近代日本の国際関係認識: 朝永三十郎と「カントの平和論」

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  • 創文社出版販売
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784423710722

作品紹介・あらすじ

この世界とは何か、を説明しようとする時、意識するとしないとにかかわらず、思い浮かべ、考えざるを得ない問いがある。それは、「人間とは何か」「国家とは何か」「国際関係とは何か」という3つの問いである。これらの問いが織りなす「世界のできあがり方」の構造を、本書は「自我・国家・国際関係」と呼ぶ。現在も世界の人々を拘束し続ける、この認識論的機制の近代日本における形成過程を、明治末から昭和前半期に活躍した哲学史家、朝永三十郎の「文脈設定者」としての思想的苦闘から描き出す。「国際関係とは何か」という、国際関係研究の根源への問いを問うには、世界国家の可能性を封じ込めた瞬間を把捉しなければならない。カントの『永遠平和のために』の単なる解説書とされてきた朝永の『カントの平和論』における、「国際」と「国家」の矛盾、という議論に、その瞬間は埋蔵されていたのである。学問領域を横断し、理論と歴史、思想と実証を交錯させて根源への問いへ挑み、21世紀の世界の見方、考え方を広く問いかける。

著者プロフィール

経歴
1970年 横浜生まれ。
1995年 東京大学教養学部教養学科第三国際関係論分科卒業。
2001年 東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程単位取得退学。
2001−07年 東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻助手。
2007年 博士(学術、東京大学)取得。
2017−18年 バーゼル大学ヨーロピアン・グローバル・スタディーズ研究所客員教授。
現在 駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部教授。

主な著作 
『近代日本と国際文化交流 国際文化振興会の創設と展開1934-45』(有信堂高文社、1999年)、『近代日本の国際関係認識 朝永三十郎と「カントの平和論」』(創文社、2009年)、『国際関係の思想史 グローバル関係研究のために』(岩波書店、2015年)、『ウェストファリア史観の脱構築 歴史記述としての国際関係論』(山下範久、安高啓朗と共編、ナカニシヤ出版、2016年)、『「国際政治学は終わった」のか』(葛谷彩と共編、ナカニシヤ出版、2018年)

「2020年 『国際文化交流と近現代日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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