- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784422930985
作品紹介・あらすじ
シリーズ「あいだで考える」創刊!
不確かな時代を共に生きていくために必要な
「自ら考える力」
「他者と対話する力」
「遠い世界を想像する力」
を養う多様な視点を提供する、
10代以上すべての人のための人文書のシリーズ。
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『自分疲れ――ココロとカラダのあいだ』
難病の実体験に基づいたユニークな文学紹介活動を展開している著者が、「自分自身でいることに疲れを感じる」「自分自身なのになぜかなじめない」といった「違和感」を出発点にして、文学や漫画、映画など多彩なジャンルの作品を取り上げながら、心と体の関係性について考察していく。読者が「私だけの心と体」への理解を深める一助となる一冊。
感想・レビュー・書評
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自身の難病経験や文学からの引用で解きほぐす身体論。自分を支えるこころとからだを様々な観点から分かりやすく語ります。頭木弘樹さんの著作は過去に読んでおりどれもおすすめですがこれもとてもよかった。巻末の作品案内だけ読んでも十分楽しめます。
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心と体について語るのに、色々な話が引用されていて、とても面白かったです。特に首から上と首から下が入れ替わるインドの伝記が印象に残りました。
頭木さんは本や漫画、映画といった幅広い作品に触れていて本当にすごいなと思いました。
あとがきに、「自分の考えを一方通行で提示するのではなく、読者にも一緒に考えてもらって良い一冊にしたい」という主旨が書いてあり、とても好感を持ちました。
「自分」というものを考える時、僕は思わず「体」ではなく「心」の方ばかりに目がいっていました。でも、体が感情を作っているという文章をみたとき、体あってこその心なんだと思えました。例えば、ある男性を目の前にして胸がドキドキしている…その後で、そうか!私は彼のことがスキなんだ!と解釈する。
体も心もとても大切なのだと改めて感じることができ、また自分とはなんなのかを考えられる素晴らしい作品でした。
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何回か読んで、自分なりの答えを出したい。
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自分の心と体を社会がどう評価するか、これが、自分の疲れの原因なのだろう。人の評価なんて関係ない、俺は俺と言いながら、やっぱり、気になる。
そういう、心の考え方が現実と理想の違いが疲れさせるのだろう。 -
あいだで考えるシリーズ第1弾として、これ以上ない良書。
自分とは何か?
心?体?
グラデーションだ、という答えに辿り着いた時、途端に楽になった。 -
サブタイトルが主題だった。
からだとこころ、どこが私なんだろう? -
この春創刊した人文書の新シリーズ「あいだで考える」の一冊目。文庫よりひと回り大きい判型で手触りよく軽く、「10代以上すべての人に」と銘打って、ふりがなたっぷり、二色刷り150ページ。「岩波ジュニスタ」「ちくまQブックス」と同じような狙い(読みやすい仕様での本格読書へのスモールステップ)を感じる。
「自分」というものほどじつはよくわからないものはなく、それはいったい心にあるのか体にあるのか、ひとつしかないのか、心と体はどういう関係なのか、心にしろ体にしろ思い通りにできないことも多いけど一生つき合い続けなければならない「自分」とはなんなのか、古今東西の本やアニメ・映画などからのエピソードや台詞を引きながら、自らの経験もまじえて考えさせてくれる。
そして、白か黒か、AかBかのような両極端ではなく、なにごともグラデーションのあるものなのではないか、そして(心と体の件に限らず)無理に白黒はっきりさせたり分類して名前をつけて「わかろう」とするのではなく、あいまいでよくわからないままよく観察したり受け入れるということも大事だということをおしえてくれる。
本文で引用/紹介した作品+その他のおすすめ作品のリストが巻末についている。
頭木弘樹さんの本はこれまでに何冊か読んできていてどれもおすすめだけれど、これからは、最初にこれをおすすめするとよさそう。 -
面白い。考え方が面白い。それを色んな文学などを例に理路整然と攻めてくる。心と体、白と黒どちらかではなく、間、グラデーションという捉え方。
三島由紀夫と太宰治のくだりも面白かった。
私はあなたの文章が嫌いですと、わざわざ太宰に言いに行き、きてくれるということは本当は好きなんですよ。と言われて激怒する話笑。
内臓とこころ 三木成夫しげお
ウツ婚!死にたい私が生き延びるための婚活
石田月美
隠悩録 筒井康隆
僕と彼女のペケ3つ 森永あい
山と獣と肉と皮 繁延あづさ
記憶する体 伊藤亜紗
面白くて眠れなくなる植物学 稲垣栄洋ひでひろ
弱いロボット 岡田美智男 -
途中間を開けながら読了〜
自分に疲れた俺にとって「これだ!!!」と思える、大袈裟なことは書いていなかったが、俺にとっての「これだ!!!」は俺が俺の生活の中から、もがきながら、ぼうっとしながら見つけるものだよな。
読みやすくて、優しくて、すてきな本でした。