子どもの権利条約ハンドブック

  • 自由国民社
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784426120542

作品紹介・あらすじ

“世界でたったひとつだけの宝”として大切にされながら、ありのままの自分を受け止めてもらい、「自分らしく思いやりのあるおとな」へと向けて大きくなる資格が、子どもにはあります。
それを、子ども自身が実現する力を与えたのが、子どもの権利条約なのです。

感想・レビュー・書評

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  • 子どもの権利条約の本。聞いたことはあるけど、詳しくは知らないし、よくわからなかったので、なるほどと思いながら読んだ。

    はじめにで「こどもは大人の家来ではない」という話が書いてある。当たり前と言えば当たり前なのだけど、『親』の権力は強大すぎて親自身も気が付いていなさそうだなとは思う。

    第1章 愛される権利
    ・呼びかけ、向き合ってもらう権利
    ・子ども期を豊かにすごし、大きくなる権利
    ・大人と同じように持っている権利

    子ども視点の物語が権利の説明として書かれている。分かり難いと思う人はいるかもしれないと思った。

    子どもの呼びかけには必ず向き合わないといけない……これ、年齢が低くなるほど「え。また?」とか「これくらい」と思ってしまいがちだけど、年齢が低いうちにしっかりと向き合っておかないと、年齢が上がると『大人は聞いてくれない』が固定化してしまって子供が大人の話を聞かない事になる。権利という話を抜いても、信頼の話として。

    大人と同じように持っている権利は、性別で差別するなという話だった。そうは言っても、大人の固定観念を払しょくするのは難しい。結局、大人の価値観を子供も継いでしまうんだよな。

    第5章 子どもの権利を生かすために
    ・助けを求める権利
    ・おとながやらなければならないこと
    ・国がやらなければならないこと
    ・国連がやらなければならないこと
    ・国連への報告審査制度と勧告

    大人は子供の話をしっかり聞いて、国は大人たちが子どもの話を聞けるように支援が必要……と言う話。
    よく読むと、私が子どもの頃には日本も子どもの権利条約を受け入れてたらしい。
    聞いたことないぞと思ってしまった。さらに読むと勧告を無視して日本は子どもの権利を尊重してないとも書いてあった。なるほど。
    体罰は禁止されたというニュースが以前あったけど『だったら、どう子どもに伝えるのか。しつけるのか』という部分は全く聞かなかったので、国連がうるさいから禁止という感じがすごいなと思う。

  • 子どもの権利条約は、身近な人と共感的に生きることこそ幸せの原点としている。もっとも大切なのは、「ねぇねぇ」と呼びかけたら「なぁに」と向き合ってもらう権利(意見表明権)である。
    DCI日本の仕事はすばらしい。
    連絡先:03-5961-0387
    子どもの権利として典型的なものは、
    ①自己決定権を有していない子どもが、ひとりの人間として尊重される権利(尊厳の確保)
    ②子ども期を待ち人としてではなく、今の自分を豊かに生きる権利(成長する権利)
    ③自分らしく生き、他人のことも考えられるような大人になる権利(発達する権利)
    ④これら3つの大切な権利を子どもが自らの力で達成するために不可欠な「自分の思いや願いを自由に出し、それと向き合ってもらって、成長・発達の場で出会う身近な大人と受容的な応答関係を作る権利」(意見表明権)がある。
    「助けを求める権利」とは、どんなに悪い子でも助けてもらえるということだ。先生や親の言うことを聞かなくても、勉強をしていなくても、人に迷惑をかけたとしても、その権利は守られる。保護者などに虐待された場合は、先生や近所のおばさんなど近くにいる大人に助けを求めることができるし、大人には助ける義務がある。
    日本でも全国学力テストの結果で学校がなくなる事態が出ている。点数が悪いと入学者が激減するためだ。
    日本では条約を批准したにもかかわらず、それが政策に全く反映されないどころか悪くなる一方である。教育基本法などを改正して愛国心や国際競争力を効率的に高める制度に変換してしまった。
    日本では民族学校にお金が出ないので、プールや体育館がない。バレーボールのネットもないし、給食もない。教科書も国からもらえない。
    マララさんはタリバンの非道さをアピールするために利用されたから世界中に注目された。アメリカの誤爆で家族を失ったパキスタンの少女ナビラさんは、わざわざアメリカまで行って国会議員に訴えたのに注目されなかった。
    アメリカは世界中で唯一条約を批准していない国である。ひどい。

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著者プロフィール

CRC日本の機関誌『子どもの権利モニター』編集長。文京学院大学非常勤講師。「CAFIC(ケフィック) 子ども・おとな・家族の総合相談 池袋カウンセリングルーム」主宰。公認心理師。ジャーナリストとして活動するなかで子ども問題に興味を持ち、2005年にAlliant International University/California School of Professional Psychology卒業。その後は主に、心理臨床の世界に身を置き、社会・心理学視点を合わせ持った臨床・執筆活動に取り組む。

「2016年 『子どもの権利条約ハンドブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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