- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784418015115
作品紹介・あらすじ
夫、愛犬、男友達、旅、本のこと…自らの日常を、柔らかく、かつ緊張感に満ちた文章で綴った珠玉のエッセイ。
感想・レビュー・書評
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自分の好き嫌いに忠実であるもよし、そうでなくともよし。
大人は、選べる。
その分だけ自由(子どもの頃よりも)。
読み進むうちに、
「大人でも、しょうがない人でいてもいいのかも」
と、軽やかな気分になったが、本当は、それは逆。
自分の面倒の見方をちゃんと知っている大人だからこそ、
しょうがなくてもいい。泣いてもいい。
たとえば、ほんとは寂しかった、ほんとは泣きたかった。
ずっと、いないことにしていた「強くない自分」。
そんな自分と仲直りするきっかけになりそうな本。
(以下引用)
ーー音楽はある種のDRAGだと思う。神経をたかぶらせたり鎮めたりする。言葉では届かない場所に触られた気がし、心がかき乱される。
音楽を聴きたい、と欲することは、多かれ少なかれ、かき乱されたいと欲することだ。
ーー音楽はいつもそばにあった。雨のように降ってきて、考えたり感じたりする前にしみてしまう。
ーー大人というのは本質的に「泣く」生き物だと思います。「泣くことができる」と言った方が正確かもしれません。それはたぶん、心から安心してしまえる場所を持つこと、です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
音楽の話がよかった。
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2013年6月8日読了。
江國香織のエッセイ集です。
エッセイと言うものに多少苦手意識のある私は、
この本をエッセイ集と知らずに手にとってしまい、
読み始めてから「エッセイだったのか!しまった!」と
思いましたが、全く問題なく、面白く読ませて頂きました(^O^)
むしろ、小説より好きかもしれない・・・(笑)
やっぱりどこか不思議な人なんだなぁと思ったけど、
ちょっとクスッとしたり、「泣いてもいいんだな」と
思えたり、何だか温かい気持ちになるエッセイ集でした。 -
江國さんってもしかして自分のこと好きなのかな。
根拠のないことで、私の憶測にすぎないのだけど、江國さんの日常を覗いてみてふと思った。
一つ一つの行動が、言葉があまりにも「できすぎ」ていて
「本当にこの人(江國さん)実在するんか?」
と思ったりもした。
江國さんのことを悪く言っているわけではないです。
きちんと好きです。 -
(2002.12.14読了)(2001.10.02購入)
(「MARC」データベースより)
夫、愛犬、男友達、旅、本のこと…。心から安心できる場所を持ち「泣く大人」になった著者が、自らの日常を柔らかく、かつ緊張感に満ちた文章で綴ったエッセイ集。
☆江國香織さんの本(既読)
「薔薇の木枇杷の木檸檬の木」江國香織著、集英社、2000.04.30
「ウエハースの椅子」江國香織著、角川春樹事務所、2001.02.08
「ホテルカクタス」江國香織著、ビリケン出版、2001.04.
「日のあたる白い壁」江國香織著、白泉社、2001.07.23
「東京タワー」江國香織著、マガジンハウス、2001.12.07
「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」江國香織著、集英社、2002.03.10
「いつか記憶からこぼれおちるとしても」江國香織著、朝日新聞社、2002.11.30
「すみれの花の砂糖づけ」江國香織著、新潮文庫、2002.12.01 -
半分ほどは,私について書いてあると思うほど。思春期に親しかった作家の影響力は大きい。浴室で読む本代表。