横死 (アルケミスト双書 闇の西洋絵画史〈5〉)

著者 :
  • 創元社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422701356

作品紹介・あらすじ

大好評シリーズ「アルケミスト双書」から
『闇の西洋絵画史』篇が登場!
西洋美術の「闇」の側面を浮かび上がらせる、
妖しくも美しい西洋絵画史シリーズ(フルカラー)。

著者は編集者で評論家の〈山田五郎〉。


■著者・山田五郎より
西洋絵画には、
教科書には載せられない「影の名画」もあれば、
逆によく見る名画に「影の意味」が
隠されていることもあります。けれども、
今日の感覚では不健全と思える表現や寓意も、
描かれた背景を知れば納得でき、
見え方が変わってくるはずです。
西洋絵画の本質は、
その最大の特徴である陰影法と同様に、
光のあたる表面だけではなく
闇の側面も見ることで、はじめて立体的に
浮かび上がってくるのではないでしょうか。


■本シリーズの特徴
・1冊1テーマを詳説
・類をみないユニークな切り口
・1冊あたり約70作品を掲載
・コンパクトで瀟洒な造本
・本物の美術の教養に
・ゲームや漫画他、創作のための資料としても


■シリーズ
*第1期:【黒の闇】篇
〈1〉悪魔
〈2〉魔性
〈3〉怪物
〈4〉髑髏
〈5〉横死

*第2期:【白の闇】篇
〈6〉天使
〈7〉美童
〈8〉聖獣
〈9〉楼閣
〈10〉殉教


■まえがき(〈5〉横死)
死や殺人はそれだけでも悲劇であり、
死者の立場や数によっては
歴史的事件にもなりえます。
ゆえに絵画の題材になることも多いのですが、
西洋絵画に描かれる死は、
私たち日本人の目には
ことさら残酷に映りがちです。
その原因は、遠近法や陰影法を駆使して
リアルに描く技術的特性だけでなく、
遺体に対する感覚の違いにも
あるのではないでしょうか。
輪廻転生を信じる仏教では、
遺体は塵と消える魂の抜け殻にすぎません。
ところが肉体の復活を信じるキリスト教では、
人は遺体になってもなお、
その人のままなのです。
いわば遺体にも個性があるわけで、
それが西洋絵画に描かれる死を
ひときわ生々しく見せているようにも思えます。

感想・レビュー・書評

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  • 『好きになれないはずがない』編集者・評論家 山田五郎 ─ 著名人・有識者が語る ~インタビュー~|知るぽると
    https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/kataru/033_goro_yamada.html

    商品詳細 - 横死 - 創元社
    https://www.sogensha.co.jp/productlist/detail?id=4222

  • 西洋絵画の中でも、”死”というものに焦点をあてて特集した本。有名どころではオフィーリアの絵とか…。昔から、避けて通れない死を描いてきた画家は多いですね。

  •  第1期【黒の闇】篇はこれにて全て読んだ。
     掉尾に選ばれたテーマは「横死」。言われてみれば我が国には有名人の横死を画題に選んだ絵が乏しい。
     33頁、ドレイパー《イカロスへの哀悼》。よい絵だ。
     61頁、《カムデン街の殺人》、P・コーンウェル『切り裂きジャック』を読んでいるので感慨深い。

  • これほど絵画に人の死が扱われているか知ってびっくり
    まあ、ほとんど宗教画なんだけど

    今だったら写真という手で映像化されるんだろうが当時
    絵画でどれだけの人が見られたのかしら

    オフィーリアをみた漱石の言葉のみ頭に残って困っている

  • [図書館]
    読了:2022/3/26

    一つ一つの解説がめちゃ短くて、気が付いたら読み終わっていた、という読後感。

    「はじめに」が一番興味深かったな。
    「西洋絵画に描かれる死は、私たち日本人の目にはことさら残酷に映りがちです。その原因は、遠近法や陰影法を駆使してリアルに描く技術的特性だけでなく、遺体に対する感覚の違いにもあるのではないでしょうか。輪廻転生を信じる仏教では、遺体は塵と消える魂の抜け殻にすぎません。ところが肉体の復活を信じるキリスト教では、人は遺体になってもなお、その人のままなのです。いわば遺体にも人格があるわけで、それが西洋絵画に描かれる死をひときわ生々しく見せているようにも思えます。」

  • 題材が題材だけにシリーズの中で最も凄惨。
    『オフィーリア』のような物語の中の死は文字通り画になるけれど、テーマとしてくくられた「民衆の死」は重いものがある。

  • 西洋絵画の死体たちは、絵画とはいえかなりリアルで生々しく、見ていて気持ちが引っ張られる。。

  • 723-Y-5
    閲覧

  • ・真理を追究する思想家はいつの世も、尊敬されながらも疎まれがち。真理は人類にとって都合がいいとは限らず、むしろ都合が悪いことの方が多いからでしょう。政治に思想が求められた時代(これも本来は時代を問わぬ真理のはずですが)には、真理や正論を口にすることが、しばしば死に直結しました。それでも節を全うし、真理に殉じた思想家たちを、画家たちは知の英雄として描いたのです。

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著者プロフィール

山田五郎(やまだ・ごろう)
1958年、東京都生まれ。編集者・評論家。東京国立博物館評議員。AHS(英国古時計協会)会員。上智大学文学部在学中にオーストリア・ザルツブルク大学に1年間遊学し、西洋美術史を学ぶ。卒業後、講談社に入社。『Hot-Dog PRESS』編集長、総合編纂局担当部長等を経てフリーに。現在は時計、西洋美術、街づくりなど幅広い分野で講演、執筆活動を続けている。『ぶらぶら美術・博物館』(BS日テレ)、『出没! アド街ック天国』(テレビ東京)など、テレビ・ラジオの出演も多い。主な著書に『知識ゼロからの西洋絵画入門』『知識ゼロからの西洋絵画史入門』『知識ゼロからの西洋絵画 困った巨匠対決』『知識ゼロからの近代絵画入門』(以上、幻冬舎)、『ヘンタイ美術館』(共著・ダイヤモンド社)、『へんな西洋絵画』(講談社)など。

「2022年 『第2期:5巻セット 〈白の闇〉篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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