あのとき僕が泣いたのは、悲しかったからじゃない

著者 :
  • 誠文堂新光社
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本棚登録 : 128
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784416618981

作品紹介・あらすじ

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涙が枯れるほど泣いたあと、大切な人に会いたくなる感動短編集
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【イントロ】

人はなぜ、涙を流すのだろう。
人はなぜ、泣きたくなるのだろう。

それは、悲しかったから……なのだろうか。 

めくるめく絶望に、泣きじゃくる人もいる。
ときめく喜びに、そっと涙を流す人もいる。 

声をあげて泣く人もいる。
声を殺して泣く人もいる。 

人は人に傷つけられ、人は人に癒される。 

あのとき僕が泣いたのは、悲しかったからじゃない。
あのとき僕が泣いたのは……。

【内容紹介】

各章に登場する主人公たちは、どうにもならない苦境の中でまさかの人物からエールを送られる。
それは、彼らにとって二度と会うことはないと思っていた「大切な人」からの声援であると共に、永遠に聞けないと思っていた真実の声だった。

第1話『ショコラの種』では、女手一つで息子を育てている若きシングルマザーに、一本の悲報が入ることから物語は始まる。
その悲報は、小さな息子の死を知らせるものだった。
自分の心臓をえぐられるよりも辛い我が子との別れ……。
それにより彼女の人生の歯車は、まるで逆回転するかのようにいびつに回り始めたのだ。
毎晩、亡き息子が夢に出てくる日々。
その夢の中で息子はいつも涙を流している。
一人孤独に目覚める朝、彼女は息子の涙の理由を考える。
きっとあの子は悲しくて泣いてるんだ――。とてつもなく寂しくて涙を流してるんだ――。
ママもすぐそっちへ行くからね……と、彼女は自らの人生に終止符を打つことを決意。
そして、死への階段を一歩登ろうとしたその時、彼女の絶望の歯車を止めるある光景を目の当たりにするのだった。
人生に終止符を打とうとした彼女が、寸前に目にしたこととは……?
夢の中で涙を流している亡き息子の真意とは……?
絶望という名の暗闇に突き落とされた若き母親の、切なくもラストは温かい感動短編ストーリー。

その他、短編小説5編、ショートショート1編、詩1編が収録された全7編の読みきり短編集。
「漫画やドラマは好きだけど、活字は苦手……」という方にも、『読むドラマ』としてお楽しみいただける一冊に仕上がっています。

■目次
第1話『ショコラの種』
第2話『最期の小説』
第3話『真昼の花火』
第4話『おしるこ』
第5話『家族だった家族』
第6話『黄色い鳥と赤い鳥』(ショートショート)
第7話『一本のオール』(テレビでも紹介され話題になった、すべての人にエールを送る詩)

感想・レビュー・書評

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  • 7つの短編集。どれも素敵なお話で3つで泣きました。中でもおしるこが印象的。人間の最大の敵は孤独だなとつくづく感じる。『最後のページをめくる時大切な人を思い浮かべる』帯の通りです。

  • 悲しさ以外の涙をキーワードにした短編集。
    悪くはないはずなのに読み終わった時に心に何も残っていなかった(というかストーリーすら覚えていられないくらい希薄なものもあった)
    読みやすくはあるし、ショートドラマのような分かりやすさもあるのでサラッと読みたいならいい気もするのだけれど、私には合わなかったかなぁ。

    ※覚書
    亡くなった元婚約者の娘から届く手紙のお話はショートドラマになりそう

  •  家族・友達・恋人など大切な人は必ずいますね。その大切な人を思い浮かべ、そして大切な人とどう暮らしてどう生きていくか、幸せとは何かとても考えさせられた作品でした。
     感動の7つのストーリーから構成されている作品。
    ハズレは一つもなし!!登場人物の考え方、生き方、気持ち共感する部分が沢山あり、自分と重なり合わせて考える事ができました。
     特にお気に入りストーリーは、「真昼の花火」
    『グッと堪えていた涙が、僕の瞳から溢れ出してしまった』という所を読んだ途端、自分も涙が溢れ出してしまいました笑。これは、悲しみの涙ではありません笑笑
     この作品を見て瀧森古都さんにハマってしまいました。他の作品も読んでみたいです。
     

  • オーソドックスに涙を誘う短編集。
    ほっこり温まる話が多いので、すっと読める。
    猫の話がいちばんすき。

  • 猫の物語りは素直な感じで良かった。

  • プロフィールに「奇跡体験! アンビリバボー」など様々な番組の企画・構成・脚本を手掛けると書いてあって納得!
    思わずホロリとくるような感動もののドラマを観たような気持ちになる短編集。

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著者プロフィール

瀧森古都(たきもり・こと)
1974年、千葉県市川市生まれ。2001年、作家事務所オフィス・トゥー・ワンに所属。放送作家として「奇跡体験! アンビリバボー」など様々な番組の企画・構成・脚本を手掛ける。2006年、独立。作家、コピーライターとして活動。現在、主に「感動」をテーマとした小説や童話を執筆。ペット看護士・ペットセラピストの資格を保持。著者に『悲しみの底で猫が教えてくれた大切なこと』『孤独の果てで犬が教えてくれた大切なこと』『たとえ明日、世界が滅びても今日、僕はリンゴの木を植える』(共にSBクリエイティブ)がある。

「2021年 『悲しみの夜にカピバラが教えてくれた大切なこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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