- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784413211819
作品紹介・あらすじ
新宿という街に対して、あなたはどんなイメージを持っていますか? 駅はギネス世界一の乗降客数(約350万人/日)だけあって人は多いものの、渋谷や六本木のように文化の発信地でもなく、副都心の高層ビル街もすでに時代遅れ……。なんとなく、“垢抜けない街”というイメージをもっている人が多いかもしれません。
しかし、この巨大都市がいま大きな変貌を遂げようとしています。まず、「新宿迷宮(ダンジョン)」と呼ばれる悪名高い新宿駅は、最新ターミナル駅に生まれ変わるべく鋭意工事中。それに合わせて、駅の東西には「超高層ツインタワービル」が出現する予定です。さらに、歌舞伎町には東急が主導する複合エンタメ施設が姿を現しつつあります。
通過するだけの街から「人が集う街」へ。都市政策の世界的権威が、「開発から取り残されていた巨大都市」の過去、現在、未来を余すところなく解説します。
感想・レビュー・書評
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新宿には小学生の頃から何かと馴染みがあり、場所を思い浮かべながら興味深く読めました。
特に、西口の地上は歩行者にとって歩きにくくなっているという指摘には納得。
道理で、西口に行くときは、地下道を使いたくなる訳です。
南口に髙島屋ができてから、少し新宿の雰囲気が変わったような気がしていましたが、再開発としては、渋谷、丸の内、六本木などに遅れをとっていたという評価なのですね。
これから小田急百貨店(ここには中高生時代、だいぶお世話になりました。主に三省堂書店と玩具店)と京王百貨店の建替えがあるようなので、世界一の交通結節点である新宿の更なる発展に期待したいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新宿の成り立ちとこれからについて完結に書かれてあり読みやすかった
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新宿と言うと、東京の再開発で置いてけぼりになっている印象があった。丸の内、日本橋、六本木、虎ノ門と渋谷に比べると街としても話題がなくなっていた。
しかし、新宿は再開発に向けて歩んでいた東京都、新宿区、JRなどの鉄道会社は「新宿グランドターミナル構想」を持っていた。
2020年7月に新宿駅東西自由通路が開通して行き来が便利になった。2022年からは小田急百貨店の解体が始まる。2029年には新宿駅西口に地上48階、高さ260mの超高層駅ビルが完成する予定だ。
まさに本のタイトルにあるように「新宿の逆襲」が始まる。
新宿が先に挙げた街と比べて再開発の動きが遅かったのか。それは、街をリードする会社がなかったからだ。丸の内は三菱地所、日本橋は三井不動産といったように代表する企業がある一方で、新宿は分散していた。
コロナウイルス感染拡大、緊急事態宣言の影響でリモートワークをしていた企業の動き、外国人観光客が再び訪れるようになるかで、新宿の未来も大いに左右される。 -
新宿のこれこらの開発について、歴史を織り交ぜながらこれからの新宿のグランドデザイン踏まえて書いてあった。
歴史の部分はなるほどと思うことが多く、断片的ながら知っていた内容が1本につながる感覚があった。特に、ちゃんと鉄道、JRと私鉄のことが整理されててよかった。勉強になりました。
結局なぜ新宿の開発が遅れたのか複数要因があるようだが、結局はティベがいないからが大きな要因?開発主体か不在でもその後の街を育てる担い手がいればもう少し良くなるのではと思った次第。結局新宿はリデザインされても、その担い手不在のまま新たな開発をするのではと思う。
そのあたり、京王や小田急がやるのかなと思うけど、そこまでが見れない。
OSAKAのうめきた開発のように、大規模開発においてもまちを育てる組織、音頭取りが必要ではないかな。 -
渋谷、大丸有、六本木、日本橋に並ぶ東京の都心エリア新宿のこれからの開発と、これまでの歴史、他拠点都市との比較。
他都市と違い、財閥などが一挙に所有をしていなかったことや、物流の拠点であり、東京都の浄水場が大きく面積を取っていたことからアイデンティティが薄かった。
また、浄水場から副都心として開発をされた際にも、ブランドよりも車社会の到来を見据えた自動車優先の開発をしたため、都市のアイデンティティを認識する歩行者のための開発がしにくい道路インフラとなってしまい、それが各デベロッパーの都市ブランディングから逆算する開発を妨げ、今もブランドが成立していない要因ではないだろうか。 -
新宿の再開発についての面白い情報源として読んだ。
広告ベースな感じも…。