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- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784422300429
感想・レビュー・書評
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日本では未発達分野という戦争社会学について、「戦争社会学に資するものとして読める」書籍を紹介するブックガイド。
編集方針だろうか、日本語で読める書籍に限られているため、あるいは、「日本で戦争社会学をやるなら」という趣旨だろうか、紹介されている書籍の多くが日本の第一次世界大戦〜太平洋戦争〜戦後に関するものが多かった。
ヨーロッパ史に関心のある評者としては、「戦争社会学」の輸入元であろう欧米の最先端研究はどうなのか、ということが知りたかったところもあるので、辛口ではあるが、星を1つ減じた。
無論、序盤では戦争社会学一般について論じられていて、外国語の翻訳文献も紹介されていた。最後のほうにも同様のものがあっただろうか。読み終えてみれば、本書の中央部分6,7割が日本のものであったという印象(正確には数えていない)だったのだ。
ただ、戦争を分析する上での視点の多様さは把握することはできたので、ヨーロッパの戦争史をやろうとする場合でも、視野を広げる等々、まったく意味がないわけではない。
要するに評者にはドンピシャの本ではなかったということだ。
逆に日本と戦争に関心があるのであればドンピシャであろう。是非一読をおすすめしたい。本当に多岐にわたる書籍が紹介されている。
これだけの人たちがこのブックガイドに集まり、あとがきによれば、1つの原稿の脱落もなかったというのは本当に頭が下がる思いである。
ブックガイドとしては本当に優秀。常に手元に置いておき、思い立った時に開きたい1冊だ。それだけに可及的速やかな電子書籍化を期待したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示