ドイツ人はなぜ、年収アップと環境対策を両立できるのか (青春新書インテリジェンス PI 662)

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  • 青春出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413046626

作品紹介・あらすじ

ドイツ人は、リサイクル率が高く、空気を汚さないグリーンエネルギー発電にも力を入れるなど、環境対策にお金をかけているにもかかわらず、経済成長を続け、個人の年収も上がり続けている。一方、日本では25年以上前から経済が停滞し、年収も上がっていない。なぜドイツ人は“経済成長=年収アップ”と“環境対策”を両立できているのか。その秘密を、日本人にも参考になる提言とともに、在ドイツのジャーナリストが明らかにする一冊。

感想・レビュー・書評

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  • ドイツ人、すごい。
    尊敬します。
    日本だと、なかなか環境にいい政策がすすまないのに。
    しっかり、未来を見て今何をすべきか理解している国ですね。

  • https://ameblo.jp/mayuharu21/entry-12801360702.html

    下世話なタイトルで興味を引くけど、内容はいたってまじめ。

    ドイツに30年以上生活する元NHK特派員が、ドイツ人の環境に対する意識を

    観察分析し、まとめたものになっている。

    一言でいえば日本人より民度が高い。

    神宮の森をお金に変えようなんて案はドイツ人は考えないだろうことが、

    この新書からもうかがえる。

    環境がむしろ経済を活性化する。

    そうした仕組みを作るのがうまい。

    日本人も、江戸時代は間違いなくそれが上手だった、賢かったはず。

    もしや明治、大正もそうだったのかもしれない。

    しかし、、、、アメリカに敗れ、占領され、そうした価値観を失ったのだろう。

    そうでもなきゃ神宮を破壊しようとは思わないだろう。

    正気の沙汰ではない。



    そういうことを考えさせる新書。

  • こういうのって、政府の取り組み次第でしょ?と思っていたが、個人の意識の問題も大きいとわかった。(もちろんドイツ政府の取り組みはすごいが、)ドイツ人の環境保護に対する「なんとかしなくては」の意識の高さが素晴らしい。
    自分の二酸化炭素排出量を計算してくれるツールを定期的に使用することで、排出削減の努力の見える化がなされているのは効果的で良い。
    (ためしに日本語でそのようなサイトがないか検索してみたが、エクセルファイルの提供だったり、水道使用量からのみ算出したり、と簡単には同様のものは見つからなかった)
    国連が提供している英語版の計算サイトを利用してみたが、自分がいかに二酸化炭素排出量など気にせず生活しているか思い知った。日本人平均よりは低かったが、世界平均を遥かに上回ってしまった。まずは地産地消を意識することから始めようと思う。

  • 大変興味深く読ませていただきました。
    作者自身の下地の厚さを感じました。データをもとに話は進められていきますが、G7他国の比較も交えながらの説明なので規模感を掴みやすかったです。
    ドイツ人の自然に対する感性が日本人に近いこと、また省エネ技術の卓越性から、日本にも同様のエネルギー革命を起こせるのではないかとついつい考えてしまいます。いや考えなければならないですね。
    EUの政策に対する手のはやさ、また政策の規模の大きさというのは日本も見習わなければならないですね。
    第4章内の、裁判所が民間企業の環境保護努力を不十分と認定する事例が増えているというのは興味深かったですが、国が資本主義の根幹に手をつけるというのもどうかと感じました。
    ペルーに発電所を持たないドイツ電力会社をペルー人農民原告が提訴するという奇怪な例もありましたが、グローバル概念の恐ろしさを再確認しました。緑の党や環境保護団体が穏健派であることを祈るばかりです。
    また第5章内の、Not in my backyard(裏には建てないで)の概念は面白かったです。通念への賛同が得られても、こういう枝葉の問題に気がつくことができないと大きなビジネスというのは興せないなと感じました。

    大変面白かったので、熊谷徹氏の他の出版物も購入しようと思います。
    ありがとうございました。

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒業後、NHKに入局。ワシントン支局勤務中に、ベルリンの壁崩壊、米ソ首脳会談などを取材。90年からはフリージャーナリストとしてドイツ・ミュンヘン市に在住。過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に取材、執筆を続けている。
著書に『ドイツ人はなぜ、1年に150日休んでも仕事が回るのか』『ドイツ人はなぜ、年「290万円」でも生活が豊かなのか』(ともに小社刊)、『ドイツ人はなぜ、毎日出社しなくても世界一成果を出せるのか』(SB新書)、『パンデミックが露わにした「国のかたち」』(NHK出版新書)など多数。『ドイツは過去とどう向き合ってきたか』(高文研)で2007年度平和・協同ジャーナリズム奨励賞受賞。

「2023年 『ドイツ人はなぜ、年収アップと環境対策を両立できるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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