「女子」という呪い

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784420310802

作品紹介・あらすじ

「女のくせに」と罵られ、常に女子力を求められる。上から目線で評価され、「女だから」と我慢させられる。そんな〈呪われた女性達〉の不安や怒りを軽妙に語り、解決のヒントを探る雨宮流#MeTooエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 自分も同じ時期にゴスロリしていたので、雨宮さんのことは昔から存在は知っていた。彼女はゴスロリが「武装」と言ってたけど、自分にとってはあの格好が「何者か」になれるような感覚、というか自分が「他とは違う存在感」を見せつけるだけの道具だったのかな、と自己分析。個人的にこの本で共感した部分は『「何者か」なりたい欲求』について。20代の頃のその欲求は自分もやってたなあと思うし、今思うと黒歴史…。結局今は昔と思ってたのとは違う形でなんとなく「何者か」になったような気もするけど、実力はあまり伴えてない。
    他の皆さんが感想で書いているように、男の人(特に昭和のおっさん)にこそ本書を読んでほしい。性別を入れ替えて考える、本当にそう。

  • もはや女子とか、おじさん、おばさん、お父さん、お母さんとか、そういうジェンダー的な垣根を超えていく時代になってきたな、と痛感する。そういう枠や暗黙のルールがある方がやりやすいこともあるのは事実ですが。

  • なんだろうなぁ。
    この年代の著者だからかな。
    すごい力入ってて、リキみすぎてる様な気がして。
    自分で呪いに輪をかけちゃってるんじゃないかしら
    と、思った。

  • 自分も女子の呪いにかかっているなのかなぁ。
    この本は女性が読むのではなく、男性が読み自分の何気ない一言が女性を気づけているかもしれない、ということに気づくべき。まずは、女性という部分を男性に置き換えるミラーリングをしてみよう。そうすると何か気づけるかも、、

    この本は少し過激な思想、や表現を含んでいる部分も少なからずあるが、読んで後悔はしないと思う。

    私は雨宮さんが経験したことの10分の1も経験していなくて、雨宮さんもわたしが経験したことの10分の1も経験していないと思う。そんなに育った境遇の違う私たちだけど、女性ということだけで立場が不利になってしまうという点では完全に同じ立ち位置。ずっと女子大にいると、こういうことが当たり前にされていることに正直言って気づかなかった... これから社会に出たら苦労するのかな

  • 女子って大変だよねー!
    つらいよねー!
    不平等だよねー!

    と、沢山書いただけ。こりゃあ何かの連載だな?と思ったらやはりでした。

    女子というだけで色んなことにがんじがらめになっていることは本人が一番肌で感じている。
    それを改めて言われたところで、「そうですけど何か?」となる。

    読むのに時間かかった…



    あ、呪いを解く方法はフェミ返しです!

  • 本で紹介された事例は共感できるものばかりだった。身近でよく見るから不満を伝えにくい。少しもやっとしたことを説明できずに抱えこんでしまいがち。

    最近のフェミニズムとLGBTQ(←間違ってたらすみません)の流れで、平成より性差別は減ったと実感してる。生まれた性に縛られず過ごせたら、少しは快適になる。

    ミラーリングは効果あるけど、他にも対処法があると心強い。

  • とても読みやすくあっという間に読了。
    しかし沢山考えさせられる内容であった。
    他の本の引用も多く、興味を持てたのでこれを通じて次はこれを読もう、と多くの本に出会えた。
    ジェンダー関連に興味はあるが何が読みやすいの探していた自分にとってはぴったりの一冊。

  • メディアでたまに目にする、「夫の不倫に謝罪する」妻。
    「頑張れ」「努力しろ」と言うわりには、「でも、男以上に成功するな」というダブルスタンダードを要求する社会。「女子力」とか「女性の活躍」という言葉への違和感。「そんなこと言ってるとモテないぞ」「お前は女の本当の幸せを知らない」などと余計なことを言ってくるオッサン。
    子育てする男性が「イクメン」と言われ、介護をすれば「ケアメン」と名付けられ持ち上げられるのに、女が仕事して子育てして家事してその上介護までしても誰も名付けてもくれないし褒めてもくれないという現実。
    仕事ができる女は時に「女のくせに」「女だてらに」と揶揄され、場合によっては「女を武器にしたのでは」なんて勘繰られもする。「女を使う女」は軽蔑される一方で、女らしい気配りや身ぎれいさは当然のように要求される。
    セクハラには「場の空気」を壊さないよう笑顔であしらう技術まで求められ、それが「大人の女のたしなみ」みたいに誤解されている。「無知」を装おうことを求められ、なぜかいつも男に「上から目線」で「評価」され、点数をつけられたりしている。
    このようなことが、私が思う「〈女子〉という呪い」である。
    この社会で「女子」たちは「女のくせに」と罵られ、なのに常に女子力を求められる。上から目線で評価され、「女なんだから」と我慢させられる。これはもう、呪われているとしか思えない! この理不尽さと生きづらさを「なんだか変じゃない?」と問いかけ、解決のヒントを探るエッセイ集。日本版#MeToo を応援する1冊。
    日本には、「女子」にかけられた呪いが蔓延している。石原慎太郎のような男尊女卑のオヤジに「産めるうちに産んだほうが良いよ」と言われるのに、育児休暇を取ることに後ろめたさがつきまとい、仕事を続けたくても保育園不足はなかなか解消されず、家庭と仕事の両立を完璧にこなし家事をやるのは当たり前、仕事では男性の同僚に脅威に思われないように男性を上回るような結果を出さず、仕事場などでのセクハラは上手くかわし旦那の浮気に腹を立てずやり過ごすのが大人の女子のたしなみとされ、成熟した女性であることを求められる一方で思春期の女性が恋愛や性に興味を持つと親や教師にいけないことと抑圧されてしまうという理不尽が、女性につきまとう。

    そういう男尊女卑の価値観の押し付けの連鎖を断ち切るには、男尊女卑なことを言われたら性別を入れ替えて言い返すことが効果的。例えば、「女子なら○○出来て当たり前」と言われたら、「男性なら○○出来て当たり前って言われたらどう思います?」と言い返すことで、相手に自分の価値観の歪みを気づいてもらうきっかけになる。
    女子の同僚を味方につけたり、仕事上の力関係に乗じたセクハラや理不尽な扱いに対抗することなど、泣き寝入りせず黙らないことが周りの女性の立場の向上に繋がる。男性は、女性の言い分に黙って耳を傾けて味方になることが大事。
    女性が読めば「あるある」と勇気がもらえるし、男性は女性が向き合う苦境を理解出来る日本版#MeToo本。

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPAC↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/616672

  • 開発目標5:ジェンダー平等を実現しよう
    摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50201186

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著者プロフィール

1975 年北海道生まれ。作家・活動家。「反貧困ネットワーク」世話人。フリーターなどを経て2000 年、『生き地獄天国』( 太田出版/ちくま文庫) でデビュー。主な著書に『生きさせろ! 難民化する若者たち』( 太田出版/ちくま文庫)、『相模原事件・裁判傍聴記 「役に立ちたい」と「障害者ヘイト」のあいだ』( 太田出版)、『コロナ禍、貧困の記録 2020 年、この国の底が抜けた』( かもがわ出版) など多数。

「2022年 『手塚マンガで学ぶ 憲法・環境・共生 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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