法人税と所得税をうまく使いこなす 法人成り・個人成りの実務 (改訂増補)

  • 清文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784433631499

感想・レビュー・書評

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  • 本書では、法人設立にまつわる実務上のあれこれを「法人成り」、「個人成り」という論点に絞って様々な事象について会話形式で解説されている。法人税は小谷先生で所得税は仲宗根先生という役回り。文中届出書などのフォームが多数掲載されているが、記入例もあると良いと思う。初心者から実務家まで参考となる内容もあった。
    P265
    4 休眠の手続きと届出の効果
    自治体によって取扱いが変わるので注意が必要
    小谷
    都道府県と市町村に、休眠中である旨の届け出をします。 営業を休止しているときには法人住民税である『均等割り』はかかりません。
    各自治体で用意している法人異動事項申告書や法人異動届出書の用紙に、休眠中である旨「令和〇〇年〇月〇日より休眠」などと記載して都道府県税事務所と市町村にそれぞれ提出します。この届出により、住民税、事業税について課税関係が生じないことが役所側で認識されます。都道府県税事務所、市役所への届出については、各都道府県、市町村により、提出する書類の様式が異なりますので、事前に確認が必要です。
    仲宗根
    自治体によっては、休眠中は「均等割り」を徴収しなくても、 後日事業を再開した場合には 「その休眠中の均等割額を遡って徴収する」 というところもありますね。
    小谷
    はい。そのため、そのあたりのことは判断する前に必ず所轄の都道府県や市町村に問い合わせておく必要があります。
    仲宗根
    また、法人税の申告は、所得が無ければ納付税額はありませんが、毎年の確定申告書の提出は必要ですので注意が必要ですね。
    小谷
    申告書を提出しない場合には、欠損金の繰越しの計算ができな くなりますので、 将来所得が生じた事業年度において、 欠損金 の繰越控除ができなくなったり、青色申告を取り消されることがあります。
    P270
    5 休眠中の確定申告
    休眠中でも法人税申告書の提出は必要
    仲宗根
    休眠をした場合、 法人税の確定申告は必要でしょうか。
    小谷
    休眠中でも法律上は法人が存続しているため、法人税の確定申告は必要です。
    所得税の確定申告は、損益の有無などにより申告義務の有無の判定がありますが、法人税は損益の有無に関係なく、確定申告が必要です。
    しかし、休眠中は事業活動を休止していますので、所得や税額がなく、たとえ無申告であっても、加算税などのペナルティーは生じないため、休眠中、確定申告をしない会社もありますが、期限内申告を2回怠ると青色申告が取り消されます。また、知らないうちに法人に収益が発生していた場合には、無申告加算税などが追徴されることもあります。
    仲宗根
    地方税については、休眠中は確定申告は不要です。
    地方税の納税義務者は、事務所等を有する法人となり、事務所等は、①人的設備、②物的設備、③事業の継続性の3つの要素を備えていることとなりますので、休眠中は事業活動を停止していますので納税義務者とならないため、申告義務も生じません。
    小谷
    法人税のように青色申告の区分もないため、 確定申告がなくても影響はないのですね。

  • 必要な書類を具体的に明示し、手続きをフォローしているのでわかりやすい

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