- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784422300740
作品紹介・あらすじ
1947年の憲法施行以来、70年余にして「改憲」をテーマに国会で議論が始まる。日本国憲法の制定においては、国内国外の様々な政治的、社会的な力が働き、その成立過程は複雑である。ポツダム宣言を受諾して日本は連合国の占領下となるが、その結果、封建主義的な日本の国家体制の根本にある大日本帝国憲法(明治憲法)を民主的なものに変革する必然性があった。そして、その変革の過程は、日本側で考えた憲法改正案がGHQに提出される第一段階と、その提出案を完全却下してGHQが独自に作成した草案に日本側の要望を取り入れて作成した第二段階に分けることがができる。本書では、この作成過程を史実に照らし合わせて忠実に再現しながら、また、今なお完全に解明されていない歴史上の謎を解き明かしながら、マンガとコラムでわかりやすく解説した。右翼、左翼といったイデオロギー的な歴史観にとらわれない視点で多くの文献を基に編集されており、高校生から大人まで楽しめる。
感想・レビュー・書評
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日本国憲法の成立過程がよく理解できる本だ。いま、この改憲ムード漂う時に読むべきである。草案に参加したベアテさんの情熱に感動した。確かに、強引な押し付けや脅しはあったが、これは良い押し付けであったからこそ、70年も改憲せずにいるのだと思う。天皇をカードにGHQがいかに脅しをかけてきたのかということも理解できた。近衛文麿の自殺の真相も何となくわかり、憲法という法の王様の生みの苦しみを少しでも感じられたことは、とても有意義な経験なのである。漫画と文章のバランスが良く、知識が整理されていていい。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/729174 -
記録
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#NetGalleyJP で読了。
今度は日本国憲法の「誕生」物語ではなく、70年余りの憲法の「人生」物語が読みたい。 -
小中学校で学習して以来はじめて日本国憲法の全条文を読み返した。漫画で描かれているので非常にわかりやすく、憲法の精神を改めて再確認したが、本書の最もインパクトのある所は、憲法作成過程の綱渡り状態ではないだろうか。マッカーサーがいなければ、もしくは、2/26という日付を意識していなければ全く異なる憲法になっていた可能性が大きく、日本の戦後も大きく変わっていただろう。理想を追い求める先人たちの努力を理解したうえで、憲法議論を真摯に行っていくことが非常に大切なことだと思う。
#マンガで読み解くそして日本国憲法は作られた #NetGalleyJP