- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784414429206
作品紹介・あらすじ
近代精神医学が成立する契機となった精神病者の「鎖からの解放」は、なぜ可能となったのか? ナチズム期の精神障害者大量殺人は、なぜ引き起こされたのか?
本書の目的は、近代精神医学史の出来事を記述することだけではない。その出来事の背景、そこにどのようなアイデアや思想が、歴史の流れがあったのか、そしてそれがどのように現代につながっていくのかを明らかにしていくことを主眼としている。
戦争、安楽死、反精神医学、優生思想など、精神医学との関係が真正面から語られてこなかったテーマに深く切り込む。
感想・レビュー・書評
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■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
【書籍】
https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001186971
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旧優生保護法の問題を調べる中で、優生学と精神医学の関係を論じた著作は少なく、手にとった書物である。近代精神医学は主に欧州で発展してきたが、その背景に欧州の思想の流れが背景にあることを説明。それは古代ギリシア時代にも遡るが、それはさておきその思想的流れが精神医学の生物学的流れと心理学的流れに影響していることを説明されている。精神医学から哲学に転じた人もおり、哲学と精神医学の関係は多少なりとも知っていたが、大きな流れで思想と精神医学の流れを解説された点が特徴である。優生学との関係ではナチスへの精神医学の関わりが著述されているのが著者ならではのものと思う。反精神医学に関しても述べられることが少ない中、客観性を保ちながら述べられているのは読み応えがある。現代に通じる精神医学の歴史を知るには一読の価値があると思った。
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2月新着
東京大学医学図書館の所蔵情報
http://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2003533139 -
東2法経図・6F開架:493.7A/O61s//K