- Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
- / ISBN・EAN: 9784415039954
感想・レビュー・書評
-
世界各国のパンを写真入りで紹介した本。
ヨーロッパでパンめぐりをしたいと思っているので、
「へぇ~こんなパンもあるのね~」と夢が膨らみます。
後半には、パンの歴史や製法の紹介、
食べあわせや作り方が載っています。
特にヨーロッパでは生活に根付いた食べ物だけに、
歴史を読んでいると、政治や宗教と密接に関わっていることがわかって面白い。
ローマ帝国のローマ市内には、
市民に配給するパンを焼くための国営の窯が設置されていたとか。
また、中世ヨーロッパではパン焼きが制限され、
教会、修道院、一部のパン屋や貴族しか焼けない時代もあったそうです。
どうしてだろう、粉不足?
日本のパンの歴史で面白かったのは、アヘン戦争の頃の話。
本土防衛戦になったら煙の上がるご飯は炊けないと考えた
静岡県伊豆韮山の代官、江川英龍(担庵)が考案したのが「兵糧パン」。
今でいう乾パンのような食べ物で、
ドーナツ型にして紐を通し、腰にぶら下げたりしていたそうです。
ビジュアルを想像するとちょっと微笑ましい(笑)
***
<気になるパン>
●プンパニッケル(Pumpernickel@ドイツ)
前にドイツ人の同居人が夕食として食べていたのはこれか!
薄くスライスされたものが2枚ずつ個別包装されていて、
「なぜ夕飯にクッキーを?」と疑問に思ったものでした。
その様子を見てとったらしい彼女に少し分けてもらったのですが、
程よい酸味と粒々感が美味しいモノでした。
(先行イメージのせいで、今ひとつ「パン」とは認識できず)
ハード系のチーズやパテと合いそう。
●ヌス・トルテ(Nuss Torte@ドイツ)
スイスのエンガディーナ地方が発祥の伝統菓子。
(ならスイスのパンとして紹介すればいいのに^^;)
「クルミをキャラメルで煮詰め、バターがたっぷり入った生地で包んで焼き上げる」
「ほのかな苦味とコクのある甘さが特徴」だそうです。
カロリーのことをちらとでも考えたら楽しめないだろうけど、絶対美味しいよ……(じゅるり)
●カイングラ(Kringler@デンマーク)
バターペースト、マジパンペースト、カスタードクリームを使用した特大ペストリー。
お祝いごとに欠かせないパンで、誕生日の主役が前日に予約し、
「幸せのお裾分け」ということで当日に切り分けて配るんだとか。
そんな風習も素敵です。(一人では食べられないということか……orz)
●スティンガー(Staenger@デンマーク)
「レーズンとオレンジピールを生地で包み、上にアーモンドスライスを載せたペストリー」。
「しっとりめの生地」で、「口に入れるとじゅわーっとバターの風味が広がり、
オレンジピールのほろ苦さがアクセントに」。
●カリャヤン・ピーラッカ(Karjalan Piirakat@フィンランド)
意味は「カレリア地方のパイ」。
薄いライ麦粉の生地を舟形にして、ミルク粥を包んで焼いたパン。
軽く温めて、刻んだゆで卵にバターを混ぜた「ムナボイ」を載せて食べるそうです。
パンにお粥って新しい! ぜひ食べてみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
■日本で食べられる世界各国のパンのこと、絶対知りたいパンの知識、パンの作り方などなど…。この一冊で、パンのすべてがわかります。
■■世界中のパンが細かに乗ってます。パン好きにはたまらない一冊。見てるとお腹が空いてくる。