行為と演技―日常生活における自己呈示 (ゴッフマンの社会学 1)
- 誠信書房 (1974年11月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784414518016
感想・レビュー・書評
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日常生活における自己呈示というサブタイトルで、自己呈示がキーワードとして紹介されていたので、ほかの本と思って読んだらシリーズ本の1冊であった。
例のごとくわかりづらい。丁寧に読めば何らかの部分が卒論に取り上げられるとは思うが、それを自分の意見として持つまでにはだいぶ時間がかかろう。 -
[出典]
「恐れのない組織」エイミー・C・エドモンドソン
第1章 2 -
系・院推薦図書 総合教育院
【配架場所】 図・3F開架
【請求記号】 361||GO
【OPACへのリンク】
https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/455942 -
人は社会で求められている役割を演じる際に必要な演出上の戦略(ドラマトゥルギー)をもつ。かよわい女の子。教師らしい振る舞い。学生らしい振る舞い。医者患者。店員と客。▼道ですれ違うとき、8フィートの距離になるまで互いに相手をよく観察するが、通り過ぎるときはあたかもライトを下向きにするようにお互いに視線をふせる。コミュニケーションを円滑にする。礼儀正しい無関心。アーヴィング・ゴフマンGoffman『行為と演技』1959
人は閉鎖された空間に閉じ込められ、外部から遮断されて形式的・画一的に一括管理されると、「自分らしさ」や自己像を失わないよう抵抗する。精神病院。刑務所。軍隊施設。修道院。アーヴィング・ゴフマンGoffman『アサイラム』1961
人は相手との物理的な距離を常に調整。相手との関係の親密さ、相手の性別、年齢、目上か目下か、などによって調整。密接距離、個体距離、社会距離、公衆距離。プロクセミクス。▼低コンテクスト文化(友達からの誘いへの断りははっきり言う・転職する前に自分の給料額をはっきり聞く・愛していると言われないと愛されていると感じない・新しい職場の仕事内容は事前にできるだけ細かく教えてほしい・思っていることをはっきり口に出さないと気がすまない)。エドワード・ホールHall『文化を超えて』1976
公共の場所で自分だけの世界に没入(離脱)してしまうと、周囲は「無視されている」と感じる。あくまで無関心をお互いに演じるのであり、無視するのではない。化粧に夢中になったり、大音量ヘッドフォンからの音漏れ。自分の世界に没入し、まわりを無視。▼2人以上の集団が自分たちの世界に没入する場合も。カップルが周囲の目を気にせずいちゃいちゃ。おばさん同士が周囲を気にせず大声で会話。集団的離脱。アーヴィング・ゴフマンGoffman
社会をまとめているのは合理的な計算ではなく、非合理的な感情。契約が守られるためには、他人が契約を守ってくれるという信頼感が必要。ランドル・コリンズ『脱常識の社会学』1982
サービス業。看護師。飲食接客。水商売・クラブ。苦情処理。お世辞を言ったり、笑顔を作ったり、媚びへつらったり。自分の本来の感情とは関係なく演技。感情を売る。感情は商品。感情を売ることが習慣化すると、オフになっても心身が休まらない。感情労働。フライト・アテンダント。▼燃え尽き。自分は演技をしていて正直ではない。自分はただ夢を売っている。冷めた見方。アーリー・ラッセル・ホックシールドHochschild『管理される心』1983
※女性。 -
[ 内容 ]
シカゴ学派の社会的自己の概念を受け継ぎ、日常世界に生起する相互行為のコンテクストにおいて、自己がどのように呈示されるかを演出論的視点から追究する。
社会学研究における日常性の復権を目指す先駆的著作。
[ 目次 ]
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ] -
訳の不十分な箇所があるので、原著と突き合わせながら読むのがオススメ。この著作で描かれるゴッフマンの演出論は有名だが、ゴッフマンの意図は、日常生活の演劇的側面を明らかにすることではない。初めて読む人は、結論から先に読んだ方が読みやすい。