泣く大人

著者 :
  • 世界文化社
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本棚登録 : 570
感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418015115

作品紹介・あらすじ

夫、愛犬、男友達、旅、本のこと…自らの日常を、柔らかく、かつ緊張感に満ちた文章で綴った珠玉のエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 自分の好き嫌いに忠実であるもよし、そうでなくともよし。
    大人は、選べる。
    その分だけ自由(子どもの頃よりも)。

    読み進むうちに、
    「大人でも、しょうがない人でいてもいいのかも」
    と、軽やかな気分になったが、本当は、それは逆。
    自分の面倒の見方をちゃんと知っている大人だからこそ、
    しょうがなくてもいい。泣いてもいい。

    たとえば、ほんとは寂しかった、ほんとは泣きたかった。
    ずっと、いないことにしていた「強くない自分」。
    そんな自分と仲直りするきっかけになりそうな本。

    (以下引用)
    ーー音楽はある種のDRAGだと思う。神経をたかぶらせたり鎮めたりする。言葉では届かない場所に触られた気がし、心がかき乱される。
     音楽を聴きたい、と欲することは、多かれ少なかれ、かき乱されたいと欲することだ。
    ーー音楽はいつもそばにあった。雨のように降ってきて、考えたり感じたりする前にしみてしまう。

    ーー大人というのは本質的に「泣く」生き物だと思います。「泣くことができる」と言った方が正確かもしれません。それはたぶん、心から安心してしまえる場所を持つこと、です。

  • 音楽の話がよかった。

  • 苦手なタイプのエッセイ集だった。
    江國さんの浮世離れした感覚についていけなかった。男とか女とかで多くの物事を決めつける態度に違和感があった。気になりだすと止まらないもので、句読点のつけ方さえも気になってしまった。

    浮世離れした感覚で人間関係について語られても説得力はない。
    一般人の生活をしていないひとに生活の豊かさを語られてもピンとこない。

    すごくすごく自分のことが好きで、私って素敵でしょ!ナイスな生活でしょ!グッドな価値観でしょ!と自慢しまくってるエッセイに感じてしまった。上流階級の人間に対する一般市民の愚かな嫉妬のせいでこんな感想になってしまった。ぜんぶ嫉妬がわるい。

  • 2013年6月8日読了。

    江國香織のエッセイ集です。
    エッセイと言うものに多少苦手意識のある私は、
    この本をエッセイ集と知らずに手にとってしまい、
    読み始めてから「エッセイだったのか!しまった!」と
    思いましたが、全く問題なく、面白く読ませて頂きました(^O^)

    むしろ、小説より好きかもしれない・・・(笑)

    やっぱりどこか不思議な人なんだなぁと思ったけど、
    ちょっとクスッとしたり、「泣いてもいいんだな」と
    思えたり、何だか温かい気持ちになるエッセイ集でした。

  • 江國さんってもしかして自分のこと好きなのかな。


    根拠のないことで、私の憶測にすぎないのだけど、江國さんの日常を覗いてみてふと思った。


    一つ一つの行動が、言葉があまりにも「できすぎ」ていて

    「本当にこの人(江國さん)実在するんか?」


    と思ったりもした。


    江國さんのことを悪く言っているわけではないです。


    きちんと好きです。

  • 雑誌の連載エッセイを一冊にまとめた為か、たとえば、移動中に、ぽつりぽつり読む分には問題ないと思うのですが、一気に読むと途中で息切れがしてしまいます。各エッセイ、同じようなことが書かれている気がしてきて・・・。
    最後の章は、著者お薦めの本なのですが、その中に「舌の記憶」
    があったのに驚きました。私にとっては何の印象も残らない本
    だったのですが、読む人がよむと素晴らしく余韻の深い本になるのだなぁ。
    と思いました。彼女の視点をもって再読してみようかな、とさえ
    思うから、やっぱり江国さんのフィルターは素敵です。

  • (2002.12.14読了)(2001.10.02購入)
    (「MARC」データベースより)
    夫、愛犬、男友達、旅、本のこと…。心から安心できる場所を持ち「泣く大人」になった著者が、自らの日常を柔らかく、かつ緊張感に満ちた文章で綴ったエッセイ集。

    ☆江國香織さんの本(既読)
    「薔薇の木枇杷の木檸檬の木」江國香織著、集英社、2000.04.30
    「ウエハースの椅子」江國香織著、角川春樹事務所、2001.02.08
    「ホテルカクタス」江國香織著、ビリケン出版、2001.04.
    「日のあたる白い壁」江國香織著、白泉社、2001.07.23
    「東京タワー」江國香織著、マガジンハウス、2001.12.07
    「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」江國香織著、集英社、2002.03.10
    「いつか記憶からこぼれおちるとしても」江國香織著、朝日新聞社、2002.11.30
    「すみれの花の砂糖づけ」江國香織著、新潮文庫、2002.12.01

  • 半分ほどは,私について書いてあると思うほど。思春期に親しかった作家の影響力は大きい。浴室で読む本代表。

  • 読みやすさを感じた話とそうでない話がありました。

    評価が★5つなのは、
    何より男友達の定義についてしっくりきたから。
    “男友達と共有するもので重要なのは人生だ”
    そうそう!って思いました。

  • 大好きな江國さんのエッセイ。
    前半はおもしろかったけど一番最後の章の本の感想(?)はあまりおもしろくなさそうだったので読まなかった。
    言い回しが少し難しかったり、息子の幼稚園のことで頭がごちゃごちゃになってる時期でもあったので頭にすんなり入ってこなかったかも。。。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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