ゆっくり学ぶ 人生が変わる知の作り方

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  • 集英社クリエイティブ
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784420310956

感想・レビュー・書評

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  • 哲学者である著者が「学び方」について書いた本。哲学分野の知識や知恵(この「知識」と「知恵」の違いの話もおもしろかった)を絡めて解説するのはもちろん、著者がこれまでの人生で得た学び、まさに今取り組んでいる最中の外国語の学びなど、幅広く取り上げている。
    学ぶことそのものを楽しむ、という考え方が好きだなあと思った。目標を達成するために勉強するとか将来役に立つ知識を身につけるとか、そういう結果ありきの学び方だけじゃなくて、過程に喜びを感じるような学び方もできるとたしかに楽しい! もっといろんな分野に手を伸ばしてみたいなあと思えた一冊だった。
    あと下に引用したけど、読書を食事にたとえるのが個人的にすごく好き。食べることと読むことってすごく似てると思う!

    【読んだ目的・理由】学び方について学びたかったから
    【入手経路】買った
    【詳細評価】☆4.1
    【一番好きな表現】食事はただ栄養を摂取するためにするものではありません。本も食事も人生もゆっくり味わうことにこそ意味があります。(本文から引用)

  • メモ文章他者日記

  • 古代ギリシアの哲学者の箴言から、日本の哲学者・仏教者・思想家まで本当によく学ばれている岸見さん。大きな挫折に遭いながらも複数の語学や哲学など、様々な学びを行ったきた体験からの「勉強の本質とコツ」。とてもわかりやすくて、高校生などの若い人に読んでほしい。

  • 図書館で偶然に手に取った本。必要に迫られた学びもあるが、なんとなく読む本もとても魅力的。「するべきことではなく、したいことだけをして生きていこう」というフレーズが印象的だった。


  • この無理ゲー社会を勝ち抜くための学びではなく、ただ学ぶことをよろこんだり、楽しめばいいよという提言。

    岸見先生は哲学者なので、「そうだよね、そうだよね、そうは言ってもこの日本ではね…」というジレンマはありすよね、正直。

    弊息子(中2)の様子を見ていても、興味と受験勉強がケンカしていて、かわいそう。
    本来、学びが大好きなコなんだけどな。

    受験勉強さえすれば、何とかなる時代ではないけれど、カースト制度があるわけでもなく、ある意味恵まれていると言えば恵まれているんですけどね。

    豊かに生きるための考え方を、岸見先生特有の優しいまなざし、リカレント教育に通じるものが有りました。

    アドラー心理学について書かれた名著”嫌われる勇気”を読んでからのほうが、理解が深いと思いますよ!


  • タイパ、コスパでは学びの楽しさは得られないんだなあ。

  • 引用
    「何か直近の目標がなくても学ぶことができることを見てきました。受験勉強や外国語の知識を身に付けるときのように厳しいトレーニングをしなければならないことはありまふ。しかし、それでも知らないことを知ることは喜びに感じられるはずです。もしよそのように感じられないのであれば、知らないことを知る、学ぶことの喜びに目を伏せ、何か未来にある目標を達成するために今を犠牲にしているからです、そのような目標を立てず、他者と競争することもなく、学ぶ日を重ねるといつの間にかずいぶんと遠くまできたことに気づくでしょう。その時、人生の原稿がかなりの厚みになってくるに違いありません。」
    学ぶということは、成功に近づくために必要なことである思いがちである。実際、余裕がないときは今の自分に必要なことしか学ぼうとしない自分がいた。それでは、学ぶこと自体が辛いものになってしまう。目的もなく学び、知ったことが、自分をつくっていく。効率化を求めてしまう昨今。ゆっくりと学びそのものを楽しんでいけたらいあなぁと、今の自分を考え直すきっかけになった一冊。

  • 学びについて考察した教養本。博学の人が知者とは限らない。 どれだけ多くの知識を身につけるかではなく、人間が人間らしく生きるために、苦境にある時にはどう考え、振る舞えばいいかを正しく判断できるような知、知識というより知恵こそが本当の意味での教養という。 学びは永続的なものであり、競争のためではない。マイペースでゆっくり学ぶことが重要である。
    読んでみて納得することが多かった。いかに多くの情報や知識を詰め込み吸収するかを指南する教養本が多いけれど、教養とはそういうものではなく、継続的な学びから身についた知恵こそが教養という。色々な教養本を読んできたが、この本の著者の考える教養が自分には合っているように思う。

  • 学ぶとはどういうことか、が深く考察されている。
    競争のため、役立つから、成功したいから、と学ぶのでは無く、その思考過程を楽しみながら、ゆっくりと学ぶ、考える力をつけ、自分でいろいろと試行錯誤する楽しさこそ。

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著者プロフィール

1956年生まれ。共著書に『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)、訳書にプラトン『ティマイオス/クリティアス』(白澤社)ほか。

「2020年 『自然と精神/出会いと決断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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