必要以上にビビらないために相手を知ることが大事です。
    また映画や小説で代理経験することも良い手である。
    3つ目は自分の力を見極めることである。
    人は普通自分を大きく見せたがり、その結果取り返しのつかない失敗をすることがある。
    こうならないために「内省ノート」で人の忠告や批判をしっかりと落とし込むことが大変重要である。
    4つ目は目標は「終わり」がイメージできるものにする事である。
    超えられない壁を設定し、何年もかけて乗り越えようとするのは無駄である。
    だからこそ期限を決め、頑張るべきものに頑張ることをするといい。
    5つ目はできる人は「仕事の遠近感」を持っているという事である。
    仕事にはそれぞれ期限があり、目の前にあるものからしゃかりきにやるのは思考が硬直化してしまう。
    順位をつけ、効率化を図ることができる柔軟性を養う必要がある。

    以上のことを踏まえ
    思考の硬さを意識的に柔らかくすることがこれからの社会を生き抜くためには重要と著者は述べている。

  • [図書館]
    読了:2017/5/22

    やっぱり頭のいい人だなぁと思いながら読んだ。社会のカラクリを認識して引いた目で組織を、世の中を見ることが大事。そうして、優劣意識から離れれば、知らないことを知らないと言えるようになる。飾らずありのままの自分をさらけ出すことに抵抗感もなくなってくる。

    シンプルさを追求すると仕事も人間関係も楽になる。仕事ができない人や実力のない人に限って、物事を複雑に考える。自分を大きく見せようと飾り立てたり嘘をつく。するとますます状況が複雑になっていく。そういう人は結局信頼を失い、仕事も人をしなっていきます。約束事やルールを少なくすること、シンプルにすること、ビジネスにおいてはそれが自分を飾らず、嘘をつかず、心地よいリズムで仕事をするための必要条件です。

    組織を侮ってはいけない。突然の「スローガン」には要注意。経理や庶務、人事において、それまでの流れが変わる、潮目が変わる時がある。その瞬間が1番危険なので過日ごろから社内の動きにアンテナを張っておくことが大切です

  • 積ん読チャレンジ(〜'17/06/11) 36/56
    '17/02/17 了

    この手の本は苦手なのに、本書は一気に読み切ってしまった。

    建前論が少なく、内容が主張がストレートなので頭に入ってきやすかった。

    この本は今後の人生で読み返す事がありそうだ。

    この本は父親から「これあげるよ」と言われて貰った本だが、僕は自分が読みたくて買った本ですら積んでしまって読まない男だ。
    人から与えられた本など読むわけがない。

    そんなことを思っていたが、かなり気に入ったので食わず嫌いせずにもっと早く読んでしまえば良かった。


    「お金そのものがすでに自然物ではないバーチャルなものなのに、そのお金がいまやIT化で形を失ったデジタルな数字と化し、ますますリアルから遠ざかっているのです。」(P153)

    「国家の裁きに執行猶予はつくかもしれませんが、自分の良心の裁きに執行猶予はありません」(P187)

  • 元外交官でインテリジェンスに関する多くの著作がある著者が、みずからの体験を織り込みながら、新自由主義が席巻するこれからの世界でビジネスマンの生き方についてわかりやすく語っている本です。

    よくある自己啓発本と似たり寄ったりという印象です。類書と比較してけっして悪い本ではないと思うのですが、現実の世界の動きを見据えながら、キリスト神学とナショナリズムとマルクス主義を架橋する活動をおこなっている著者の本だけに、期待するものも大きかったので、ちょっとがっかりしてしまいました。

  • 良い物語で人生を疑似体験する。
    職場で飾り過ぎ大きくみせない。
    人間関係も断らない力で広げることができる。
    突然のスローガンには要注意、組織では急に方針が変わりみせしめに処罰されることも。

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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