ラファエル前派:ヴィクトリア時代の幻視者たち (知の再発見双書 94)

  • 創元社
3.68
  • (13)
  • (19)
  • (27)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 196
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422211541

作品紹介・あらすじ

イギリス画壇改革への意志と、中世美術への強い憧れを軸に、この個性的な画家たちはひとつにまとまり、ラファエル前派兄弟団が結成された。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 絵の説明に、画家は言いました~ と画家の弁が記されているのがいい。

    「オフィーリア」のモデルは20才のエリザベス・シダル。コヴェント・ガーデンの帽子屋で働いていたところをウォルター・テヴェレルに見いだされた。制作にあたってはミレーはアトリエに浴槽を持ち込み、水をランプで下から温めたとある。エリザベスはロセッティの妻となっている。

    「プロセルピナ」ロセッティ1873-77 モデルはジェイン・モリス ページ向かいにジェインの写真がある。

    「シャロットの女」ウォーターハウス1888 テニソンの同名の詩を題材にした3連作の第2作。女性が船に敷物を敷いて乗っている。

    18cmと小さい本なのだが、紹介されている絵に目を引くものがある。
    「1855年3月の習作」ジョン・インチボルド
    左に大きな木、冬で枝のみが空に映えている。
    「ペグウェル湾、1858年10月5日の想い出」ウィリアム・ダイス1858
    ドーバー海峡にそびえる白亜の断崖と浜辺で貝か何かを拾う女性たち。ペグウェル湾は検索するとカンタベリーの東、イギリス南海岸の東端、フランスのカレーと相対するところだった。


    著者:ローランス・デ・カール オルセー美術館学芸員。1998-99年にエドワード・バーン=ジョーンズの回顧展を企画。

    1999©
    2001.3.20第1版第1刷 2014.2.10第1版第6刷 図書館

  • ラファエル前派展に向けて。ラファエル前派は作品だけでなく人間関係も魅力の一つ。今作はそこがしっかりと書かれていてよかった。ざっとした美術史も知れてよい。

  • ミレイのオフィーリアに目を奪われ、柄にもなく美術本を手にとってみました!


    教養なさすぎな私だから、カラー写真満載だったのは嬉しい♪


    絵に隠された意味を自分で確認できるのがわかりやすいし、面白い!


    色鮮やかに細かく再現された彼らの描く自然の姿は、どれだけ見てても飽きない。


    ヒューズの『四月の恋』の色使いもすごく好き。


    今年の夏にオフィーリアが日本に上陸するらしい!!


    見に行くしかないねっ!!

  • グリーナウェイのラファエル前派に関するコメントが短いけど掲載されていたのには「ぬぉっグリーナウェイ、しかも『数に溺れて』の時やんけ」とソファから中腰位にはなりました、気分的にだけど。「あーあー光がね、あーあー羊あー」と50回迄はいかないものの内心で唸ること20回くらい。『数に溺れて』ときた日にゃあ、ねぇ。机バンバンです。
    それとビアズリーの解説に結構ページが割いてあって(監修の高階秀爾の著作からの引用だけど)、何故『サロメ』のサロメの化粧シーンに『ナナ』が置いてあるのかには「ほぉー」となりました。サドは推してしるべしだったけど、まさかゾラも、とは。昔から謎だったのでかなりスッキリしました。あと当時の印刷技術とビアズリー作品の関係とか面白い。

    かようにビアズリーとグリーナウェイに邂逅できたので古本屋でなんとなく買った割にはだいぶ期待以上でした。
    あ、他の部分も良かったです、絵ちっこいけど解説読みやすくて面白いし。

  • 読み終えたら、、今まで、ラファエル前派について、名前と有名な作品のタイトルぐらいしか知らなかったことに気づいた。


    彼らの主張や信念を知った。彼らは画家としての才能だけではなく文学にも優れていた。
    端から見れば斬新だったに違いない。
    ただ彼らにとってはおそらく自然なことだったのだろう。

    彼らが描く絵は形式的ではなく自然。偽りがない様に見える。
    特にミレーの絵はリアルで美しく私好み。

    ラファエル前派兄弟団のファンになった。

  • ラファエル前派二冊目。
    東京美術の『ビギナーズコレクション』に比べて、コンパクトながらも情報量が多い感じ。絵自体は『ビギナーズ~』のほうが見やすい。
    当時の時代背景や個々の生い立ち、評価など、基本的なことはしっかりと押さえられている。加えて、当時の生の批評や反論も収録されているのは珍しい。
    最後の最後に、ビアズリーに結構なページを割いてくれているのも嬉しいところ。

  • ロイヤル・アカデミー展のショップで売っていた。展示会でも、「ラファエル前派」という語が頻出していて、なんだこれ?と思っていたので、一通り読んでおこうかと思って購入した。全然知らなかったので面白い。

    そして、この、創元社の「知の再発見」双書は、面白そうなものが多い。カーリルで見たところ、ほぼ図書館で借りられそうなので、いくつか読んでみようかな。

  • w

  • ラファエル前派展が近々あるので前知識を入れておこうかと。
    知っている作品はあったけど、そもそもの知識が足りなかったようで、いろいろわかりました。やはり表紙の作品が印象深い。

全18件中 1 - 10件を表示

村上尚子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ウィリアム シェ...
川上 未映子
三島由紀夫
谷崎潤一郎
中野 京子
フランツ・カフカ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×