名作椅子の解体新書: 見えない部分にこそ技術がある。名作たる理由が、分解する、剥がす、組み立てる、張り替えることで見えてくる!
- 誠文堂新光社 (2020年12月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784416521045
作品紹介・あらすじ
ザ・チェアなど名作椅子と呼ばれている椅子や、フィン・ユールなどの著名デザイナーがデザインした椅子について、解体(分解)、組立、座の張り替えなどの工程を写真入りで詳細に紹介(*椅子によって、解体のみ、解体・組立、布(革)張りの剥がし等々のパターンあり)。
これらを紹介しながら、各椅子の特徴、構造、デザイナーの思いなど探っていく。
1)どのような技術が駆使されているか:接合方法、強度の持たせ方、デザインを生かすための工夫、外見からはわからない隠れた部分での工夫 など
2)長所、短所
3)素材:使用木材の種類、座編み用のペーパーコード、張地の中身(綿、布、馬毛、ウレタンなど) など
4)デザイナーがどのような考え方で、その椅子を手掛けたのか
5)掲載椅子(18脚)
・スーパーレッジェーラ〔ジオ・ポンティ〕
・ザ・チェア(JH501)〔ハンス J. ウェグナー〕
・Yチェア(CH24)〔ハンス J. ウェグナー〕
・ベアチェア〔ハンス J. ウェグナー〕
・JH504〔ハンス J. ウェグナー〕
・CH23〔ハンス J. ウェグナー〕
・エッグチェア〔アルネ・ヤコブセン〕
・セブンチェア〔アルネ・ヤコブセン〕
・イージーチェアNo.45〔フィン・ユール〕
・アームチェアNo.46〔フィン・ユール〕
・アームチェアNo.48〔フィン・ユール〕
・J.L.モラー No.77〔ニールス・オット・モラー〕
・エヴァ〔ブルーノ・マットソン〕
・FD130〔ピーター・ヴィット&オルラ・モルゴー・ニールセン〕
・シエスタ〔イングマール・レリング〕
・サファリチェア〔コーア・クリント〕
・MKチェア〔モーエンス・コッホ〕
・ペーパーコード編み折り畳み椅子JAPAN
感想・レビュー・書評
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名作椅子が文字通り解体されてる…!
開いた瞬間はその驚きしかなかった。修理に伴う解体、元々持ち運ぶための椅子の分解からそれぞれの部材や接合部、座面や背面の構造、加工、修理方法まで、椅子の構造が好きであれば楽しい以外は無い1冊である。
解体されることで改めてそのデザイン性や実用性を感じ、よりその椅子を好きになることができる。何度見てもフィン・ユールのNo.45は美しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
家具木工界隈で話題になっていたので図書館で借りて読む.
写真がすばらしいのはいうまでもなく,家具リストア職人(プロ)による分解・解体時の観察眼がさすがだなと思った.
読んでいてへーと思ったのは,
・ハンス・ウェグナーの銘品であるザ・チェアやYチェアは
中国の明朝に作られた椅子からデザインインスピレーションをえてデザインされた.なるほどアームの曲線など言われてみるとそうだ
・Yチェアのペーパーコードはぜんぶで150mもあるらしい.リペア時には短いコードを継ぎ足し継ぎ足しつなげて作業する -
【図書館の電子書籍はこちらから→】 https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000104881
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ザ・チェアなど名作椅子と呼ばれている椅子や、フィン・ユールなどの著名デザイナーがデザインした椅子を、解体、組立、座の張り替えなどの工程を写真で紹介する、なんとも珍しい一冊。分解することで見えてくる、各椅子の特徴、構造、デザイナーの思いなど探っていきます。
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名作椅子って解体してもかっこいいし、綺麗なんだな、改めてそう思った。
パーツの一つ一つが洗練されていて綺麗。
解体しているところの動画も是非倍速再生で見てみたい -
名作椅子を惜しげもなく解体(場合によっては破壊)して、その細部に込められた工夫を可視化する。
複雑な接合部の形の意味、籐やコードの編み込みの収まり、傷み方と直し方、などが、職人らしい眼差しで解説されている。
いつまでも見飽きない本。